空き家ビジネスの活用事例と成功に近づける方法

マイホームの購入を夢見ている方にとっては信じられない話ですが、現在の日本は住宅が余っています

  • 所有するだけでもコストがかかる
  • 解体するにも費用がかかる
  • 想い入れがある実家を処分するのは気がひける…

余った住宅は「空き家」となり、様々な問題を引き起こしています。

そして、現に空き家を所有している人のほとんどの人が、空き家の活用法を見い出せずに放置しています。

そこでイエプロでは、近年の社会問題として注目されている「空き家」に注目し、空き家ビジネスで成功するための方法について考えていきましょう。

目次

ビジネス家が注目している「空き家問題」

今まさにビジネスの嗅覚が強い人が敏感に情報を集めているのが「空き家」です。

「空き家ビジネス」とは、カンタンに言えば「空き家を活用して、効率的に収益を得ること」を指します。

処分できない空き家が増え続け、周辺環境を悪化させてしまう空き家問題ですが、嗅覚の強いビジネス家たちはココに目をつけました。

一つの市場として確立しつつある「空き家ビジネス」は、空き家の所有者にとって利益があるだけでなく、空き家の周辺環境の悪化を防ぐこともできるため、

地域社会からも歓迎されることが多く、官民一体となって推進されています。

上手く活用できれば、安定収入どころか大きな収益を得ることが期待できる空き家ビジネス。

今はまだ空き家問題に関心がない、将来的に空き家に関わるかどうかも分からないという方でも、空き家ビジネスの活用モデルを知っておけば、きっと役に立つ機会があるでしょう。

単純には「叩き値でも売却して儲けが出ればいい」という程度しか選択肢がない空き家の活用法ですが、活用モデルによっては、空き家が安定収入を生み出す原動力となってくれます。

相続などで空き家を持つことになった所有者がビジネスに転じることがあれば、わざわざ他人から空き家を借りてビジネスに活用することもあります。

空き家率13.5%!軒並み増加している空き家の現状

まずは空き家ビジネスを取り巻く環境をより深く理解するために、空き家の現状を知っておきましょう。

総務省が定期的に実施している調査によると、2013年時点での全国の空き家の数は820万戸です。

この時点での住宅の総数は6,063万戸ですから、空き家の割合を示す「空き家率」は13.5%になります。

住宅総数のうち13.5%が空き家ということは7.4軒に1軒は空き家という計算になりますね。

この「7.4軒に1軒は空き家」という統計結果から想像してみましょう。

あなたのマイホームが建っている住宅団地の並びで、7軒ごとに空き家が存在していることになります。

あなたが購入した分譲マンションが1フロア7室なら、1フロアに1室は空き室がある計算です。

現実的には、同じ都道府県・市区町村の中でも空き家率の高低に差があるので、そう単純な話ではありませんが、割合だけを見れば、これが空き家の現状なのです。

最新の調査結果が2013年時点のものであり、空き家問題の議論のほとんどがこの調査結果をベースに展開されていますが、現在ではさらに軒数が増加しているのは確実です。

なぜ空き家が増加するのか?空き家が増加する理由

右肩上がりで増加する空き家。

マイホームといえばサラリーマンにとっては一世一代の憧れの買い物であるはずなのに、なぜそんなに空き家が増加し続けるのでしょうか?

空き家が増加する理由①住宅供給の過多

まず、単純な理由は「需要を超えて住宅が建築されているから」です。

総人口が減少を始め、超高齢社会に突入した日本。

人口が減っているのに住宅が増えれば、住宅が余ってしまうのはごく簡単な方程式でしょう。

一方で、

  • 住宅総数に対する建築制限がないため、無制限に新しい住宅が増える(諸外国では制限を設けている国もある)
  • 日本人は安価な中古住宅よりも高価な新築住宅を好む傾向があり、中古住宅が売れ残る

というわが国特有の事情があります。

考え方がサッパリした人なら「どうしても余ってしまうなら、解体してしまえば?」と考えるでしょう。

ところが、事はそうカンタンではありません。

まず、住宅の解体にはコストがかかります。

一般的な木造二階建ての住宅を解体する場合、地域や付帯設備の有無などによって差がありますが、概ね100〜200万円程度の解体費用がかかります。

使わない空き家を処分するために100万円以上の出費をすると思えば、解体に踏み切ることに躊躇してしまいますよね。

自治体によっては解体費用の一部を補助金として交付している場合もありますが、それでもある程度まとまった金額の出費になるのは確実です。

空き家が増加する理由②税制上の問題

空き家が増えるもう一つの理由は「税制上の問題」です。

マイホームを所有しているみなさんは、毎年、土地と建物に対する固定資産税と都市計画税が課税されていますよね。

実は、みなさんが納めている土地の税金は、すでに大幅に減免された税額なんです。

住宅が建っている土地の税金は「住宅用地の特例」によって

  • 固定資産税が1/6
  • 都市計画税が1/3

に減免されています。

これは空き家の場合でも同じですが、ここで問題となるのは「空き家を解体して更地に戻した場合」です。

土地の上にあったはずの建物がなくなると、住宅用地の特例の適用外となり、土地に課税される固定資産税と都市計画税の税額が100%の税額になります。

建物に課税されていた税金はゼロになりますが、土地の税額が跳ね上がるため、トータルで見ても大半の物件で税額が3倍程度になります。

わざわざ解体するにもお金がかかる。しかも解体後は税金が上がる。

これでは、空き家の活用法を見い出せない人が「放置しておくのがベスト」と考えてしまっても仕方がないでしょう。

ただし「放置しておくのがベスト」という姿勢は、これからの社会では通用しません。

空き家対策特別措置法の制定によって、周辺環境に害悪を与える空き家は「特定空き家」に指定され、自治体の勧告に従わず改善措置を取らなかった場合は住宅用地の特例から除外されてしまいます。

