【アスベストのレベル1】レベル1のアスベストの種類と解体・除去費用を徹底解説

【アスベストのレベル1】レベル1のアスベストの種類と解体・除去費用を徹底解説

アスベストには発がん性がある…

アスベストが人体に悪影響を与えることはすでに周知の事実となっていますが、

では「どんなアスベストでも同じように危険なのか?」と言われればそうではありません。

アスベストの危険度を決める基準として挙げられるのが「レベル」です。

ここでは、アスベストの中でも最も危険度が高い「レベル1」のアスベスト建材について、

その特徴や見分け方、対処法や除去費用を解説していきます。

特に、古いビルやマンションの解体・リフォームを検討中の方は必見です。

フォームはたったの2項目!カンタン10秒でお申し込み完了!



目次

レベル1のアスベスト建材とは!?レベル1は非常に危険で脅威的

アスベストについて説明するうえで必ず登場するのが「レベル」です。

アスベストのレベルとは、カンタンにいえば「危険性の度合い」ということができるので、

身近にあるアスベストがどれだけ問題になるのかを判断するガイドにもなります。

レベルは、次のように段階が分けられています。

  • レベル1…アスベストの飛散性が著しく高く、非常に危険
  • レベル2…アスベストの飛散性が高く、危険
  • レベル3…アスベストの飛散性・危険度は比較的に低い

危険度が最高値にあるのが「レベル1」です。

イエプロ

レベル1のアスベストは「ただそこにあるだけでも健康被害が発生する」という危険なものです。

どんな被害が出るのかが判るのは数十年先になるという恐ろしさがアスベストの特徴です。

レベル1のアスベスト除去費用はいくら!?

レベル1のアスベストを除去する場合の費用は、基本的には「除去する面積」によって変動します。

国土交通省が各業者からのデータを集計して発表しているデータによると、アスベスト除去費用の相場は次のとおりです。

  • 300㎡以下…2.0〜8.5万円
  • 300〜1,000㎡…1.5〜4.5万円
  • 1,000㎡以上…1.0〜3.0万円

かなりの高額になっている上に、相場にはかなりの幅が見られます。

レベル1のアスベスト除去になると、

  • 現場の密閉養生
  • 前室や休憩室の設置
  • 高レベルの集じん機の使用
  • 保護衣やマスクなどの装備品

にかかる費用が高額になるため、レベル2・3と比べるとかなり高額になることは避けられません。

実際にアスベスト除去をおこなっている業者の見積書を見てみると「除去費用のみ」の作業単価は1㎡あたり5,000円程度になるようです。

こちらは実際の見積書の一部ですが、中ほどのあたりを見ていただくと「石綿除去費」という項目があることがわかりますよね。

「吹付石綿除去費」として、面積720㎡に対して単価5,800円=417万6,000円となっています。

では、こちらの現場はレベル1のアスベスト除去が1㎡あたり5,800円となって、相場よりも大幅に安くなっているのかといえば、それは間違いです。

ほかにも、仮説工事費・安全衛生管理費・労務資材管理費などのさまざまなコストがかかっており、これらを総計するとやはり1㎡あたりの除去費用は相場程度になります。

アパートやマンション、ビルなどでは、一般住宅の場合と比べると除去面積がかなり広くなるため、除去費用も高額になってしまいます。

ただし、そのまま放置しておけば、住人に健康被害が発生してしまって損害賠償請求を受けたり、売却しようとしてもそれ以上の値下げを求められたりするおそれがあります。

除去費用を大幅に超える損失が生じるリスクがあるため、安くない工事費になったとしても無駄になることはないでしょう。

イエプロ

除去工事の費用は、除去面積だけでなく、除去すべきアスベストが施工されている場所や階層などによっても差が生じますが、

「相場よりも著しく高い」と感じる場合は、複数の除去業者に見積りを依頼してみましょう

フォームはたったの2項目!カンタン10秒でお申し込み完了!



