空き家活用して収益を上げるには!?空き家の上手な15の活用事例

空き家活用して収益を上げるには!?空き家の上手な15の活用事例
  • すでに自分の家を持っているのに親が住んでいた実家を相続した
  • マイホームがあるのに予期せぬ遠隔地への転勤が決まった

など、空き家になるケースが増加していますが、「解体するのは億劫・・・」などの理由で放置している現状があります。

持て余したマイホームや実家が空き家になると、住んでいなくても税金などの維持費がかかります。

持て余すだけならお荷物になる空き家ですが、上手に活用すれば副収入を得て生活に余裕を生むことができます。

そこでイエプロでは、すでに空き家を所有しており活用法について思案中の方はもちろん、

将来実家を相続する予定があるなど空き家を抱えることが予想される「空き家所有者予備群」の方に空き家の上手な活用方法を紹介します。

目次

空き家の放置は損する!空き家を運用する時代になった

生まれ育った思い出深い実家を処分することができず、お盆や正月、法事の機会には実家に集まったりするので、処分しようにも処分しきれない「空き家」。

そうやって全国に生まれた「空き家」の軒数は、2013年の調査で全国に820万戸。

いよいよ全国で増え続ける空き家問題を放置できなくなった政府は、空き家対策特別措置法を制定し、空き家に関して行政が介入できる仕組みを整えました。

倒壊等の危険や周囲に悪影響を及ぼす空き家を「特定空き家」に指定し、行政からの指導・勧告に従わない場合は強制的に解体処分することも可能となったのです。

空き家の処分について行政による介入が許されるようになり、たとえ老朽化が著しくない空き家であっても何らかの活用法を見出さないことには、いずれは強制解体を余儀なくされます。

空き家を「解体するのは忍びないので、ただ放置したまま所有しておく」ことが許された時代は終わり、時間の経過とともに老朽化していく空き家が少しでも良い状態を保っているうちに新たな活用法で

運用するのが常識という時代が訪れたのです。

空き家活用方法①居住用の賃貸物件として貸す

空き家を賃貸物件として第三者に貸すことは一番実用的な活用法です。

賃貸物件として活用するメリットは、もちろん「空き家」という遊休資産が「賃貸物件」という家賃収入を生む収益物件に変身することでしょう。

空き家の状態や賃貸条件によっては、維持コストを差し引いても十分な収益を生むことが可能になります。

さらに、空き家といえば定期的な換気や清掃などの維持管理が必要になりますが、入居者が生活することでこれらの維持管理が不要となります。

これは空き家を維持していく上で、大幅な省力化につながります。

【居住用の賃貸物件】普通借家契約で貸す

一戸建て・アパート・マンションの賃貸契約で最もポピュラーな契約方法が「普通借家契約」です。

一般的には2年区切りで賃貸契約を結び、契約期間が満了した場合には更新手続きを取る、または自動更新によって契約が延長されます。

不動産業者を介したアパートなどに一度でも住んだ経験があれば、ほぼ間違いなく普通借家契約を結んでいたはずです。

普通借家契約は、契約期間が満了したからといって勝手に契約が終了することはありません。

原則、入居者が退去を申し出ない限り、契約は自動で更新されます。

この点から分かるのは、普通借家契約が「借主保護>貸主保護」の性格を持っているということでしょう。

借主保護の性格が強いため、貸主の都合で「退去して欲しい」と言っても、単なる貸主の都合では認められず、契約の解除には正当な理由を必要とします。

将来的にその住宅に住みたいなど、空き家を使う予定がある場合は、自分の都合では明け渡してもらえないというリスクを伴うため、空き家の活用であれば普通借家契約はお勧めできません。

【居住用の賃貸物件】定期借家契約で貸す

定期借家契約とは、契約時に定められた期間を迎えた場合に契約が終了する借家契約のことです。

定期借家契約と普通借家契約が大きく違うところは、更新の概念がないという点です。

契約期間が満了した場合には、再契約を結ぶか、再契約せずに退去してもらうことになります。

したがって、定期借家契約の場合、普通借家契約のように自動更新によって無制限に契約が続くことを防げるのが定期借家契約のメリットです。

このメリットは貸主の立場での考え方であり、借主にとっては「再契約を拒否されるおそれがある=否応なしに転居が必要となる」という不安定要素となります。

そのため、定期借家契約の場合、普通借家契約よりも家賃相場が安くなることが多いようです。

遠隔地や海外への転勤などで、長期的かつ期限付きで空き家を賃貸したい場合に便利なのが「リロケーション業者」です。

リロケーション業者は、空き家の所有者から委託を受けて、借主と定期借家契約を結ぶ代理業者です。

家賃の集金、入居者管理まで専門業者に任せることができるので、リロケーション業者への委託は非常に便利です。

居住用賃貸物件として運用する場合のデメリット

賃貸物件としての運用を考える上でデメリットとなるのは、未知数となる不安定要素の多さです。

まず、いくら賃貸物件としての運用を考えても、実際に「借りたい」と手を挙げる借り手がいない限りは空き家の状態と同じです。

また、住宅ローンが残っている場合、金融機関としては賃貸物件として運用するための融資ではないので、金融機関の姿勢が変化することにも懸念があります。

さらに、空き家の状態によっては修繕・メンテナンス・リフォームの必要が生じることがあります。

軽度の修繕であればまだしも、内外装の不具合、設備上の不具合などがあれば、費用はかなりの高額になり、そのために金融機関から融資を受ける必要が生じたりもします。

空き物件がマンションであれば、管理組合の規約で賃貸物件としての運用が許されるのかも確認する必要があります。

ほかにも、

  • 固定資産税等の税金や大規模な修繕の費用は空き家の所有者が負担することになるため、空き家を放置して維持した場合とほぼ同等に発生する
  • 人が生活することで老朽化する部分は確実に老朽化するので、資産価値は徐々に下がる
  • 大家としての入居者管理が必要となり事務手続きなどの煩雑さが増すこと、また不動産業者に委託した場合は仲介手数料の支払いが発生する