さらに自治体の命令にも従わなかった場合、強制解体を受けた上で解体費用を負担することにもなります。

つまり、空き家を放置しておくことは、損を生むことがあっても得を生むことはないのです。

空き家ビジネスは、放置すれば「損あり・得なし」の空き家を活用することで「損なし・得あり」に転換しようという発想が基本だと言えるでしょう。

空き家ビジネスのリスク①「中古住宅=質が悪い」という気質

中古住宅は「質が悪い」と評価される傾向があります。

欧米では、住宅は何世代にもわたって使い続けるのが常識なので、中古住宅に対する意識が寛容です。

しかし、日本では「住宅は一代限り」の考えがあるため、中古住宅に対して

  • 誰かの使い古した物件
  • 中古=老朽化

のようなマイナスイメージを抱きがちです。

実際には居住に何の不都合がなくても、日本人は単に「中古住宅」と聞いただけで質が悪いと評価してしまいます。

マイナスイメージを抱えてしまう分だけ、資産としての価値は下がります。

ただし、このリスクは「中古住宅に住む・売る」という場合にマイナスに働きますが、わざわざ空き家を購入してまで空き家ビジネスを始めようとする場合には好都合です。

事業の拠点となる空き家が安価で手に入るのですからね。

空き家ビジネスのリスク②空き家活用に踏み切れない

日本の住宅建築の工法は、主に2種類の工法が使われています。

  • 在来工法・・・旧来からの日本住宅を建築する工法で、柱と梁で住宅の強度を保持する
  • ツー・バイ・フォー工法・・・19世紀初頭に北米で考案された工法で、柱や梁の代わりに壁で住宅の強度を保持する

ほとんどの住宅が在来工法かツー・バイ・フォー工法のどちらかで建築されていますが、近年では工期が短縮できて容易に施工できるツー・バイ・フォーが主流になっています。

空き家を何らかの方法で活用したいと考えた場合、大規模なリフォーム・リノベーションが必要になりますが、

一般的には「ツー・バイ・フォー住宅はリフォーム・リノベーションが難しい」と言われています。

ツー・バイ・フォー工法は別名で「壁構造」と呼ばれるほど「壁」に頼るところが大きいため、柱と梁を基礎とする在来工法と比べると大規模な工事が必要となります。

マイホームの建築時には「ツー・バイ・フォー工法だと将来的にリフォームは困難になる」と住宅メーカーから説明を受けることも多く、住人としては「リフォームが難しい」という認識が固まっているわけです。

  • 工法上、リフォーム・リノベーションが難しい
  • 工事には多額の費用がかかる

こんな後ろ向きな条件が揃ってしまっているので、空き家の所有者は空き家活用に踏み切れないのです。

空き家ビジネスのリスク③空き家ビジネスの窓口が少ない

各メディアで空き家問題が騒がれながらも、なかなか定着しない空き家ビジネス。

空き家ビジネスがビジネスモデルの一つとして定着しない理由は「窓口が少ないから」だと言われています。

国内では「IESHiL(イエシル)」などのように空き家の市場価格の分析や活用に長けたサービスを提供している業者のほか、

各住宅メーカーも同様に空き家活用に対するサービスを展開していますが、まだまだ気軽に利用できるほどの門戸は開けていないのが現状です。

空き家問題が社会でクローズアップされ始めたのは最近の話。

空き家ビジネスを提案している業者も、ノウハウが確立されているとは言えないのです。

今のところ、空き家ビジネスにチャレンジしている人のほとんどが、いろいろな情報を集めながら個人単位で手探りしながら進めている状況です。

クリエイティブな思考の方であれば「工夫次第で大成功の可能性がある!」と燃えるところですが、今までにビジネス経験がない方や気軽に取り組みたい方にとっては高いハードルになるでしょう。

少しでも空き家所有者のリスクを軽減するには、選択肢が少ないながらも専門業者に頼るのがベスト。

しかしながら、特に地方都市などではその専門業者すら存在しないという現状が、空き家ビジネスの門戸をさらに狭めていると言えます。

空き家ビジネスのリスク④空き家がある地域が衰退している

先ほど日本の空き家率に触れたところで「並び7軒に1軒は空き家がある計算」と説明しましたが、これはあくまでも統計結果に基づいた例です。

実際のところ、空き家が平均して分布しているのではなく、空き家が多い地域・少ない地域が存在しています。

では、どんな地域に空き家が多いのでしょうか?

答えは、お察しのとおり「過疎化地域」です。

空き家がある地域はそもそも過疎化が進んだ地域だったり、空き家が増えたせいで過疎化が進んでしまったりと、負の相乗効果によって「空き家」と「過疎化」は密接に関係しています。

また、地域の過疎化が進む原因は、

  • 地域経済が衰退している
  • 仕事がないため、地域に活力がなくなっている

などが挙げられます。

地域の力が衰退している状態では、どんなに画期的な空き家活用法を見い出したとしても、利用者を見つけることさえできません。

地域の力が衰退している地域で空き家ビジネスを成功させるには、まず崩壊した地域の力を復活させるために地域コミュニティの再生と地場産業の活性化を目指す必要があるでしょう。

空き家と過疎化が負の相乗効果で密接に関係しているのと同じように「空き家ビジネス」と「地域の活性化」もプラスの相乗効果によって密接に関係しているのです。

空き家ビジネスのリスク⑤空き家活用に対する心理的な抵抗感

空き家になっているとはいえ、以前は両親が住んでいたり、自分自身が生まれ育った住宅であったりすれば、空き家活用に抵抗感を感じてしまうのも無理はありません。

田舎の実家を相続し、現在は誰も住んでいない空き家だったとしても、空き家の中には先祖代々の仏壇があったり、正月やお盆には身内が集まる場所にしたいと思えば、空き家をそのままにしておきたくなるものです。

もし借家として賃貸借契約を結んでしまえば、借地借家法によって借主の立場が強く保護されます。

「やはり愛着のある実家を他人に貸すには抵抗がある」と退去を求めても、すでに居住を始めている借主の権利が優先されるため「貸家にする」=「家が返ってこない」というイメージを抱いてしまいます。