アスベストの除去費用は!?アスベスト処理・除去工事にかかる費用料金

2018.10.12

レベル1に該当するアスベスト建材の種類

レベル1に該当するアスベスト建材は次のとおりです。

  • 吹き付け石綿
  • 石綿含有吹き付けロックウール
  • 湿式石綿含有吹き付け材
  • 石綿含有吹き付けバーミキュライト
  • 石綿含有吹き付けパーライト

ご覧になると一目でわかるはずですが、全て「吹き付け」で施工される材料になっていますね。

「吹き付け」とは、

  • 圧縮した空気を放出して材料をスプレーするエアコンプレッサー
  • 材料自体に圧力をかけて噴出するエアレス

などを利用して吹き付ける施工方法です。

最近ではお掃除道具などに「泡スプレー」のものがありますが、これと同じようにイメージしておけば良いでしょう。

イエプロ

レベル2・レベル3では、基本的には「吹き付け」によって施工される建材は含まれていません。

つまりは「吹き付け=レベル1」と解釈しておけば、概ね間違いはないでしょう。

危険度・普及率がともに高い「吹き付け石綿」

1956〜1975(昭和31〜50)年という長きにわたって、

ビル・マンション・学校・工場などのさまざまな建物や施設に施工され続けてきたのが「吹き付け石綿」です。

アスベストの耐火性・断熱性を活かして、セメント・アスベスト・水を混合した材料を鉄骨の柱・梁、天井、内壁などに吹き付けて施工します。

鉄骨に施工された場合は「耐火被覆材」に、天井や内壁に施工された場合は「断熱材」になるほか、

ビルやマンションの機械室では全面に施工することで「吸音材」として機能する非常に優れた建材です。

アスベストの含有率は60〜70%と非常に高く、使用されていたアスベストは白石綿と呼ばれる「クリソタイル」が主ですが、

青石綿と呼ばれる「クロシドライト」のほか、飛散性・毒性が非常に高い茶石綿と呼ばれる「アモサイト」もふんだんに使用されていました。

1975(昭和50)年に全面的に禁止されましたが、現在でも当時のままで残存している吹き付け石綿が多く、経年劣化によって自然にアスベスト繊維が飛散するおそれがある危険な建材です。

施工年代で含有率が大きく変わる「石綿含有吹き付けロックウール」

見た目に「吹き付け石綿」と非常に似ているため、勘違いしている人が多いのが「石綿含有吹き付けロックウール」です。

ロックウールとは、製鉄の過程で生じる「スラグ」と呼ばれる廃材を電気炉で加熱して溶かし、高速回転させることで繊維化させたもの。

いわば「鉄のわたあめ」のような人工建材で、アスベストと同じく断熱性・保温性・耐久性・吸音性を持つため、アスベストが規制された後は代替品として広く活用されるようになりました。

ロックウールもアスベストと同じく鉄骨や天井・壁などに吹き付けて施工されていましたが、

アスベストが完全規制されるまではつなぎ材としてアスベストが配合されていました。

吹き付けロックウールを見つけた場合、まず調べて頂きたいのが「施工年」です。

吹き付けロックウールは、年代によってアスベストの含有率に大きな差があります。

施工年 含有率
1970(昭和50)年よりも前 10〜20%と高め
1970〜1979(昭和50〜54)年まで 3〜4%程度
1980(昭和55)年以降 アスベストの配合なし
イエプロ

