【古い水道管のアスベスト】古い水道管にアスベストが使用されている!?水道水にアスベストが含まれる危険性は

【古い水道管のアスベスト】古い水道管にアスベストが使用されている!?水道水にアスベストが含まれる危険性は

アスベストはその耐久性の高さから生活に関するいろいろな分野に活用されてきました。

特に、セメントやコンクリートと混合しての使用されてきた時代が長かったのですが、驚くべきことにみなさんが口にする「水道水」を運ぶ水道管の建材としても使用されていたというのですから驚きます。

ここで気になるのが「アスベスト含有の水道管って、水道水にアスベストが混ざるんじゃないの?」という不安でしょう。

もしも、数年、数十年とアスベスト配管を通って運ばれた水道水を口にし続けていたら、ガンや悪性中皮腫などを発症する危険はないのでしょうか?

ここでは、アスベストと水道水の関係について解説していきましょう。

「水」にまつわる公害は被害が甚大になるおそれが大!

公害といえば、近い現代史でいえば大気汚染が注目されてきました。

CO2排出量の削減、オゾンホールの拡大防止を目標としたフロン規制などは、先進国が優先的に取り組むことを協定しており、世界会議のあとなどでは必ずニュースで紹介されています。

ところが、もう少し時代をさかのぼると、公害は「水」を中心に問題になっていたことがわかります。

1890年代に発生した「足尾鉱毒事件」では、銅山の開発によって有害な鉱毒水が河川に流出し、近代史における初の公害事件となりました。

戦後、高度経済成長期に入ると、1960年代には熊本県の「水俣病」、富山県の「イタイイタイ病」、新潟県の「第二水俣病」のように、いずれも「水」を媒介に有害物質が人体に悪影響を及ぼす公害事件が連続発生しました。

この辺りは、小学校や中学校で日本の近代史に触れた時に勉強しましたね。

有害物質に対する認識が浅い時代は、海や川に有害物質が流れ込み、人間が有害物質を口にして重篤な病気を発症していました。

そんな歴史を勉強しているだけに「有害なアスベストが水道水に混入しているかもしれない」という情報は看過することはできないでしょう。

古い水道管は「アスベスト含有のセメント」が使用されている!

昭和初期の時代から、みなさんの家庭に水道水を運ぶための水道管には「アスベスト含有のセメント」が使用されていました。

たとえば、横浜市がホームページで紹介している資料を見ると、昭和14年からアスベスト含有のセメントを使用した水道管が敷設され、最大時では全長約270㎞にも及んだ時代があったそうです。

2005年に厚生労働省健康局水道課が公表した「水道管に使用されている石綿セメント管について」という資料を見ると、日本中でどれだけアスベスト含有のセメントが水道管として現存しているのかが分かります。

全国の水道管の長さ アスベスト水道管の長さ アスベスト水道管の割合

全国の水道管の長さ アスベスト水道管の長さ アスベスト水道管の割合
2001年度 562,478㎞ 23,656㎞ 4.2%
2002年度 572,141㎞ 21,071㎞ 3.7%
2003年度 578,890㎞ 18,710㎞ 3.2%

こうしてみると、すでに10年以上前にはアスベスト含有の水道管はすでに日本全国の水道管のうちわずか数%しか現存していないことがわかります。

この調査結果は2000年代初頭に実施されたものなので、2018年現在ではさらにアスベスト水道管の割合が縮小されているものと推測されます。

昭和初期から広く普及したアスベスト含有のセメントを使用した水道管は、実は水道管としては経年劣化に耐えられず、各地で漏水の被害が多発していました。

そこで、アスベスト含有のセメント管よりも耐久性が高い硬質ポリ塩化ビニル管などへの敷設替えがおこなわれ、全国的にも「敷設替え工事が難しい」とされる地域を除いては、アスベスト含有のセメントを使用した水道管は姿を消していることになります。

アスベスト除去のプロ

アスベスト水道管が現存している地域について、公表している地域があればあえて公表していない地域もあります。

お住いの地域がアスベスト水道管を使用しているのかは、自治体に問い合わせてみないと分かりません。

なお、ここで紹介した横浜市では、1996年までに全てのアスベスト水道管が撤去されています。

アスベスト水道管は水道水にもアスベストが混入するのか?