このような空き家活用に対する心理的な抵抗感が、空き家ビジネスへの第一歩を踏み出すことにブレーキをかけてしまうのです。

空き家ビジネスモデル①空き家をそのまま賃貸にする

空き家をそのままの状態で貸す。この方法が、誰でも考えつく最も簡単な空き家ビジネスのモデルでしょう。

手間も費用も最小限で、単純に家賃収入を得ることができます。

壁紙クロスや障子・襖の張り替えなど、最低限のメンテナンスやクリーニングが完了すれば、すぐにでも賃貸物件として貸すことができます。

一時的に大きな出費を伴うこともないので、ローリスクで空き家ビジネスモデルを始めてみたいという方にはオススメです。

ただし、一口に「まるごと賃貸」と言っても

  • 自分で借主を探して直接賃貸する方法
  • 不動産業者に契約管理を一任する方法

など、賃貸の形態は様々です。

また、空き家をそのままの状態で貸すのか、リフォーム・リノベーションして貸すのかなどの違いもあります。

ここでは、空き家ビジネスの代表的モデルである「まるごと賃貸」について紹介しましょう。

空き家をそのまま貸す際の注意点

最も簡単で単純な空き家ビジネスである「そのまま貸す」という方法ですが、注意点が2つあります。

まず、空き家をそのまま貸す場合は、賃料の設定を低くする必要があります。

立地条件が際立って良いなどの理由がない限り、相場よりも低い賃料でないと借り手が見つからないことを覚悟しておきましょう。

もう一点は、借り手を探すのが難しいという点です。

特に、人口が減少している過疎地域などでは賃貸物件の需要自体が乏しいため、借り手がなかなか見つからないという事態に陥ることがあります。

これらの問題点への対策として「空き家バンク」を活用するという手段があるので、後で詳しく紹介しましょう。

空き家の賃貸契約の方法

空き家の借り手を探す際には、ほとんどの場合、地元の不動産業者に仲介を依頼することになるでしょう。

不動産業者は空き家の所有者と借主の間に立ち、空き家の賃貸借契約締結をサポートしてくれます。

ここで、住宅の賃貸借契約の種類について勉強しておきましょう。

住宅の賃貸借契約を締結する際には、

  • 普通借家契約
  • 定期借家契約

の2種類が存在します。

普通借家契約とは、今現在、アパートや賃貸マンション、貸家に住んでいるほとんどの人が利用している契約方法です。

通常は2年間の契約期間があり、契約期間が満了しても自動的に契約が更新されます。

また、よほどの事情がない限りは所有者の都合で契約を破棄することができません。

つまり、特に手続きなどを取らなくても「借主がその物件に居住する」という権利が強く保護されている契約形態が普通借家契約です。

「一旦でも貸家にしてしまうと、手元に戻ってこなくなる」という考え方は、普通借家契約に基づいた話なんですね。

一方の定期借家契約とは、契約期間が満了したら物件を返還してもらうのが前提の契約形態です。

通常は1年、またはこれよりも短い契約期間を設定することで、期間を限定して空き家を貸すことが可能です。

長期的にその地域に住み続けたいという借主には不人気となりますが、期間が限定された転勤や、長期出張などの仮住まいとしては一定のニーズが期待できます。

また、短期間契約であるため、普通借家契約よりも賃料を相場よりも安く設定することになり、収入額は減りますが借り手は見つかりやすいというメリットがあります。

「ある期間までは空き家をビジネスに活用したいが、先々は自分たちが居住したい」と考えている空き家所有者には、定期借家契約がオススメですね。

空き家ビジネスモデル②空き家を「シェアハウス」として貸す

空き家ビジネスの第二のモデル。それは「シェアハウス」として貸すことです。

最近では人気ドラマの舞台などでも取り上げられるシェアハウス。

一軒の住宅を、リビングや台所などの共用部分を中心として各部屋ごとに個人に賃貸し、数人でシェア(共有)しながら居住することから「シェアハウス」と呼ばれます。

下宿や寮のような生活をイメージすれば分かりやすいでしょう。

同じ住宅内に居住していながら、各借主は独立した契約者になるということですね。

例えば共用部分を除いて4部屋ある住宅をシェアハウスにした場合、1軒の住宅に対して満室時は4件の賃貸借契約が発生することになります。

シェアハウスが注目され始めたのはここ最近の話ですが、すでに東京・大阪などの大都市圏ではある程度の市場が広がっています。

入居者は単身者がほとんどで、

  • 通常の居住に使う人
  • 長期旅行などでスポット的な拠点にしたい人
  • ボランティアや地域交流で訪れる人

など様々ですが、少人数の家族ならファミリーで入居するケースもあるようです。

シェアハウス経営のメリット①賃料収入額が大きくなる

シェアハウス経営最大のメリットは「賃料収入額の増加」です。

シェアハウスは入居者の数だけ賃貸借契約の本数があるため、空き家をまるごと貸すよりも賃料の総額が増えます。

例えば、まるごと1軒を貸す場合の家賃が8万円の空き家があったとしましょう。

これをシェアハウスとして賃貸し、4部屋の家賃をそれぞれ3万円に設定した場合、1ヶ月の賃料総額は4部屋×3万円=12万円になります。

満室時にはまるごと貸すよりも賃料総額が増えるように設定するのがシェアハウス経営の基本です。

シェアハウス経営のメリット②空き室リスクが減る

第二のメリットが「空き室リスクの軽減」です。

空き家まるごと1軒を賃貸すると入居率は100%ですが、退去してしまうと入居率は0%です。

次の入居者が決まるまでは0%のままで、ビジネスとしては無収入の状態が続くことになります。

一方、シェアハウスにすれば、4部屋のうち2部屋が空き室になっても入居者は50%となり、満室時の半分の賃料総額の収入は確保できるため経営は安定します。

空き室リスクは賃貸不動産経営につきもの。

空き家ビジネス初心者にしてみれば、低リスクでの経営が可能になるという点では大きなメリットになるでしょう。

シェアハウス経営のメリット③入居者を選別できる

シェアハウスは共用部分を中心に生活するという特性上、入居者の人柄を問われるモデルでもあります。

入居者の定着率は他の入居者次第である面があるため、入居者選びは非常に重要な要素となります。

どのような入居者を受け入れるかを経営者がじっくりと選別し、

例えば「単身者限定」「女性限定」などの条件付けも自由であることも大きなメリットだと言えるでしょう。

シェアハウス経営のデメリット①管理が面倒

シェアハウスは管理が非常に面倒です。

複数の入居者は使用するため共用部分の痛みを激しく、設備の故障・修繕が発生する機会は空き家をまるごと貸すよりも多くなります。

また、1つのクレーム案件に対して複数の入居者から寄せられるため、精神的に疲弊してしまう経営者も少なくありません。

シェアハウス経営のデメリット②居住者間のトラブルが起きやすい

居住者間のトラブルが多いのもシェアハウスのデメリットです。

「◯◯さんのマナーが悪い」「△△さんの態度が悪い」など、半共同生活に特有の人間関係の悪化が一つのシェアハウス内で勃発してしまうので、居住者間の板挟みに苦しむこともあります。