などのデメリットが生じます。

それまでに賃貸物件の運用経験がなければ、賃貸経営がこんなにも煩雑なものだったとはと驚くことになるでしょう。

空き家活用方法②一軒まるごと貸す

一部屋ではなく空き家を一件まるごと貸す活用方法です。

賃貸物件の経営を考える場合、必ず登場するのが「入居率」です。

アパートなど複数の入居者を抱える物件であれば稼働状況に応じて「入居率◯◯%」と表現しますが、空き家を一軒まるごと貸す場合、入居率は0%か100%かのどちらかです。

つまり、大家が得る家賃収入は、家賃の満額か、または0円のどちらかになります。

長期間住み続けてくれる入居者がいればベストですが、入居希望者を募っている段階では収入がゼロになるうえに維持コストがかかることになり、経営の観点からみれば無視できない問題でしょう。

この方法を取る場合、「そもそも空き家なので、マイナスにならなければ問題ない」と考えるくらいの思考が必要になるでしょう。

空き家活用方法③シェアハウスとして貸す

最近ではドラマの舞台となることも多く認知度が高まった「シェアハウス」。

キッチンやリビング、風呂・トイレなどの共用部分を中心に、各部屋を個別の入居者と契約する賃貸契約の方法です。

家賃収入の金額にこだわりたい人にオススメなのがシェアハウスとしての運用です。

台所やリビングなどの共用部分を中心として、各部屋ごとに借主が入居する形式の契約形態で、下宿のようなイメージを描けば間違いはないでしょう。

都心だけでなく、最近では地方都市でも件数が増えたシェアハウス。

特に田舎はアパートやマンションなどの賃貸物件が充実していないので、賃貸物件を求める単身者にとっては物件探しに一苦労するでしょう。

そこで、一部屋単位で物件を借りることができ、単身者など一定層からの需要が高く入居者確保が図りやすいシェアハウスを運営すれば

  • 1人でも入居者がいれば家賃収入があるので、空室による収益低下のリスクを分散させやすい
  • 満室時は、1軒を丸ごと貸すよりも高い家賃収入を得ることが可能

というメリットを享受することができます。

田舎の空き家は広く部屋数もしっかり確保されている物件が多いので、シェアハウスにはうってつけです。

東京都内など大都市部では珍しくなくなりましたが、地方都市での普及率はまだまだ低い水準となっています。

【シェアハウスのメリット】より多くの家賃収入を得ることができること

空き家をシェアハウスとして運用するメリットは、より多くの家賃収入を得ることができる点です。

満室になった場合の合計家賃は、一軒まるごとを貸す場合よりも多く設定することが可能です。

入居率に応じて家賃収入を得ることができるので、満室にならなくても経営が安定します。

【シェアハウスのデメリット】入居者同士のトラブルが懸念される

シェアハウスのデメリットは入居者同士のトラブルが懸念されるということです。

他人同士が共用部分を中心に共同生活を営む場所ですから、住人同士のトラブルが発生しやすい傾向があります。

キッチンや風呂・トイレなどを共用したり、防音設備のない壁一枚を隔てて入居者が住むため、入居者間のトラブルが頻発します。

入居者が安定して確保できるか否かは入居者のモラル次第であるという不安定要素を抱えているのがシェアハウスです。

シェアハウスの場合、1年未満の定期借家契約を結ぶのが一般的です。

自動更新される普通借家契約にすると、トラブルの原因となるような入居者の契約更新を拒むことができなくなり、他の入居者が離れてしまうおそれがあるからです。

空き家活用方法④空き家バンクを活用して貸す

空き家の老朽化を防ぐには、空き家に人が居住するのが最も効果的です。

とはいえ、現在の住居を捨てて空き家に移住できない事情がある場合も多いのが現実でしょう。

自分が空き家に住むことができないなら、空き家に人が住む方法は

賃貸物件として貸す
売却する

の二択に絞られます。

しかし、やみくもに空き家の借り手・買い手を探そうとしてもカンタンに見つかるものではありません。

そこで活躍するのが、全国の自治体・NPO法人等が運営している「空き家バンク」です。

空き家バンクとは、空き家の所有者と借り手・買い手のマッチングサービスです。

自治体またはNPO団体が運営しており、物件を空き家バンクに登録すると、空き家バンクのサイトや広報に空き家の情報が掲載され、借り手・買い手を募集してくれます。

借り手・買い手からのコンタクトがあれば空き家バンクの運営元が橋渡しをしてくれるので、あとは空き家の所有者と借り手・買い手の間で個別に賃貸契約や売買契約を結ぶことになります。