吹き付けロックウールは見た目にも吹き付け石綿と区別がつきにくく、

さらに吹き付けロックウールでもアスベストの含有・非含有の差があります。

施工年でも簡易的には判断できますが、明らかでない場合は専門業者に調査を依頼しましょう。

ロックウールの亜種である「湿式石綿含有吹き付け材」

吹き付けロックウールには「乾式・半乾式・湿式」の3種類があり、

乾式・半乾式よりも湿式のほうが施工時に粉じんが発生しにくいという特徴がありました。

湿式のロックウール吹き付け材のことを「湿式石綿含有吹き付け材」と呼びます。

湿式石綿含有吹き付け材は、アスベストの含有率が低いため1990(平成2)年まで施工されていました。

実は、吹き付け式の耐火被覆材としては一番最後まで施工されていたのが「湿式石綿含有吹き付け材」ですが、

1990年以降の施工であればアスベスト含有の心配はないと判断しても良いでしょう。

イエプロ

建築図面などをもとに使用された建材を調べる際は「製品名」に注目してください。

「◯◯ウェット」という名称が使用されていれば、湿式石綿含有吹き付け材である可能性が大です。

古いアパートやマンションの室内には要注意!天井材の「石綿含有吹き付けバーミキュライト」

ここまでで紹介したレベル1のアスベスト建材は、耐火被覆材・断熱材として使用されてきたものでした。

耐火被覆材や断熱材は、鉄骨の柱や梁などに施工することが多いため、建物の中でも人目につかない場所に施工されています。

つまり、たとえ経年劣化によってアスベスト繊維が飛散していたとしても、

内壁に仕切られた空間にあるため、その空間は生活から隔離されているといえるでしょう。

ところが、古いアパートやマンションなどでは、居住空間の中にも石綿含有の吹き付け材が使用されていることがあります。

それが「石綿含有吹き付けバーミキュライト」です。

バーミキュライトとは和名で「蛭石(ひるいし)」と呼ばれるもので、趣味で園芸をしている方なら改良用土壌として使用するため馴染みがあるでしょう。

  • アパート
  • マンションの室内天井
  • 学校や施設などの天井

にも仕上げ材として吹き付けられていました。

石綿含有吹き付けバーミキュライトには、ほかのアスベスト建材とは決定的に違う差があります。

それは「意図的にアスベストが配合されたわけではない」ということです。

ほかのアスベスト建材は、耐久性・耐火性・断熱性・吸音性などを高める目的で意図的にアスベストが配合されてきました。

ところが、バーミキュライトは、ある一定の年代に使用されたものに限って、アスベストが「混入してしまっている」のです。

そもそもバーミキュライトは世界シェア80%を超えるアメリカ・アリゾナ州のリビー鉱山から産出されたものが世界的に流通しており、日本国内でもリビー鉱山産のものが使用されていました。

ところが、リビー鉱山では、バーミキュライト鉱脈とアスベストの鉱脈が非常に近くにあったため、バーミキュライトに不純物としてアスベストが混入していたのです。

意図しない混入であったためアスベスト含有率は不明ですが、その後の調査では5〜40%のアスベストが混入していることが判明しています。

リビー鉱山は1990(平成2)年に閉山したため、以後はアスベストが混入していない南アフリカ産のバーミキュライトが使用されています。

1980年代までに施行された吹き付けバーミキュライトでは、アスベストが混入しているおそれが大だと判断してください。

イエプロ

天井に吹き付けられたアスベスト含有のバーミキュライトは、手で触るとボロっと崩れてしまいます。

この瞬間にもアスベストの繊維は飛散しているのですから、決して触ったりかき落としたりしてはいけません

施設などの天井に多い「石綿含有吹き付けパーライト」

吹き付けバーミキュライトと同じく、室内天井の化粧仕上げとして多くの建物に施工されてきたのが「石綿含有吹き付けパーライト」です。

室内のほか、駐車場などの金属屋根として一般的な「金属折板屋根」の裏打ち材として使用されており、高い断熱性のほか結露防止の機能を持っています。

真珠岩・黒曜石を細かく破砕し、高温にかけて水分を蒸発させた改良土のひとつで、バーミキュライトと同じく園芸などにも広く使用されています。

こちらは意図的にアスベストを配合しており、1967〜1990(昭和42〜平成2)年まで製造されていました。

アスベスト含有率は5%程度でしたが、1990年以降はアスベスト非含有のものに改良され、現在でも広く普及しています。

レベル1のアスベスト建材の見分け方

すでに「吹き付けアスベストは危険性が高い」という情報は広まっているため、

鉄骨や室内天井などに吹き付け材が施工されているのを見つけてしまうと「これもアスベストかも…」と不安になるでしょう。

かといって、すぐにアスベスト除去業者を呼んで調査や除去作業をしてもらうのもお金がかかってしまうので二の足を踏んでしまいます。

なんとかして、自分でもアスベストの含有・非含有を見分ける方法はないのでしょうか?