シェアハウス経営のデメリット③経営の不安

シェアハウスの主なターゲットは短期居住者です。

単身者が長期旅行の拠点にしたり、外国人留学生などが入居することが多く、1ヶ月から2〜3ヶ月で退去することも珍しくありません。

短期居住者が多いと、空き室が増えたり、入居者が全く決まらない時期は必ず訪れます。

思ったように入居者が確保できていないと、シェアハウスの経営自体に不安を感じてしまうでしょう。

シェアハウスという形態のビジネス自体が比較的新しいモデルであり、最近の時流に乗ってシェアハウス経営を始めた人が成功するか否かは未だに未知数なのです。

シェアハウスの契約上の注意点

空き家ビジネスにチャレンジする上で、シェアハウスを候補に挙げた方には、ぜひ覚えておいて頂きたいことがあります。

シェアハウスの賃貸借契約を締結する場合は「定期借家契約」にしましょう。

定期借家契約は、契約期間が満了した場合は契約更新をせずに退去する契約形態です。

短期居住者が多いシェアハウスでは、入居時に取り決めた契約期間で退去するとしても、入居者自身が初めから短期居住を前提としているので大した問題はありません。

では、定期借家契約を選択するメリットは何でしょうか?

それは「好ましくない入居者の排除」です。

契約期間が満了すると自動更新をしない定期借家契約なら、他の入居者とトラブルを起こしたり、マナーが悪い入居者の契約期間が満了した際には「契約更新をしない」という手段で対抗できるのです。

シェアハウスを始める流れ

ここでは、実際にシェアハウス経営を始める際の流れについて説明していきましょう。

シェアハウスを始める流れ①リノベーションをする

シェアハウス経営の第一歩となるのがリノベーションです。

一般住宅だった空き家をシェアハウス用にリノベーションする必要があります。

部屋を完全な個室に分けて、入居者のプライバシーを確保するために施錠設備をつける必要があります。

入居者に安心感を提供することは入居を促す強力なツールとなります。

キッチン設備はできるだけ広く使いやすいように構造にして、使い勝手だけでなく整理整頓がしやすいようにすると良いでしょう。

また、シャワーやトイレは複数、最低でも2室以上は設けておくのがベストです。

一般住宅だった空き家をシェアハウス用に改造するには、ちょっとしたリフォームでは対応できません。

思い切ったリノベーションが必要になるので、ある程度の出費が発生することを覚悟しておきましょう。

シェアハウスを始める流れ②入居者の募集・契約

空き家のリノベーションが完成したら、入居者の募集をかけます。

一般的な不動産業者でもシェアハウスを取り扱っている業者はありますが、居住者のニーズに合わせるならシェアハウスのマッチングサイトを利用するのがベストです。

シェアハウスのマッチングサイトといえば、

ひつじ不動産・・・シェアハウスのマッチングサイトとしては最大手、都心だけでなく関西の情報にも対応しており、コンセプトに応じたシェアハウス探しが可能

Colish(コリッシュ)・・・コンセプト型シェアハウスの情報を強化したマッチングサイト、企画を投稿するなどシェアハウスを創造することから楽しめる

などの人気が高まっているので、活用の価値は十分にアリです。

入居希望者が見つかれば、賃貸借契約を交わします。

マッチングサイトを介して入居希望者を見つけた場合でも、契約は所有者自身が交わす必要があります。

もし契約内容などに不安が残るなら、不動産業者に仲介を依頼するのがベターです。

シェアハウスを始める流れ③ハウスの管理

無事に入居希望者と契約を交わし、入居が完了した後は、ハウス管理が必要です。

シェアハウスが自宅の近場にある場合は自分で管理することも可能ですが、複数の入居者が居住するシェアハウスを管理するのは大変です。

ハウス内の掃除やゴミ出しだけでなく、居住者間のトラブル解決にも関与する場面が多いので、心身ともに重労働になることは必至です。

シェアハウスの管理は大変なので、管理会社に委託するのも良いでしょう。

ただし、シェアハウスの管理を委託すると、一般的なアパートやマンションの管理費用よりも高額になることが多いので要注意です。

シェアハウスの空き家ビジネスとしての評価

空き家ビジネスの成長株として注目されているシェアハウス経営。

空き家まるごとを貸すよりも収益性が高く、最近特に人気が高まっているビジネスモデルなので、チャレンジする価値は十分です。

ただし、シェアハウス用のリノベーションが必要であったり、管理費用が高額になるなど、ある程度の投資やランニングコストの用意が必要です。

ビジネスとしてチャレンジするには手間とコスト面で気軽とは言えないまでも、これから評価が高まる期待は十分でしょう。

空き家ビジネスモデル③空き家を「民泊」として経営する

2020年開催の東京オリンピックに向けて話題に上がる機会が多くなったのが「民泊」です。

民家を宿泊施設として提供する民泊は、東京オリンピック観戦のために来日する海外客の受け入れ先としても注目されており、増加の一途をたどる空き家の活用法としても有効だと評価されています。

気軽に始められる空き家ビジネスとして注目されている民泊経営ですが、何の知識や用意もなく「明日から民泊やります!」という訳にはいかないようです。

事前に民泊に関する法律などをしっかり学習しておく必要があるので、ここでカンタンに予習しておきましょう。

民泊経営とは

外国人観光客の訪日が2,000万人を超えたというニュースは記憶に新しいことでしょう。

わが国にとっては喜ばしいニュースですが、外国人観光客の急激な増加によって受け入れ先となる宿泊施設が不足するなど、新たな問題も発生しました。

深刻な宿泊施設の不足問題を解消するため、個人の住宅を宿泊施設として提供するという対策が考案されました。

これが「民泊」の始まりです。

非常に紛らわしくになりますが「民泊」と「民宿」は別物です。

民宿とは、営業行為として人に宿泊をさせ、継続的に収益を得るための宿泊施設を指します。

一方の民泊は、

  • 営業行為ではない
  • 継続的に収益を得るためではない

という解釈の下に成立しており、グレーな部分が存在しています。

民泊と旅館業法の関係

ホテル・旅館・民宿などの宿泊施設は「旅館業法」という法律の規制の下に許可されています。

では、民泊はどのような立場になるのでしょうか?