空き家バンクといえば「各自治体単位で運営されており、情報が一元化されていないので、全国の情報を収集するのが難しい」という弱点がありましたが、国の施策として「空き家バンク全国版」が整備され、サービス開始が目前となっています。

その数はおよそ500程度。

実に多くの自治体が空き家問題に取り組みを見せているのかがよく分かりますね。

空き家バンクに登録すると

  • 空き家所有者と借主のマッチング
  • 空き家の修繕・リフォームなどに対する補助金の交付(自治体の運用による)

などのメリットを享受することができます。

これまで、空き家バンクには「自治体単位で運用されており、全国の情報を一元化できない」という弱点がありました。

例えば、県境など生活圏が同じ地域でも自治体が異なれば利用できる空き家バンクが異なるというジレンマが生じていたのです。

せっかくの空き家バンクの利便性を欠き、利用率の低下を招く重大な弱点でしたが、すでに「空き家バンク全国版」と呼ばれるシステムの運用が開始秒読み段階に迫っています。

ごく近い将来に弱点が解消され、ますます空き家バンクの利用が注目されるようになるでしょう。

【空き家の賃貸契約】借主負担DIY型

空き家バンクの利用と併せて覚えておきたい、空き家の契約形態があります。

それが「借主負担DIY型」です。

一般的な賃貸契約では、物件の管理、修繕・リフォームを所有者が負担した上で借主に提供する必要がありました。

みなさんがアパートやマンションの賃貸契約を結べば、所有者側で内装・外装を含めたメンテナンス済みの物件に入居しますよね。

これが当然であった賃貸契約の常識から、空き家所有者にも「わざわざ実家の修繕やリフォームにお金をかけたくない」という心理があり、空き家が放置されてきました。

ところが「借主負担DIY型」では、所有者ではなく借主が修繕・リフォームなどの費用を負担します。

居住に大きな支障を及ぼすほどの修繕でない限り、そのままの状態で借主が入居し、借主が入居後に自分で修繕しながら居住するのが借主負担DIY型の大きな特徴です。

借主負担DIY型には、空き家の所有者側、物件の借主の双方にメリットがあります。

【所有者のメリット】
• 入居前の修繕・リフォーム費用が発生しない
• 借主負担で修繕するため、長期の契約を期待できる
• 元の状態よりも美化されて戻ってくる可能性がある

【借主のメリット】
• 自分好みのDIYが実現する
• 修繕費を負担することで家賃が安くなる
• 通常の物件では退去時にDIY部分を原状回復する必要があるが、借主負担DIY型なら原状回復の必要がない

所有者にとっては費用負担が少なく、借主にとっては自分好みのDIYについて費用負担が発生する代わりに月々の家賃が安くなるという双方にメリットが高い借主負担DIY型。

借主負担DIY型だからといって、借主が無制限で修繕をしても良いわけではありません。

貸主として承服できない修繕はあり得るため、事前に修繕可能範囲をしっかりと合議する必要があるという点では注意が必要でしょう。

しかし、空き家が収益を生む上に、空き家の維持で最も手間を感じる管理面についても借主が居住しながらしてくれるので、所有者にとってはメリットが多い契約形態だと言えるでしょう。

空き家活用方法⑤店舗用・事業用として貸す

空き家を事業用の賃貸物件として活用する方法も浸透しつつあります。

都市部から距離的に離れるという立地上の不都合が生じますが、改装可能の店舗用物件として空き家を貸す活用法も有効でしょう。

思い通りに改装しても良いという好条件なら、田舎の風情や旧来の住宅の温かみを活かした事業を展開したいという経営者をターゲットに借り手がつきやすいでしょう。

  • 保育施設
  • 古民家カフェ
  • 販売店舗
  • サークル活動などに使用する

などへの活用が一般的で「利用者から家賃収入を得る」という点では居住用の賃貸経営と大差はありません。

事業主や団体などを相手にするため、先方の業績や方針などに左右されやすいという難点がありますが、資金力の低い個人よりは滞納の心配も少ないでしょう。

ただし、空き家を店舗として活用するためには改装が必要になる場合が多く、初期的に多額の費用がかかります。

さらに店舗が閉鎖した場合、住宅専用だった姿では戻ってこないため、その後の活用法が限定されてしまうというリスクがあるモデルです。

例えば、風呂のように居住用としては必須である設備でも、事業用になると不要になる場合があるからです。

事業用として賃貸する場合には、ある程度の出費を覚悟して改装するか、改装費用の捻出が難しい場合は「改装可能」として募集するなど、柔軟な契約条件を提示する必要があるでしょう。

事業用の場合、居住用よりも立地条件がシビアになるため、入居者がつきにくいのも難点です。

さらに、マンションの一室を事業用の賃貸物件として貸し出す場合、マンションの管理規約で賃貸が禁止されていないかを確認して、トラブルを未然に防止するよう心がけましょう。

住宅の主要な構造を除いてほぼ原型を失うことになるので「賃貸契約が終われば住宅として使用したい」と考えている方には不向きです。

店舗用の物件は、居住用と比べると需要が高くありません。

さらに、店舗用としてリフォームしてしまえば、居住用としては住み心地も使い勝手も悪くなってしまいます。

最初から店舗用としてアピールするのではなく「居住用に限定せず、用途に応じて改装も可能」などの自由度が高い条件を提示していれば結果的に店舗用として活用される可能性がある、という程度に考えておきましょう。