みなさんがもっとも気になるのは「アスベスト水道管を通った水道水には、アスベストが混入しているのか?」ということでしょう。

専門家がおこなった調査によると、アスベスト水道管が使用されている地域では、ごく微量ながら水道水にアスベストの混入が認められました。

「アスベスト水道管では水道水にアスベストが混入するのか?」という疑問の答えは「アスベストの混入あり」というのが事実なのです。

なぜアスベスト水道管はアスベストが混入するのか?

アスベスト水道管を通った水にアスベストが混入するメカニズムは明らかになっていません。

調査によって導き出された結論は、わずかに剥離した部分からアスベストが混入したものであると推察されています。

つまり、自然とアスベストの成分が溶け出しているなどではなく、長い年月を経て水道管の内壁が剥がれてしまい、剥がれた内壁が水流で分解されてアスベスト繊維が混入する、といった経過が予想されます。

そう考えると、過去の水を媒介とした公害のように広く利用者の口に有害物質が流れ込むといったものではないと言えるでしょう。

「ウチの周りは非アスベスト水道管」でも安心はできない?

ご自宅の周囲に使用されている水道管が、アスベスト水道管を撤去して別の材質のものに敷設替えされているからといっても、それだけでは安心できません。

専門家がおこなった調査では、実は非アスベスト水道管を使用している地域でもアスベスト繊維の存在が確認されています。

なぜ非アスベスト水道管を使用している地域でもアスベスト繊維が検出されたのか?

答えは水道管の上流にあります。

もし支流よりも上流にある地点でアスベスト水道管が使用されていれば、その下流には微量ながらアスベスト繊維が流出してしまうのです。

さすがに浄水場から網目のように分岐する水道管の主水流にアスベスト水道管が使用されている地域はないはずですが、お住いの地域よりも上流に1か所だけでもアスベスト水道管が存在すれば、水道水にアスベストが混入するおそれはある、ということです。

アスベスト除去のプロ

なお、この調査では水道管に使用されていなかった種類のアスベストも微量ながら検出されたそうです。

自然界にもわずかながらにアスベストが飛散していることが分かりますね。

アスベスト混入の水道水は飲むと健康被害につながるのか?

アスベスト水道管を通った水道水には、わずかながらにアスベストの混入が認められるとして、もしそれを口にすれば健康被害につながるのでしょうか?

国の発表では「健康には影響なし」

アスベストが引き起こす健康被害は、主にじん肺・悪性中皮腫・肺がんという肺疾患です。

髪の毛の5,000分の1程度の太さしかない微細なアスベストの繊維を長期にわたって大量に肺に吸入することで、肺が線維化という硬化現象を起こし、呼吸活動を低下させることが主な原因となっています。

では、水道水から体内にアスベストを摂取した場合はどうなのでしょうか?

厚生労働省の発表は次のとおりです。

  • 経口摂取の場合は、呼吸器への摂取と比べると毒性がきわめて低い
  • 水道水に含まれるアスベスト繊維はごく微量であり、健康への被害はない

たしかに、口から飲料水として体内に取り込んだとしても、食物などとともに排泄されることになるし、その量も吹き付けアスベストの施工などに比べるとごくごく微量になります。

多くの研究データなどを参考に発表されている見解なので、神経質になる必要はないでしょう。

アスベスト除去のプロ

アスベストに対して最も警戒すべきは「飛散」です。

もしご自宅の周囲にアスベスト水道管が使用されているとしても、水質検査などに問題がなければ必要以上に気にしなくても大丈夫です。

危険性はない、だから水質基準にも基準は設けていない?