ほとんどの民泊業者は旅館業法の許可を受けていません。

営業行為として宿泊施設を提供し継続的に収益を得ていれば、旅館業法の適用を受けるため、旅館業法による許可が必要になります。

とはいえ、民泊業者はボランティアとして無償で宿泊施設を提供しているわけではありません。

宿泊客は民泊の利用料金を支払い、民泊業者も宿泊客が支払う利用料金を原資に経営しています。

そうなると「旅館業法の許可を受ける必要があるのでは?」という疑問が生じるでしょう。

この点については、民泊業者は「継続的な事業としての目的ではない」という建前を貫いています。

つまり、民泊は「収益目的の事業ではない」という立場なのです。

現実的に利用料金の授受が発生しているため、グレーゾーンの解釈にはなりますが、現在では徐々に法整備が進められています。

「民泊は事業収益を得る目的では認められない」というのが現状なのです。

合法的に民泊が認められるケース

現在の法体制では、民泊はあくまでも「事業収益目的では認められない」という建前で成立しています。

ところが、事業収益を目的として継続的に経営する民泊が認められるケースも存在します。

それは「国家戦略特区内」にある民泊です。

増加を続ける外国人観光客の宿泊施設確保のため、一部の地域を「国家戦略特区」に指定し、特区内の自治体では旅館業法の適用を受けずに民泊の経営が認められる「民泊条例」を定めることが可能になりました。

つまり、

  • 国家戦略特区内である
  • 特区内の自治体が民泊条例を定めている

という条件が整っていれば、旅館業法の許可を受けずに民泊を経営することができます。

現在、国家戦略特区として指定されているのは

東京圏(東京都・神奈川県・千葉市・成田市)
愛知県
新潟市
仙台市
仙北市
関西圏(大阪府・兵庫県・京都府)
養父市
広島県・今治市
福岡市・北九州市
沖縄県

ですが、2017年8月の段階で民泊条例を定めているのは

東京都大田区
大阪府の一部と大阪市
北九州市
新潟市

だけです。

特区内の自治体でも民泊条例の制定に積極的な姿勢を示し今後の導入が期待されていたり、全く積極性がない自治体もあります。

今後の国や自治体の対応に関心を払いながら情報収集を続けていく必要があるでしょう。

民泊新法とは?

民泊を取り巻く最新の状況として話題になっているのが「民泊新法」です。

2017年6月に制定、2018年6月から施行される「住宅宿泊事業法(通称:民泊新法)」では、個人が住宅を提供する民泊経営が一定の条件下において認められることになります。

まず、民泊経営が認められるためには、都道府県知事に対する届出が必要です。

従来の旅館業法では「許可」を受ける必要があり、様々な許可要件をクリアして初めて営業が認められます。

ところが、新たに施行される民泊新法では都道府県知事に対する「届出」で足りることになりました。

「許可」と「届出」は似たようなニュアンスを感じる言葉ですが、重みは全く異なります。

基本的には一様に行為を禁止して要件を満たした場合にのみ実施を許すのが「許可」であり、禁止はしていないが無制限に存在を放任できないため監督官庁への事前通知を必要とするのが「届出」です。

難しい言い回しになりましたが、カンタンに言えば

  • 許可は各要件を満たさないと認められない
  • 届出は届出の情報を揃えて申請すれば認められる

という違いがあり、ハードルの高さが全くことなるのです。

民泊新法では「届出」で民泊経営が認められるわけですから、旅館業法の許可に比べれば、参入へのハードルはグッと下がることになります。

届出方法はインターネット可能と予定されており、届出自体も利便性が高められています。

届出のために、施設管理者を定めて、宿泊者名簿の作成や衛生基準の維持などを整えておく必要があります。

民泊新法では、年間の稼働日数に上限が設定されています。

年間180日までが上限で、別に条例が定められている場合は条例に従うことになります。

届出で民泊の経営が可能となる民泊新法。

空き家ビジネスの可能性を広げるきっかけとして注目されています。

民泊経営のメリット①需要が高い

民泊が空き家ビジネスのモデルとして注目されている最大の理由は「需要の高さ」です。

外国人観光客の急増によって、日本全国で宿泊施設不足が深刻化しています。

2020年の東京オリンピックに向けた宿泊施設の確保が課題となっており、今後もますます需要が高まることが期待されています。

民泊経営のメリット②集客が簡単

民泊はホテルや旅館などの正規の宿泊施設よりも集客が簡単だと言われています。

民泊の利用が世界的に広まった背景として「Airbnb(エアビーアンドビー)」というマッチングサービスの存在が挙げられます。

Airbnbは世界中の民泊をマッチングするサービスなので、登録しておけば世界中の旅行客を呼び寄せることが可能です。

もちろん国内旅行客も利用できるので、アピール次第では集客に困ることなく経営を続けることができるでしょう。

民泊経営のメリット③旅行客との文化交流が可能

民泊を経営していると、世界中の旅行者とコミュニケーションを持つ機会が生まれます。

通常は触れ合うこともない異文化と交流を持つことは、大きなメリットとなります。

宿泊料による収益だけでなく、人生の質を向上する素晴らしい経験を得ることができるでしょう。

民泊経営のメリット④初期投資が軽い

空き家ビジネスとして民泊経営を選ぶ大きなメリットとなるのが「初期投資の軽さ」です。

居住用として提供する場合は大規模なリフォーム・リノベーションが必要になりますが、民泊の相手は一時的な利用客ですから、居住用に耐えるほどの設備を整備する必要がありません。