空き家活用方法⑥コミュニティスペースとして利用する

収益を度外視して、地域貢献を目的とするなら「コミュニティスペースとしての利用」が考えられます。

空き家を自治体やNPO法人、もっと小さな単位では町内会などに提供し、公民館や集会所のように、地域住民が集まってイベントを開催したり、常時開放して談話するコミュニティスペースとして活用してもらいます。

ほかにも「今週は◯◯さんの自宅、来週は△△さんの自宅」というふうに参加者の自宅を持ち回りで活動している小さなサークルなどが活動拠点に利用することも考えられるでしょう。

コミュニティスペースとしての活用には

  • 無償または極めて安価に提供することで、所有者の責任で大規模な修繕などをする必要がなく、現状のまま引き渡すことが可能
  • 使用者や地域の有志に管理を任せることで、管理費用の負担がなくなる

というメリットがあります。

空き家を提供する際の手続きは、基本的に「寄付」になります。

自治体によっては不動産の寄付を受け付けない場合があるので、事前に担当窓口を訪ねて確認をしておきましょう。

また、NPO団体などに 寄付する場合は、翌年の確定申告で寄付金控除を受けることができる場合があり、空き家の管理を手放す上に節税にもなるので一石二鳥と言えるでしょう。

空き家活用方法⑦移住者の体験用住宅に利用する

近年、都市部を中心に「田舎暮らし」がブームになっているのはご存知でしょうか?

忙しい都会の喧騒を離れ、自然に寄り添って生活する開放感を味わうことができるとして、特に都会での活躍が終わった壮年層を中心に人気を集めていますが、このブームが空き家問題の解決策として注目されつつあります。

田舎暮らしブームに便乗したい各自治体は、移住対策事業の一環として、田舎暮らし体験用住宅を提供して実際に宿泊してもらったり、田舎暮らし体験ツアーを盛んに開催しています。

田舎暮らし体験では、数日から数ヶ月の間、田舎の住宅を無料または極めて安価に貸して、体験者に実際に生活してもらいます。

「そんな活動があったなんて知らなかった」という方がいても不思議ではありません。

せっかく効果的な活動を展開していても、自治体が広報活動に使える経費は税金なので、企業のように積極的なPRを展開する予算が確保できないのです。

自治体のホームページや広報紙で活動報告を発信する程度なので、自治体の活動が広く認知されるのは難しいでしょう。

この「体験用住宅としての利用」は①の空き家バンクの活用とリンクする部分があります。

自治体の業務においては、いずれも「空き家対策・移住推進対策」の一環であり、空き家バンクが機能的に運営されている自治体であれば、体験用住宅の需要がある場合も多いのです。

体験用住宅として提供しながら空き家バンクにも登録し、最終的には移住希望者が空き家に移住してくれるのがベストな結果です。

  • 体験用住宅として提供しつつ、空き家バンクでのマッチングも並行したい
  • 空き家バンクに登録しながら、体験用住宅としての利用も許諾する

という姿勢で自治体とタッグを組めば、空き家問題の解決につながるでしょう。

空き家活用方法⑧会員制の民宿として運営する

田舎の古民家を会員制の民宿として運営し、成功している事例があります。

茨城県常陸太田市では、任意団体である「里美ツーリズム探究会」が空き家となった古民家を借り上げて、会員制の民宿として運営しています。

こちらでは、1組4名以上のグループで会員となり、年会費は1組1万円、1泊の宿泊費が2,000円という激安価格で利用できる設定となっています。

かなり大型の古民家ですが、民宿としての開業資金約400万円のうち、200万円を行政が補助することで、民宿としての開業が実現しました。

単に古民家で宿泊をするだけでなく、囲炉裏やかまどを使った自炊、蕎麦打ちや餅つきなどの体験が大人気で、古民家活用の代表的なモデルとして有名になりました。

民宿の運営を成功させて大きな収益を得るのが目的ではなく、あくまでも最終目的は移住推進。

会員の約半数がリピーターとなって訪れており、リピーターの宿泊客と周辺住民とが顔なじみになることで、将来的な移住を目指しています。

  • 空き家の活用+地域貢献
  • 民間+行政

の作用が大成功した好事例でしょう。

どこでも通用するというモデルではありませんが、地域によってはチャレンジする価値がある活用法でしょう。

空き家活用方法⑨文化施設として提供する

古い町並みを保護している地域などでは、空き家を資料館などの文化施設として提供している事例もあります。

三重県伊勢市では、NPO法人が中心となって行政に働きかけ、空き家となった古い商家を町並み観光の拠点施設に改装して活用しています。

この事例で活躍したNPO法人「伊勢河崎まちづくり衆」は、町並みに残る古い空き家や土蔵を美容室・喫茶店・古本屋などで開業する事業主に提供する仲介も行なっており、空き家活用の成功事例として