アスベストの見分け方①見た目で見分ける

アスベスト建材をぱっと見で判別することはまず不可能です。

レベル1に該当する吹き付けアスベストは、モコモコとしたわた状か、もしくは骨材によって上品なザラつきに仕上がっています。

吹き付けアスベストの「外見上の特徴」を説明すればそのとおりでしょう。

しかし、「吹き付け石綿」であればアスベスト非含有の吹き付けロックウールなどが、

天井の化粧仕上げにはアスベスト非含有の吹き付けパーライトなどが普及しており、しかも外見上は全く差がありません。

室内の化粧仕上げであれば、吹き付け材の上からさらに塗装が施されていることも多く、見た目だけではレベル1のアスベストであるか否かを判別することは不可能なのです。

アスベストの見分け方②触って見分ける

建材を判別するひとつの方法として挙げられるのが「触って確かめる」ことでしょう。

似たような建材でも、手から伝わる感触などで建材を判別できることがあります。

では、たとえば「吹き付け石綿」とアスベスト非含有の「吹き付けロックウール」を手の感触で判別できるのかというと、それぞれの施工実績が豊富な職人でもない限りは不可能です。

少し手でむしって指で転がしてみることで、感触によって判別できると紹介しているサイトを見かけることがありますが、

この「むしる」「指で転がす」という行為自体が非常に危険です。

その間にも、危険なアスベストの繊維が空気中に飛散しており、呼吸と一緒に吸い込んでしまえば肺に入り込んで分解されないまま残留してしまいます。

たとえわずかな量であっても、人体への悪影響は否定できません

非常に危険な行為なので、絶対に手で触って感触によって判別することは避けてください。

イエプロ

石綿とロックウールの見分け方として「酢をかける」という方法が紹介されていることがあります。

酢酸による分解を確かめるという方法ですが、一般的には違いを判別することは難しいでしょう。

建材の一部を自分で採取する必要があるため「試してみる」という程度でも避けるべきです。

アスベストの見分け方③建築図面や年代などから見分ける

建築当時の図面などが残っていれば、かなりの確度でアスベスト建材を判別することができます

建築図面には、各箇所に使用された建材や施工方法が情報として記載されています。

使用された建材と年代を照らせば、それだけでも吹き付けアスベストが使用されていたか否かを判別することが可能になります。

図面の作成者によっては、建材の一般名称を記載していたり、製品名を記載していたりしますが、

わずかな情報からでも国土交通省と経済産業省が公開しているデータベースにアクセスしてアスベストの含有を調べることができます。

参考|石綿(アスベスト)含有建材データベース

ただし、これはあくまでも「図面上の情報」だということに留意しましょう。

実際に建築図面のとおりに施工されている保証はありません。

もしかすると、建築途中で建材が足りなくなってしまい、急場しのぎで別の建材を使用しているおそれも否定できないのです。

アスベスト建材を100%判別できるのは調査・サンプリング分析のみ

ここまでで考察したとおり、見た目や簡易的な判別方法では、危険なレベル1のアスベスト建材を正確に判別することは不可能です。

それどころか、自分で判別しようとすると、アスベストの繊維にばく露するおそれがあるため非常に危険です。

アスベスト建材を100%の確度で判別できる唯一の方法は、専門のアスベスト調査会社による「調査」と「分析」のみです。

専門業者に依頼すると、まず実際に建材の一部をサンプリングします。

サンプリング、つまり建材の一部に触れて採取するわけですが、その際にも周囲の養生や建材の湿潤化などの飛散防止対策は怠りません

さらに、採取したサンプルを科学的に分析することで、その建材はアスベストを含有しているのか、アスベストの含有率はどのくらいなのかが判明します。

調査・分析の結果は「分析結果報告書」などの形式でバックされます。