さらに旅館業の許可を得る必要もないので、消防設備などの要件を整える必要もありません。

空き家に大規模な改修を施すことなく転用できるため、初期投資が抑えられ、空き家ビジネスへの参入が容易になります。

民泊経営のメリット⑤廃業が簡単

民泊利用客のほとんどが短期滞在者です。

貸家を賃貸借契約で提供した場合のように、入居者が退去してくれないというトラブルが起きるおそればまずありません。

もし「廃業したい」と考えた際には、宿泊客の予約が途切れたタイミングで募集を止めれば良いだけです。

ほかのビジネスモデルでは投資を回収できるまで廃業できないことがありますが、民泊がビジネスとして成立しないと感じた場合にはすぐに頭を切り替えて別のビジネスを目指すことができます。

民泊経営のデメリット①旅館業法との兼ね合い

法整備が進められて完全合法化の道が開かれた民泊ですが、2018年6月の施行まではグレーゾーン的な存在です。

民泊を経営するにあたってネックになるのが「旅館業法」との兼ね合いであり、民泊新法の完全施行までは、最悪の場合、刑罰の対象となってしまう危険があります。

現在は「事業として継続的な収益を得る目的ではない」という前提で運営するほかなく、あまりにも積極的な経営をしていると、ビジネスどころの話ではなくなってしまうでしょう。

民泊経営のデメリット②トラブルが多い

民泊はトラブルが多く発生します。

民泊の利用客は世界中から訪れる旅行客です。

しかも滞在期間は短くて数日、長くても1ヶ月程度です。

海外旅行客の中には、日本と文化が異なるためにモラルがないように感じる旅行客もいるでしょう。

旅行客を装って犯罪行為の拠点にされてしまうおそれもゼロではありません。

コンロなど火器の不適切な利用が原因で火災が発生してしまうかも知れません。

トラブルの種類によっては、宿泊客だけでなく民泊オーナーの責任を問われるおそれもあるでしょう。

海外旅行客が室内を汚したり、設備を毀損してしまっても、自国に帰ってしまえば責任の追及は困難となります。

民泊経営のデメリット③周辺住民とのトラブルが起こる

実際に民泊経営をしているオーナーの多くが抱えている悩みが「周辺住民とのトラブル」です。

まだまだ民泊に対する理解が深まっていないため、民泊の施設周辺の住民との間で軋轢を生むことがあります。

住宅密集地域で経営をしている民泊には、外国人観光客や方々からの旅行客が多数訪れるため、不安を感じた周辺住民がクレームを寄せてくるのです。

分譲マンションなどの集合住宅では、マンションの一室で民泊を経営していたところ、周辺住民から裁判所を通じた差し止め請求を受けたという実例もあるくらいです。

マンションなどの集合住宅では、管理規約で転貸や営利目的での利用を禁止している場合が多いので要注意でしょう。

また、素人が気軽に始めた民泊は、ホテルや旅館など従来の旅館業者にとっては目障りな存在となります。

民泊経営は法的にグレーゾーンな立場にあるので、旅館業者から嫌がらせ目的で告発されてしまうこともあり得ます。

警察が適切に受理した告発であれば、嫌がらせ目的であっても民泊経営者が処罰を受けることになり、無許可営業には6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金を受けるおそれがあるので、周辺との良好な関係を維持することが民泊経営を維持するためには非常に重要です。

民泊経営を成功させるには?

法的にはグレーゾーンな部分もあり、これからクリアすべき問題の多い民泊。

民泊経営を成功させる要となるのが、先ほども紹介した「Airbnb」です。

Airbnbはインターネットを利用して民泊と旅行客のマッチングを行うサービスです。

民泊経営側がAirbnbに登録すると、Airbnbを利用している世界中の旅行客の目にとまることになります。

わざわざ集客に力を入れることもなく、サイトへの登録だけで世界中への集客がアピールできるという強みがAirbnb最大の魅力です。

Airbnbのシステムは、サイトを通じて宿泊客を受け入れ、民泊施設を利用してもらい、料金の支払いを受けるという単純な構造です。

宿泊客からAirbnbに利用料金が支払われると、Airbnb側の手数料である「ホストサービス料」として利用料金から3%が差し引かれます。

利用自体は単純なシステムであるAirbnbですが、一番の問題点は「外国語のやり取りが必要である」という点です。

海外旅行客からのコンタクトは主に英語のメールであり、最低限の英語のやり取りができないと予約の受付けさえもままならないことになります。

また、空き家を利用して民泊経営をしている場合、遠隔地の空き家であればチェックイン前・チェックアウト後の清掃やメンテナンスなどにも大変な手間がかかってしまいます。

そこで、Airbnbを利用して民泊経営を始める際には、代行業者に依頼すると良いでしょう。

宿泊希望の旅行客との外国語でのやり取りだけでなく、チェックイン前・チェックアウト後の清掃や施設の管理、料金収受など、Airbnbを利用した民泊経営の業務全般を任せることができます。

すでに国内でも多数のAirbnb代行業者が存在しており、各業者のサービス内容を比較して最も自分にマッチしている業者を選ぶことが民泊経営成功のポイントです。

民泊の空き家ビジネスとしての評価は?

空き家ビジネスの中でも特に外国人観光客の増加や東京オリンピックの開催に向けて注目されている「民泊」の経営。

空き家に大規模な改修を加える必要がないため投資は最小限で抑えられ、集客は「Airbnb」に代表されるマッチングサービスが強力にバックアップしてくれる、さらに短期滞在者が相手なので退去トラブ

ルとも無縁で開業・廃業も容易となれば、現在持て余している空き家の活用モデルとしては非常に魅力的です。

都市部だけでなく、観光地としてのアピールが可能であれば地方でも成功が期待できるので、優秀な空き家ビジネスのモデルだと評価できます。

空き家ビジネスモデル④空き家バンクの活用

空き家問題の解決策として挙げられる

  • 空き家を貸す
  • 空き家を売る

という手段ですが、空き家の所有者にしてみれば「ぜひ!という人が見つかればそうしたいが、見つからないから放置している」という状況でしょう。

確かに、これまで賃貸アパートやマンション、テナントや駐車場を借りるだけだった人が、不動産業者に自分の物件を売込むというのは敷居が高く感じるかもしれません。

そこで注目されているのが「空き家バンク」です。

一体、空き家バンクとは何なのでしょうか?