全国から注目を集めています。

個人レベルで古民家を資料館などに改装している事例は全国にも存在します。

ただし、管理が必須となるため個人レベルでは運営が難しく、NPO法人等の団体に任せるほうが現実的でしょう。

空き家活用方法⑩介護施設など福祉・医療事業に提供する

空き家率が高い水準を示しているような田舎で必須となるサービスが「福祉・医療」でしょう。

福祉・医療分野の事業が活発化している現代だからこそ、なんとか空き家を福祉・医療事業にも活用したいものです。

愛知県では、空き家を利用したグループホームの運用を活性化させるため、施設上の規制緩和を行いました。

既存の空き家でも、消化器設備の条件や定期的な避難訓練を実施すればグループホームとしての運営が可能となったため、空き家対策の有効策となるかが注目されています。

フランチャイズ型デイサービス事業を展開している「茶話本舗」は、オーナーが小資金・小リスクで開業できるモデルとして空き家を拠点とする事業を推進しています。

大規模な敷地や設備が必要であった福祉・医療分野の事業ですが、空き家を活用することで、さらに細やかなサービスを提供できるようになることが期待されています。

空き家活用方法⑪自分で事業展開して民泊・ゲストハウスにする

自らが主体となって事業を展開する意思があれば、空き家を使って自らが事業を展開するのも一つの活用法です。

少額の投資で開業する代表例は、宿泊施設として空き家を利用する方法でしょう。

  • 貸別荘
  • 民泊
  • ライダーハウス・ゲストハウス

などは、少額の投資で自らが開業できます。

【自分で事業展開その1】民泊にする

最近の空き家活用法で最も注目されているのが民泊です。

民泊とは、旅行客をターゲットに空き家を提供する宿泊スタイルです。

世界中の旅行者が「Airbnb」などのサイトを通じて所有者と利用者のマッチングを行いますが、料金の支払いや鍵の受け渡しなどには所有者と利用者が顔を合わせることがないので、双方が気軽にやり取りできる魅力があります。

概ねホテルに宿泊するよりも安い料金で宿泊できますが、大きな問題があります。

民泊は、現在の法体制においては、営利目的で運用すると旅館営業法の違反となり、すでに逮捕者までも出ている事態になっています。

運用方法によっては即違法とまではいかないグレーゾーンでの運営も可能だと言われていますが、危うい橋を渡ることはオススメできません。

2020年開催の東京オリンピックに向けた宿泊施設の確保に有効として「民泊新法」による合法化が進められており、今後の成長が期待されるモデルです。

【自分で事業展開その2】ゲストハウスにする

ゲストハウスとは、複数の利用者に素泊まりの相部屋を提供する宿泊施設のことです。

1泊3,000円程度という安価で宿泊が可能であり、バックパッカーやライダーなど、比較的若い世代の旅行客が盛んに利用します。

宿泊者同士が自由に交流を深めることができるため、安価な旅行を楽しむ宿泊客の利用を確保しやすく、比較的安定した収益をあげているモデルです。

旅館業の許可が最大のネック

宿泊施設としての開業は空き家の活用法として非常に有益ですが、一つだけ大きな問題があります。

宿泊施設として運営するには「旅館業法」に基づいた許可を受ける必要があることです。

ホテル・旅館・ゲストハウス・民泊などの名目に関わらず、宿泊の対価として代金を徴収する事業は、旅館業に基づいた許可が必要となります。

明らかに宿泊施設に分類される貸別荘は当然として、無許可運営が黙認されている民泊やライダーハウスなどのグレーゾーンな業種については意見が分かれるところでしょう。

旅館業法で定義されている「宿泊」とは、寝具の提供の有無を問わないので、例えば宿泊客が寝具を持ち込んだとしても該当します。

代金を受け取る名目が「宿泊料」ではなく「休憩料」や「光熱費」などとしても、実質的には部屋に宿泊させて対価を得ているので該当します。

さらに「営利目的で継続的に行われているか?」が重要となります。

営利目的で継続的に行われることを「業として」といい、業として他人を宿泊させ、対価として宿泊料を受け取る方法では、確実に旅館業法の規制を受けることになるでしょう。

最近では、京都の民泊業者が旅館業法違反で逮捕された事案もあり、法の規制を遵守する姿勢が求められています。

旅館業の許可には、衛生面・防災面で厳しい基準が設けられているため、多額の投資が必要になります。

あまりにも多額の投資が必要になり採算が取れなければ、空き家の活用方法としては推奨できません。

最近では、外国人旅行者の増加・2020年開催の東京オリンピックに向けた宿泊施設の確保を背景に民泊の規制緩和を目指した「民泊新法」の施行が急がれています。

法令に抵触する行為は推奨できませんが、民泊新法による規制緩和は空き家問題を解消する大きな糸口になることが期待されているので、

関係省庁による公式見解が示されるまでは保留しながら動向をチェックしておくと良いでしょう。

空き家活用方法⑫解体して土地活用する

老朽化が著しいなど資産価値が低い住宅の場合、建物としての活用をきっぱりと諦めて、

解体して更地に戻して土地として活用するか、新しい住宅やアパートなどを建てて賃貸経営を始めるモデルです。

住宅を解体することで空き家の管理・維持費負担がゼロになるというメリットがあります。

家屋が激しく老朽化しているなど、どうしても空き家を活用するのが難しい場合は、思い切って空き家を解体して更地に戻すのも選択肢の一つです。

周辺環境に応じたニーズに合わせた活用法を探ることで、最善の方法を見出すことができるでしょう。

空き家を解体した後の土地活用の一般的な例をまとめると

  • アパート・マンション経営
  • 駐車場経営
  • コンテナ・トランクルーム
  • 貸し倉庫などのレンタルスペース
  • 資材置き場等、賃貸用の事業用地
  • 太陽光発電による売電
  • 貸地
  • 売却による資産組み換え