厚生労働省の発表では、水道水へのアスベストの混入による健康被害は発症しないとの見解です。

そのため、水道水の安全を確かめるための「水質基準」の検査項目には、アスベストの含有量は含まれていません。

極端なことをいえば、どんなに大量のアスベストが混入していたとしても、現在の水質検査の基準ではアスベストの有無さえも検知しないということです。

この対応には、やはり一抹の不安を感じずにはいられませんね。

水道水に混入したアスベストの発がん性を指摘する専門家もいる?

国は「水道水に混入したアスベストでは健康被害は発生しない」と発表していますが、果たして本当に信頼してもよいのでしょうか?

実は、水道水に混入したアスベストによる健康被害を研究した専門家のうち、発がん性を指摘する専門家も存在しています。

日本と同じようにアスベストによる健康被害が注目されたカナダでは、水道水に混入したアスベストによって住民がガンを発症したという事例があります。

アメリカの複数の研究家によると、6件の研究データのうち、1件はアスベストとの関係あり、2件は関係なし、3件は関係ありとは結論付けられないと発表されています。

また、国内にも、食道やすい臓からアスベストを検出し、経口または血液からアスベスト繊維が臓器に運ばれてしまう危険性があること指摘している専門家が存在しています。

この影響で、食道などの消化器系にがんが発症することも指摘されており、決して無視できるものではありません。

アスベスト除去のプロ

水道水中のアスベストと発がん性の関係については、研究資料が少ないことから「間違いない」と断定できない状況です。

いずれ結論付けられるのかもしれませんが、それは「多くの健康被害が発生した場合」になるのでしょう。

どうしても気になる!そんな方にオススメの対処法は?

いくら国が「安全です」といっても、やはり安心できないという方は多いでしょう。

そんな方がまず試してみるのが、家庭用の「浄水器」ではないでしょうか?

蛇口に設置するもの、タンクに溜めて浄水するもの、さまざまなタイプの浄水器がありますが、実はアスベストの微細な繊維までもキャッチできるものはありません。

毎年、冬場になると猛威を振るうインフルエンザのウイルスよりもはるかに微細なアスベスト繊維までキャッチできるほどの浄水能力を持った浄水器は販売されていないのです。

そうなると、浄水器は無意味です。

次に考えられるのが市販の「ウォーターサーバー」でしょう。

機械を設置して、宅配便などで送られてくるミネラルウォーターを飲用するウォーターサーバーなら、アスベスト混入の水道水を口にする心配はありません。

ただし、アスベストは自然界にも存在する物質です。

山奥で採取されたミネラルウォーターであれば、実は水道水よりも多くのアスベストが混入していたなんていう事態も想定されます。

飲用水としての危険を考えてウォーターサーバーを契約するのであれば、提供される水についてアスベスト検査を実施しているのかをホームページなどでしっかりと確認しておくことをオススメします。

アスベスト除去のプロ

過度に危険視する必要はありませんが、先々の健康被害リスクを避けることは無意味ではありません。

必要に応じては飲用水だけはウォーターサーバーを利用するという方法も有効かもしれませんね。

【古い水道管のアスベスト】古い水道管にアスベストが使用されている!?水道水にアスベストが含まれる危険性はのまとめ

古くから耐久性に優れて安価であることが重宝されてきたアスベストですが、無知であったばかりに重篤な健康被害が発症した事例は数多く存在しています。

水道水に混入してしまったアスベストが、この先、多くの方にがんなどの健康被害をもたらしてしまうおそれは0%ではないのです。

かといって、研究データなどを全て無視して神経質になってしまうのも考えものです。

まずは自治体の発表データなどを調べてお住いの地域にアスベスト水道管が使用されていないのかを確認し、もし使用が確認できれば飲料用にウォーターサーバーを導入するなどの対策を取ると良いでしょう。

今後、どのような研究データが発表されるのか、ニュースなどにも注目していきましょう。

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2018.10.12

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