ここでは、空き家問題解決の糸口となる「空き家バンク」について紹介していきましょう。

空き家バンクとは?

「空き家バンク」とは、空き家の所有者と利用希望者のマッチングサービスです。

空き家バンクを運営しているのは、市区町村などの自治体や委託を受けたNPO法人などです。

まず、空き家の所有者は、自分が所有している空き家の情報を空き家バンクに登録します。

登録した空き家の情報は、空き家バンク独自のサイトや自治体のホームページで公開されて、利用希望者を募ります。

空き家情報を見て利用希望者からのコンタクトがあれば、空き家バンクの運営側が所有者へと通知します。

こうして、空き家の所有者と利用希望者が巡り会う機会を提供するのが「空き家バンク」のシステムです。

  • 自力で利用希望者や購入希望者を探すのが難しい
  • 不動産業者に依頼したいが、敷居が高く感じる
  • 空き家がある地域が田舎で、賃貸・売買の需要がない

このような問題を抱えている空き家の所有者には、ぜひ利用して空き家活用に活かして頂きたいサービスです。

空き家バンクを利用するメリット

空き家バンクを利用する最大のメリットは、もちろん「利用希望者を効率よく探すことができる」という点です。

同一・近隣区域での希望者探しだけでなく、大都市圏からの移住希望者を招き入れるサポートともなり、ひいては地域の活性化にも貢献することになります。

また「費用負担ゼロ」も大きなメリットです。

空き家バンクは、基本的に利用料金がかかりません。

自治体やNPO法人が運営している非営利目的のサービスなので、空き家バンクへの登録料やマッチングが成立した際の手数料、賃貸・売買が成約した場合の手数料などは発生しません。

さらに一部の自治体では「解体費用の補助金交付につながる」というメリットもあります。

残念ながら有効的な活用法が見い出せなかった空き家は解体することになりますが、一般的な木造二階建ての住宅でも100万〜200万円程度の解体費用がかかります。

解体費用が高額であることも空き家が放置されてしまう要因の一つですが、一部の自治体では、一定期間の空き家バンク登録を条件として、解体費用の一部について補助金を交付する制度を導入しています。

まずは空き家バンクで利用希望者を募り、残念ながらマッチングが成立しなかった場合は補助金を受けて費用負担を抑えながら解体する、という段階的な解決策を取ることが可能になります。

空き家バンクを利用する際の注意点

空き家問題の解消に大きな役割を果たす空き家バンク。利用の際の注意点が一つだけあります。

それは「契約は自分ですることになる」という点です。

空き家バンクはあくまでも「マッチングサービス」であり、不動産取引の仲介業ではありません。

空き家バンクが果たす役割は、空き家の所有者と利用希望者を引き合わせることであり、賃料や売買価格の交渉、契約などは当事者同士で行う必要があります。

マッチング後の手続きは当事者に任されるので、もし契約手続きなどに不安や不明点があれば不動産業者に仲介を依頼するのがベターでしょう。

「借主負担型DIY」として貸す

空き家ビジネスモデルの中でも最近注目されているのが「借主負担型DIY」として賃貸する方法です。

借主負担型DIYとは、賃貸住宅の借主が費用を負担して物件のリフォームをする賃貸契約の形態のことです。

通常の賃貸契約では、借主が住み心地が良いように物件のリフォームを施すのは物件の所有者の責任です。

ところが、借主負担型DIYの場合は、物件のリフォームを入居した借主が負担します。

なぜわざわざ借主がリフォームの費用を負担するのか?

それは「借主が自分好みの物件にするため」です。

まさに“Do It Yourself”略して「DIY」ですね。

空き家問題で焦点となりやすい住宅、例えば田舎の古民家などは、そのまま住むには不便なものが多く、かと言って大規模なリフォームを施してしまうと住宅が持つ独特の良さが失われてしまうおそれがあります。

そこで、借主がリフォーム費用を負担する前提で、空き家に手を加えずそのままの状態で賃貸し、契約後のリフォームを承諾する方法が編み出されました。

これが借主負担型DIYです。

借主負担型DIYを利用するメリット

借主負担型DIYで空き家を貸すことで享受できるメリットを挙げてみましょう

まずは「賃貸前のリフォーム費用がゼロになる」という点です。

空き家活用を考えながらも第一歩が踏み出せない人の多くが抱える問題として「リフォーム費用の負担」が挙げられます。

確かに、これからどのように活きるか分からない空き家に多額のリフォーム費用を投資するのはリスクがあるように感じるかも知れません。

空き家のリフォームをする前にマイホームのリフォームをしたい!という空き家所有者も少なくないでしょう。

借主負担型DIYなら、リフォーム費用を借主が負担するので、賃貸前のリフォーム費用の負担はゼロです。

借主負担型DIYでは、借主がリフォーム費用を負担する代わりに月々の賃料を安く設定することになるため、長い目でみれば

  • 一時的に出費をしてでも、高い賃料をもらう
  • 賃貸前の出費を抑える代わりに、賃料を安くする

の両者は結果的に差し引きゼロなのかも知れません。

それでも、賃貸前のリフォームのために貯えを使い果たしてしまったり、新たに金融機関から融資を受けるくらいなら、賃料が安くなってもリフォーム費用を負担してもらったほうが空き家ビジネスには参入しやすくなるでしょう。

借主にとっても

  • 物件を自分好みにリフォームできる
  • 月々の賃料が安くなる

というメリットがあり、双方が条件に納得すれば“win-win”な契約になるのです。

ただし、借主負担型DIYで契約した場合は、退去時の原状回復を求めることはできません。

借主負担型DIYにデメリットがあるとすれば、唯一のデメリットはこの点だけでしょう。

もし所有者側に借主退去後の利用プランがあれば、リフォームを承諾できる範囲を事前によく話し合って取り決める必要があります。

もうひとつのメリットは「長期の入居が約束される」という点です。

借主負担型DIYは借主がリフォーム費用を負担するわけですから、当然ながら借主も長く住み続ける前提で入居します。

せっかくリフォーム費用を負担した物件を早々に退去したのでは、借主側も大損になってしまいますよね。

長期的な入居が約束されていれば、賃貸経営が抱える大きな問題である「空き家リスク」をグッと下げることができます。

借主負担型DIYの空き家ビジネスとしての評価は?