が挙げられるでしょう。

これらの活用法を考えた場合は、空き家の解体は必須です。

空き家の解体の大まかな流れは、

① 解体業者への依頼
② 工事金額の見積もり
③ 解体工事契約の締結
④ 解体工事の実施
⑤ 解体後の滅失登記

の順に進みます。

「滅失登記」とは法務局に「この建物は解体が完了し消滅しました」という登録をしてもらうことです。

滅失登記は、建物の解体が完了して1ヶ月以内に届出をしないと10万円以下の過料(軽度の罰金)という刑罰を受けることになります。

自分でも手続きは可能ですが、書類の用意・作成などが煩雑なので行政書士に依頼するケースがほとんどです。

行政書士に依頼する場合、事務所によって報酬額は異なりますが、一般住宅1棟で5万円前後が相場でしょう。

空き家の解体にかかる費用は、解体業者の見積り額にプラスして、行政書士への報酬や法務局への手続き費用なども頭に入れておく必要があります。

空き家を解体するメリット

誰も住んでいない、当面は使う予定もないとはいえ、空き家が「住宅」という資産であることに変わりはありません。

つまり空き家を解体することは、単純に「資産を失う」ことに等しいと言えます。

とはいえ、空き家も住宅なので等しく固定資産税の対象になるし、管理が不十分で周囲に悪影響を及ぼす状態であれば行政指導の対象にもなるので、維持管理のコストも手間も省くわけにはいきません。

ここで「空き家を持っているだけで行政指導を受けるの?」と疑問を感じた方もいるでしょう。

実は「空き家対策特別措置法」が施行されたことで、倒壊などの危険、庭木などの繁茂、火災や犯罪利用のおそれなど、周辺に悪影響を及ぼす、またはそのおそれがある空き家は「特定空き家」として行政の指導対象となります。

特定空き家に指定され、行政指導を無視していると、さらに手厳しい「勧告」を受けて最悪の場合は強制的に解体を受けることにもなります。

もちろん強制解体になったところで解体費用は自費なので、このような事態になる前に解体に踏み切る方が賢明でしょう。

空き家を解体することで得られる最大のメリットは、煩わしい維持管理の手間から解放されることです。

さらに、空き家が建ったままでは不可能だった土地利用へと活用の場を転換することが可能になります。

空き家が建ったままでは活用方法が限定されてしまうので、解体して更地に戻すことで、空き家が建っていた土地は全く別の用途で活躍することができるのです。

空き家を解体するデメリット

デメリットと呼ぶことではありませんが、空き家の解体にはまとまったコストがかかります。

解体自体の費用は、地域、建物の構造、倉庫などの付帯設備の有無などで変動しますが、木造住宅でも坪3万円程度は覚悟することになるでしょう。

さらに、解体によって生じたガレキや廃材などの処分にもお金がかかります。

一般的な二階建て住宅の解体費用の総計は概ね150万円程度になるので、解体後の活用計画を含めた融資を受けた上で解体に踏み切るのがスマートではあるでしょう。

また、空き家を解体すると、その土地の税金が高くなります。

これは意外だと感じる人が多いかも知れませんね。

現に住宅に供するための土地は、土地の固定資産税が最大で1/6、都市計画税が最大で1/3に軽減されます。

実感がないかもしれませんが、マイホームを持っているみなさんが払っている土地の税金は、すでに軽減措置を受けたものなのです。

ところが、空き家を解体してしまうと、土地に対する税金の軽減措置がなくなり、税金が高くなるのです。

軽減前の税額になるだけなので、本質的には「高くなる」というわけではありませんが、軽減措置が無くなるというのは大きな痛手でしょう。

住宅の固定資産税がなくなるとはいえ、ほとんどの場合、トータルの税額は高くなると考えて間違いありません。

地価が高い地域では「解体後にかかる税金などの維持費」と「土地活用の実現性」を天秤にかけて、解体するか維持するかを検討すべきでしょう。

無計画な解体は、解体費用と維持コスト増に苦しむだけとなります。

空き家活用方法⑬自宅やセカンドハウスなど自己使用する

空き家をそのまま活用することでは収益が上がる見込みがない、かと言って解体する費用や税金の軽減措置の喪失は痛手に感じる。

現実的にはこんな状況の空き家を抱えた所有者もたくさんいることでしょう。

もし、空き家の活用も解体も現実的ではないという人にお勧めできる手段があるとすれば、それは「自己使用」にほかなりません。

実際のところ「使わない・使う予定がない」からこそ空き家になっているわけですが、セカンドハウスとして利用することで空き家問題を解消している所有者も少なくはありません。

【自己使用その1】自宅としての活用

自己使用で最も簡単な方法は「自宅として活用する」ことです。

現在の自宅から空き家に移住するのが最も簡単な活用法ですが、問題は「現在の自宅をどうするか?」です。

  • 空き家と現在の自宅を比べれば、現在の自宅のほうが活用の幅が広い
  • 空き家の老朽化が、自分で住むなら許容できるが、他人に貸すとなれば大幅な修繕が必要

という場合は、自宅を活用・処分して空き家に居住するのも一つの手段としては有効です。

しかし、現在の自宅がアパートなどの賃貸物件であれば何ら問題はありませんが、すでにマイホームを所有していれば、マイホームを処分するか、誰かに賃貸するかなど、空き家を活用・処分する悩みと大差がありません。