報告書にはアスベスト含有の有無、オーダー次第では含有率までもが数値化されて判明するため、わざわざ危険をおかさずともアスベスト建材であるかを判別できるのです。

もし「これは石綿含有だろうか?」と気になる場合は、自分で調べようとせずに専門業者に調査を依頼しましょう。

放置しても大丈夫!?レベル1のアスベストを放っておくことで生じる2つのデメリット

レベル1のアスベストが使用されている場合、またはその疑いがある場合でも「すぐに除去なんてしなくてもいいんじゃない?」と感じる方もいるでしょう。

ビルやマンションなどになれば除去面積が広くなるため費用も高額になります。

「ただちに除去」というわけにはいかない事情もあるでしょう。

しかし、レベル1のアスベストを放置することには大きなデメリットがあります。

ここでは、特に気になる2つのデメリットを紹介しましょう。

デメリット① アスベストの健康被害による3つの病気の恐れがある

これまでに、アスベストによる健康被害はさまざまなメディアで取り上げられてきました。

アスベストが引き起こす健康被害は、主に次の3種類です。

  • じん肺
  • 悪性中皮腫
  • 肺がん

アスベストによる健康被害①じん肺

「じん肺」とは、アスベストの繊維が肺に溜まることで肺が線維化という現象を起こして肺の機能が低下してしまう病気です。

線維化とはカンタンにいうと「硬化」のことです。

肺は風船のように弾力があり、柔軟に「膨らむ・しぼむ」という活動を繰り返して呼吸をつかさどる臓器です。

つまり、硬くなった風船は「膨らむ・しぼむ」という活動が難しくなるため、呼吸機能が低下してしまいます。

じん肺の恐ろしいところは治療法が存在しないことです。

発症してしまえば、その状態以上に回復することはありません。

初期的には息苦しさを感じる程度ですが、重篤になると酸素ボンベを常に携帯する生活を送ることになるため、一生を苦しめられるアスベスト疾患だといえます。

アスベストによる健康被害②悪性中皮腫

「悪性中皮腫」とは、肺を覆う胸膜に悪性の腫瘍ができてしまう病気です。

じん肺や肺がんは別の要因でも発症することがありますが、悪性中皮腫については90%程度がアスベストのばく露によって発症する、まさに「アスベスト疾患の代表格」です。

ただし、じん肺と違って投薬や外科的な治療で回復の見込みがあるという点では、わずかに救いがあるとも言えるでしょう。

アスベストによる健康被害③肺がん

みなさんお馴染みの「肺がん」は、喫煙によって発症するおそれがあることは有名ですが、実はアスベストのばく露によっても発症リスクが高まります。

喫煙とアスベストのばく露の両方がある人の発症リスクは、なんと一般の人の50倍だと言われています。

イエプロ

アスベスト疾患のおそろしいところは「潜伏期間の長さ」にあります。

肺がんでは30〜40年、悪性中皮腫では40〜50年もあると言われており、

ばく露から発症までの間があまりにも長いことから「静かな時限爆弾」などとも呼ばれています。

デメリット② 不動産の価値が下がってしまう

アパートやマンション、ビルなどの不動産物件を所有している方にとって大きなダメージとなるのが「不動産価値の減少」です。

アスベストが残存していることで、その不動産の価値は大幅に減少してしまいます。

それもそのはず、だって「このマンションの居室は、天井にレベル1のアスベストが使用されています」と言われて、それを気にせずに購入・入居する人なんていませんからね。

「それならアスベストが使用されていることを隠しておけば?」と思うかもしれませんが、そんなことはできません。

不動産取引では、必ず「建築物等の売買等の際の重要事項説明」と「住宅性能表示制度」を明らかにする必要があります。

この中には「アスベスト含有建材の有無」という項目があるため、レベル1のアスベストが存在することを隠して売却すれば、後々になって多額の賠償責任を負うことは避けられません