空き家を賃貸する前のリフォーム費用をゼロに抑えることができる借主負担型DIY。

投資は最小限、契約は長期化して安定した家賃収入が約束されるとなれば、空き家ビジネスを低リスクで始めたい人にピッタリのビジネスモデルだと言えるでしょう。

先ほど紹介した「空き家バンク」を活用して借主負担型DIY物件であることを前提に希望者を募れば、初期費用の負担は最小限で家賃収入を得ることができます。

空き家ビジネスのモデルとしては低リスク型の筆頭と評価できるでしょう。

空き家ビジネスモデル⑤家賃保証を利用して空き家を貸す

空き家ビジネスを始めたいが、不動産経営のリスクが不安…

そんな空き家所有者にオススメしたいのが「家賃保証」を利用した賃貸です。

家賃保証とは、

  • 空き室保証サービス
  • サブリース

のいずれかを利用することになります。

では、それぞれの内容を見ていきましょう。

空き室保証サービスとは?

空き室保証サービスとは、退去などによって空き室が発生した場合、空き室状態の期間の賃料を保証会社が負担するサービスです。

空き室リスクは賃貸経営の大敵ですから、空き室の間の賃料を保証してもらえれば安定した賃貸経営が可能になります。

保証の割合や保証料は業者によって異なりますが、保証料の相場は賃料の15%程度です。

サブリースとは?

サブリースとは、一言でいえば「転貸業者」です。

サブリース業者に物件を一括して借り上げてもらい、サブリース業者が借主に物件を賃貸します。

通常であれば借主は大家である物件の所有者に賃料を支払いますが、サブリースの場合、借主はサブリース業者に賃料を支払い、サブリース業者は保証料を差し引いて所有者に賃料を支払います。

サブリース業者を利用すれば、物件の管理全般を任せることができるので、物件の所有者はただ賃料の支払いを受けるだけになり、賃貸経営は非常に楽になります。

たとえ借主不在で空き物件になっていたとしてもサブリース業者からの賃料が支払われるので、空き室リスクは低下します。

ただし、サブリース業者によって差がありますが、概ね賃料の20%程度の保証料が差し引かれることになります。

家賃保証の空き家ビジネスとしての評価は?

家賃保証を利用する最大のメリットは「確実に家賃収入を得ることができる」という一点に尽きます。

反面、デメリットは「保証料を徴収されるため家賃収入が目減りする」ことです。

家賃収入を得るという点において、家賃保証は一長一短の側面があります。

空き家を所有している人の中でも

  • 家賃収入が目減りしてでも低リスクで経営したい
  • 物件の管理を任せて手間を省きたい

という人にはオススメのビジネスモデルでしょう。

家賃保証を活用した空き家ビジネスで成功するには「業者選び」が非常に重要となります。

できるだけたくさんの業者から資料を取り寄せて、保証の割合や保証料を比較して契約することをオススメします。

また、最近では、正規のサブリース業者ではない個人がサブリース業者まがいの空き家ビジネスに手を出している事例があります。

空き家の所有者から空き家を借りた上で、自分が第三者に空き家を転貸し、賃料を所有者に支払うという手口で、システムだけを見ればサブリースと何ら変わりませんが、問題は「賃料の割合」です。

ある個人サブリースと手を組んで空き家を貸した所有者は、借主からの賃料を個人サブリースと折半、つまり50%:50%で分け合っていたそうです。

空き家を所有しているが、借主も見つからず放置していたという弱みを突かれたようですが、賃料の50%を業者に取られてしまってはビジネスとは呼べません。

根気よく借主や買い手が見つからなくても、空き家バンクを利用したり、借主負担型DIY物件としてアピールするなど、正規の方法はいくらでもあります。

正規の家賃保証業者に依頼せずに個人サブリースに手を出してしまう例もあるので、美味い話だとすぐに乗ってしまわず、まずは正規のお家賃保証業者に相談しましょう。

空き家ビジネスに踏み切れない人は売却するのがベスト

空き家ビジネスのモデルを色々と紹介しましたが、どのモデルでも現実的ではないという人もいるでしょう。

  • 仕事が忙しくて空き家ビジネスに割く時間がない
  • 投資的なコストを捻出できない

などの理由で、空き家ビジネスに踏み切れない人も珍しくありません。

どうしても空き家を残した活用法を見い出せないという方は、最終手段として「売却」という方法が残されています。

空き家を売却すれば、継続的な収入を得ることはできませんが、非常に大きな金額を手にすることができます。

空き家自体を活用する方法は見い出せなくても、現金に転換してしまえば投資の方法はいくらでもあります。

住宅を売却して資金を作り、その資金で投資にチャレンジして成功している人も存在しているし、老後の貯えにして潤いのある生活を送っている人もたくさんいます。

空き家を所有している場合、まずは活用を考え、活用が叶わない場合は売却という流れがベストでしょう。

もし空き家の売却を考える場合は、売却査定の利用をオススメします。

単に近場だから、知り合いだから、人が良さそうだからという理由だけで不動産業者を選んではいけません。

空き家の現在時点での売却価格を知れば、空き家ビジネスで得ることができる収入との比較も可能です。

できるだけ複数の業者に査定してもらい、売却時の最高値と、活用時の収益の試算を比較して、売却と活用のどちらがベストな選択なのかを見極めましょう

空き家ビジネスを成功させる方法のまとめ

まるでお荷物のように感じてしまう空き家ですが、空き家を所有しているというだけで、視点を変えればたくさんのビジネスチャンスに出会うことができます。

今回みなさんに紹介したビジネスモデルは、初期投資の額やリスクなどに大小の差があります。

低リスクで空き家ビジネスに参入するならそのまま貸す、さらにリスクを抑えるなら家賃保証を利用する。

ある程度のリスクを負いながらハイリターンを狙うならシェアハウス

ビジネス感覚での運営に特化していくなら民泊。

所有している空き家の地理的な特性や老朽化の程度などを考慮しながら、空き家ビジネスに対する自分なりのビジョンと照らして、ぜひ空き家ビジネスにチャレンジし成功を手にしましょう。

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