現在の住居事情に照らして検討すると良いでしょう。

【自己使用その2】セカンドハウス

都心では自宅と職場の距離が離れているので、利便性を考慮してセカンドハウスを所有している人も多く、空き家がセカンドハウスとして活用できれば言うことはありません。

ただし「セカンドハウス」と呼んだところで、年間のうち大部分が空き家と同じです。

ただし「管理されている空き家」であることは重要なポイントとなります。

例えば、空き家対策特別措置法における「特定空き家」に指定される要件の一つとして「年間を通じて利用されていない」という要件があります。

つまり、セカンドハウスとして空き家を利用している実績があれば特定空き家への指定を回避することができるのです。

これは大きなメリットになるでしょう。

将来的にはセカンドハウス側に生活の拠点を移したい、子や孫の世代に譲りたいと考えた場合にもセカンドハウスとして空き家を活用するのは非常に有益です。

ある程度の期間はセカンドハウス側を利用しない時期があったとしても、最近では不在期間の管理を代行するサービス業者もあるので、管理を負担に感じることなくセカンドハウスを所有し続けることができるでしょう。

空き家活用方法⑮空き家を売却する

「空き家の活用方法」というテーマで考えれば、空き家を売却するという選択肢は方向性の違う話になるかも知れません。

しかし、売却によって空き家や土地という資産を現金に換えた上で他の資産に転換すると考えれば、売却も一種の資産活用だと介錯ができるでしょう

売却の流れは
① 不動産会社への仲介依頼
② 購入希望者との価格交渉
③ 売買契約の締結
④ 売却代金の決済
⑤ 所有権の移転登記
⑥ 引き渡し
となります。

ほとんどの手続きが仲介を依頼した不動産業者によって完結してもらえるので、売主としてはあまり煩雑な作業は発生しません。

気をつけるべきポイントは「仲介の不動産業者選び」に尽きるでしょう。

②の段階における購入希望者との交渉は、不動産業者の手腕によって成果が大きく上下します。

不動産業者選びに失敗してしまうと、物件がなかなか売れなかったり、売れても大幅に減額されてしまうことがあります。

単に近隣だから、知り合いだからと安易に不動産業者を選ぶのではなく、複数の不動産業者に相談した上で仲介を依頼しましょう。

空き家売却のメリット

空き家を売却して現金化することは

  • 資産価値が低下しない
  • 維持コストがかからない
  • 別の資産運用に転換できる
  • 流動性が高く自由に処分できる

というメリットがあります。

この中でも最大のメリットは「資産価値が下がらないこと」です。

現金の価値が下がることがあるとすればインフレーションのほかにありませんが、目に見えて現金の価値が下がるほどの極端なインフレが起こることはまず考えられないでしょう。

しかも、現金は所有していても維持費がかかりません。

それどころか、金融機関に預金することで利息を得られたり、上手に運用することで何倍にも、何十倍にも価値が上昇することができます。

例えば、土地・建物の価値が5,000万円の空き家があり、これを維持したとしましょう。

5,000万円の価値がある空き家は、所有しているだけで毎年の固定資産税が発生します。

時間が経過するにつれて住宅は老朽化し、土地も周辺環境の変化などで価値が上下します。

さらに「今すぐ5,000万円が必要だ」という事態が発生しても、5,000万円価値があるの空き家を換金するにはどんなに早くても数週間から1ヶ月近くの時間が必要です。

一方、5,000万円の価値がある空き家を維持せず、その時点で売却して現金化していればどうでしょうか?

現金はいくら持っていても税金などの維持コストがかかることはないし、インフレでも起きない限り現金の価値が下がることはありません。

それどころか、金融機関に預け入れていれば利息が発生して元の金額よりも増えます。

投資の種類や方法によっては、元の金額の何倍にも、何十倍にも増える可能性だってあるのです。

しかも、突然大きな金額の出費が発生したとしてもすぐに支払いが可能です。

空き家売却のデメリット

これだけ聞くと売却一択のように感じるかもしれませんが、実はデメリットもあります。

それは「資産価値が確実に目減りする」ということです。

不動産の売却には、必ず諸費用が発生します。

  • 不動産業者への仲介手数料
  • 法務局に支払う登記費用
  • 行政書士に支払う手続きの代行費用
  • メンテナンス業者に支払うメンテナンス費用
  • リフォーム・修繕の工事代金

などを負担することになるので、例え5,000万円の価値がある空き家を売却したとしても、実際に手に入る金額は確実に目減りするのです。

つまり、空き家自体が持つ価値と同額の現金を手にすることはできないのです。

空き家が実際の価値よりも高い値段で売却できない限り、売却することでその価値は間違いなく現象することになります。

目減りさせない方法があるとすれば、実際の価値に諸費用を上乗せして売却することのみでしょう。

もし住宅ローンが残っている状態の空き家であれば、諸費用を差し引いた売却金額に加えて自己資金で金融機関への返済を完済できることが条件になります。

オーバーローン状態で購入した住宅を売るためにはローンを完済できるだけの自己資金が必要となるでしょう。

さらに、相続などで共有名義になっている場合は共有名義人全員の同意が、家族名義になっている場合は名義人の同意が必要となり、代理人として売却の手続きを進めて行くためには名義人から委任を受