また、不動産を投資物件として扱う場合は「デューディリジェンス」においてアスベスト建材が存在することを明らかにする必要があります。

デューディリジェンスとは「投資判断のための評価」という意味で、つまりはアスベスト建材が使用されている不動産は投資価値が低いということを示しています。

もし、アスベスト建材が残存したままの不動産を売却しようとした場合は、アスベスト除去のための費用分を差し引いて取引きされることになります。

買い主は厳しく減額を求めてくることになるため、大切な不動産物件を大幅に値踏みされることは必至です。

イエプロ

こんな事態になってしまう前に、アパート・マンション・ビルのオーナーは事前にアスベスト調査をおこない、

見つかったアスベスト建材は除去工事をおこなって「アスベスト建材なし」という鑑定評価を受けておくことをおすすめします。

レベル1のアスベストへの2つの対処法

レベル1のアスベストへの対処法は2とおりです。

  • 破砕、切断、かき落としによる「除去」
  • 破壊を伴わない「囲い込み」と「封じ込め」

それぞれの対処法について、もう少し詳しく解説していきましょう。

もっとも安心感が得られるのが「除去」

「除去」とは、文字どおりアスベストを完全に取り払う方法です。

周囲にアスベストが飛散しないようにプラスチックシートなどで密閉養生し、機械器具を使って破砕・切断・かき落としによってアスベストを除去します。

除去作業中は破壊によってアスベスト繊維が大量に飛散しますが、

密閉養生するうえに国の検査に合格した集じん機やマスクなどを装備しているので、周囲への飛散や作業員のばく露などの心配はありません。

アスベスト建材を根こそぎ取り払うことができるため、今後の心配は一切ありません

低コストで工期も短い「囲い込み」と「封じ込め」

除去ほどの大掛かりな工事をするにはコストが気になる、工期が長くなることで使用できない期間があるのも問題だという方には「囲い込み」または「封じ込め」もおすすめです。

「囲い込み」とは、アスベスト建材を覆うかたちで別の建材を重ねて密閉してしまう方法です。

柱や梁、天井や壁面などのように、振動や接触によってアスベストが飛散してしまうおそれがある場合に有効で、コスト・工期ともに除去と比べると大幅に縮減できます。

また、アスベストが飛散しない方法でおこなわれる場合では都道府県などへの届出が不要というメリットもあります。

「封じ込め」とは、アスベスト建材の上に薬剤を塗布して表面を固める方法です。

建材の表面を固めてしまえば、アスベストの繊維が飛散する心配はありません。

囲い込みが平面に有効であることに対して、封じ込めは曲面に対して有効な方法だといえます。

こちらは工事の届出が必要です。

「除去」と「囲い込み・封じ込め」おすすめはどっち?

アスベストを完全に取り払うことができる「除去」と、建材は温存したまま安全性を高める「囲い込み・封じ込め」ですが、どちらがおすすめなのでしょうか?

まず、健康被害などについて絶対の安心感を得たいのであれば、断然に「除去」がおすすめです。

アスベストを完全に除去してしまえば、飛散による健康被害のリスクはゼロになります。

また、除去をしておけば、その後のリノベーションや解体の際にもアスベスト対策が不要になります。

一方で、コストの圧縮を優先させたり除去が難しかったりする場合には「囲い込み・封じ込め」がおすすめです。

除去と比べると圧倒的にコストが圧縮できる上に、隣家が密集しているなど大掛かりな除去作業が難しい場合には囲い込み・封じ込めに頼ることになるでしょう。

ただし、囲い込み・封じ込めでは、アスベストによるリスクを根本から解決することはできないため、

たとえば大規模な地震災害に遭ったり解体の必要が生じたりした場合には、改めてアスベスト対策を講じる必要があります。

イエプロ

除去が可能か、囲い込みや封じ込めでも十分に対処可能かは、専門業者に相談して決めるべきでしょう。

安易に「囲い込みでも十分かな?」などと決めることは危険です。

絶対触るな!脅威のレベル1のアスベスト建材の種類と除去費用のまとめ

レベル1のアスベストについて、さまざまな建材の種類や特徴、見た目や建築図面からの見分け方、レベル1のアスベストが見つかった場合の対処法や除去にかかる費用などについてを紹介しました。

ひと口に「吹き付けアスベスト」といっても、いろいろな種類のものがあります。

「コレ、ウチにもあるかも…」

「職場で見たアレもレベル1のアスベストかもしれない」

なんて感じた方も多いのではないでしょうか?

もし、ご自身の身のまわりにレベル1のアスベストが存在していることに気がついたら、

数十年先に健康被害が発症して泣いてしまう事態を防ぐためにも、除去または囲い込み・封じ込めをおこなう必要があります。

身のまわりに怪しい建材があれば、まずはプロの業者に依頼してアスベスト調査をしてもらいましょう。

フォームはたったの2項目!カンタン10秒でお申し込み完了!



【アスベストのレベル2】レベル2のアスベストの建材の種類と解体・除去費用を徹底解説

2018.11.03

【アスベストのレベル3】レベル3のアスベストの建材の種類と解体・除去費用を徹底解説

2018.11.03

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です