けた旨を証明する委任状が必要になります。

自己名義になっていない空き家の売却には煩雑な手続きが多いため、行政書士など専門家の手助けが必須となり、その分の費用が増すことも覚悟しておきましょう。

空き家は、貸家として運用したり、解体してアパートやマンションを建てたりすることで、大きな収益を生み出す可能性があります。

一方、売却して得られた現金には、現金のみで安定的に大きな収益を生み出す力はありません。

低金利時代を迎えた現代では、金融機関への預金による利息と家賃収入を比較すれば、収益の面においては不動産としての活用に軍配が上がるのは明らかです。

  • 空き家を維持することで発生する税金や管理コストが負担に感じる
  • 地価の下落が不安

これらは空き家を売却する動機としては十分ですが、売却して得られた現金の運用方法についてしっかりしたプランニングがなければ、ひと時の現金を得ただけで次第に目減りさせていくだけでしょう。

重要なのは「売却によって得られた現金をどのように活用して増やしていくのか?」を長期的な視点で考えて売却に踏み切ることなのです。

【番外編①】寄付する

  • どんな活用法を検討しても現実的ではない
  • 空き家を所有していてもコストがかかるばかり

そんな場合の最終手段として考えられるのが「無償で譲る」という方法です。

特に、土地の価格が安い地域では「土地の売却代金<解体費用」という現象が起こってしまい、

土地を売却しても解体費用で差し引きゼロどころか赤字になってしまうことがあるのです。

相続前の空き家であれば相続放棄によって事態を回避できますが、すでに相続していれば「寄付」によって所有権を放棄するしかないでしょう。

自治体へ寄付する

寄付の相手として最も一般的なのが「自治体」です。

地域のコミュニティスペースとして活用できる、公共施設に隣接しており駐車場用地として活用できるなど、公共性の高い用途が期待できれば自治体も寄付を受け入れてくれる可能性はあります。

ただし、自治体は寄付を受けることで税収が減り、さらに管理コストを予算計上する必要があるので、寄付に対しては消極的です。

空き家が居住可能な状態で、土地も同時に提供できるのであれば、空き家が建っている状態でも寄付を受けてくれる可能性はあるでしょう。

個人へ寄付する

自治体への寄付に次いで考えられる寄付の相手が「個人」です。

特に、空き家の隣家など、周辺の個人であれば寄付を受けてくれる可能性は大となります。

すでに独立している子ども家族の居住用として、来客用としてなどの用途がある人なら、少しくらい住宅が老朽化していても「無償であれば欲しい」と考えるかも知れません。

ただし、寄付を受ける個人は「無償で」という意識であっても、この場合は「贈与」に該当するので空き家をもらう側の人に贈与税が課税されることを認識してもらう必要があります。

そのため、親戚や勝手知ったる隣人など身近な人が相手でも、贈与契約書を取り交しておくことが重要になります。

法人・団体へ寄付する

相手先を見つけるのが難しい寄付ですが、比較的に寄付を受けてくれる可能性が高いのが「法人・団体」です。

管理コストや収益などを重視する営利目的の法人が相手の場合は難しい面がありますが、NPO団体など公益法人であれば寄付の受け入れに対して積極的な姿勢を見せてくれる可能性が高くなります。

教育・文化・福祉などに貢献する公益法人に寄付をおこなった場合、確定申告で寄附金控除を受けられる可能性もあるので、積極的に情報収集に努めましょう。

自治会や町内会へ寄付する

空き家の周辺で寄付の相手を探す場合に考えられるのが「自治会・町内会」です。

空き家を地域のコミュニティスペースや災害時の避難住宅として活用することができれば、自治会・町内会の活動の幅も広がります。

ただし、自治会や町内会は登記名義人になることができません。

そのため、保有する不動産は会長や役員の共有名義にしている場合が多く見受けられます。

認可地縁団体であれば法人格となり登記が可能なので、自治会や町内会が認可地縁団体であるかで寄付受付けの可否が分かれます。

【番外編②】相続放棄する

空き家が相続前の財産であることが条件に「相続放棄」によって空き家を放棄することが可能です。

ただし、相続放棄は一部放棄が許されません。

「住宅は放棄するが、預貯金は相続する」などは許されず、財産一切の相続を放棄することになるので、相続放棄には慎重な判断が求められます。

また、相続人が複数の場合、1人が相続放棄をしても他の相続人が相続することになります。

空き家を完全に放棄するには、相続人全員が相続放棄をする必要があることを覚えておきましょう。

まとめ

空き家の活用方法については様々なメディアで紹介・提案されていますが、残念ながら「損失を防ぐ最良の方法は何もしないことだ」と考えてしまう方も少なくありません。

しかし、空き家を放置したまま維持していては、無駄にコストがかかったまま大切な住宅がみすぼらしく朽ちていく様を黙って見るだけになります。

空き家は「不動産」です。

せっかく不動産という素晴らしい資産を所有しているのなら、活用しないことが損失ではないでしょうか?

全国に820万戸もあるという空き家。

空き家の有効活用について真剣に考える人が増え始め、空き家の所有者同士がライバルになる時代が到来しました。

「空き家が持つ資産価値は刻一刻と低下している」ことを常に意識し、資産価値が底辺を迎えてしまう前に空き家活用を考える必要があります。

空き家を住宅として活用することに固執せず、解体・売却も含めた総合的な視点で活用方法を模索していきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です