マンション購入のときに「頭金なし」と「フルローンを組む」どちらがお得か

マンション購入のときに「頭金なし」と「フルローンを組む」どちらがお得か
この記事のポイント

 頭金があると総支払額が減るので得
 頭金があると融資の審査が通りやすい
 フルローンでも審査は通る

マンション購入を考えるにあたって、みなさんが悩むポイントのひとつが「頭金をいくら用意するか?」でしょう。

銀行の窓口で住宅ローンの相談をすれば、必ず「頭金はどれくらい用意できる予定ですか?」とも尋ねられるし、しっかりと頭金が用意できるに越したことはないでしょう。

でも、まとまったお金を用意するのってかなり大変ですよね。

頭金のための貯金さえも叶わず、マイホームなんて夢のまた夢…なんて方も多いのではないでしょうか?

そこで、今回は「マンション購入の頭金」をテーマに、頭金を用意できた場合と頭金なしの場合をシミュレーションして比較していきます。

特に「頭金が用意できない」という方は必見です!

まず知っておきたい!マンションの頭金とは

【家売るレオさん】最近、友だちが「やっと住宅ローンを申し込むための頭金が貯まった」って喜んでたんですけど、住宅ローンって頭金がないと申し込みができないんですか?

【ホームズ店長】お金がないからローンを組むわけだから「お金を借りるためにお金を貯める」っていうのも違和感があるかもしれませんね。まずは「頭金」について解説しましょう。

 

 

住宅ローンの話をしていると、当たり前のように登場する「頭金」。

そもそも「頭金」とはなんでしょうか?

頭金とは、ローン契約を結ぶ際に、最初にまとめて支払うお金のことです。

「枕金(まくらきん)」と呼ぶこともありますが、一般的には頭金と呼ぶことのほうが多いでしょう。

頭金の金額は、任意の金額を入金することがあれば、約款によって「総支払額の◯%以上」などのように一定額・一定率の入金を求められることがあります。

ローンを実行する金融機関としては、大金を融資するために資金力を確かめたいという意図があります。

なぜ頭金があったほうが良いのか

頭金って、お金を借りたいのになぜ金融機関が「少しまとまったお金は用意できますか?」なんて求めてくるのでしょうか?

「お金がないから借りたいって言ってるんだ!」と言いたくもなりますが、頭金を用意するほうが借主にとって非常に有利に働きます。

ここでは「なぜ頭金があったほうが良いのか?」を解説しましょう。

頭金があったほうが良い理由① 住宅ローンの返済総額が減る

頭金を用意することができれば、住宅ローンの返済総額を減らすことができます

「貸してもらえるなら、全額貸してもらったほうがいい」と思うかもしれませんが、頭金を用意することは借主にとって大きなメリットがあります。

住宅ローンには必ず「金利」が発生しますよね。

35年固定なら1%台、変動・5〜10年固定なら0.3〜0.8台の金利を上乗せして返済することになるわけですが、金利は「元金」に対して付加されます。

単純に考えてみましょう。

1,000万円の物件を購入する際に、頭金なしで全額融資を受ければ「1,000万円×金利分」を返済する必要があります。

ところが、500万円の頭金を用意した場合、融資を受けるのは500万円だけなので「500万円×金利分」を返済することになります。

借金は、分母となる「元金」が小さければ小さいほど返済総額が少なくなります。

最初に500万円というまとまった資金を失いますが、返済終了時に支払った総額を計算すると、頭金を支払ったほうが目に見えてお得になります。

 

【家売るレオさん】「トータルの返済額が減る」っていうのは、長い目でみれば絶対にトクですね!

【ホームズ店長】ひと時のお金の工面ではなく、ライフプランの一部としてしっかり検討する必要があるということですよ。

頭金があったほうが良い理由② 融資が承認されやすくなる

住宅ローンの利用には、必ず「審査」があります。

これまでの借入・返済状況、いま現在の支払能力などを総合的に判断して「ちゃんと返済できる人なのか?」を判断します。

この審査の内容の中には「頭金の有無」も含まれています

ざっくり言えば「現在の支払能力」を強化してくれるので、審査の承認を得やすくなるわけです。

実際に住宅ローンの申込みをした際に、最初に全額融資を受けようとすると承認されなかったのに、頭金として一部を用意できることが分かったら承認されたというケースはたくさんあります。

これは「住宅ローンが通らない!」とお悩みの方にぜひ知っておいて頂きたい交渉テクニックですね。

 

 

【家売るレオさん】私も銀行の人から「頭金を用意すれば通りやすい」って言われたことがありますよ。

【ホームズ店長】そのパターンもありますが「頭金を貯める」というのが賢い選択ではない場合もありますよ。頭金が用意できなければ、頭金なしのフルローンにチャレンジしてみましょう。

頭金なしのフルローンは損をするのか?審査に通るのか?

マンションを購入するための資金を全額キャッシュで用意できるのはごく一部の富裕層だけです。

その富裕層の人だって、金融機関とのお付き合いや節税対策のために住宅ローンを利用しているのですから、実質的にマンション購入で住宅ローンを利用しない人なんてほとんどいないということになります。

住宅ローンを利用する際には、必ず頭金の有無を尋ねられますが「頭金なし」のいわゆる「フルローン」の申込みをする人も少なくありません。

でも、先ほどは「頭金があったほうが返済総額が減るし審査も通りやすくなる」と説明しましたよね。

頭金なしのフルローンでは損をしてしまうのではないでしょうか?

そもそも融資の審査に通るのでしょうか?

フルローン・頭金ありの選択は「家賃+頭金の貯蓄」で検討する!

このご時世、マンション購入の頭金として貯金をコツコツと続けていくのも大変です。

マンション購入の頭金を貯める間に、幼児だった子どもが小学生に、小学生だった子どもが中高生になってしまうようでは、夢のマイホーム計画もなんだか残念なカンジになってしまいます。

自力で頭金を用意する期間も賃貸マンションやアパートの家賃を支払うくらいなら、返済総額が増えても頭金なしのフルローンで分譲マンションを購入するのもアリでしょう。

「今すぐにフルローンを組むのか、それとも頭金が貯まるのを待つか…」と悩んでいる方は「家賃+頭金の貯蓄」という考え方で計画を立てることをおすすめします。

たとえば、頭金のために3年ほど頑張って貯金していくとします。

その3年間は賃貸マンションに住んでいるのだとすれば「家賃+頭金の貯蓄」分の支出をしているのと同じです。

すると、3年後に頭金を支払って残りを住宅ローンに頼って分譲マンションを購入し、返済総額の負担が軽くなったとしても、マイホームプランを総合的に見ると実質的には「返済総額+3年分の家賃」を支払ったことになりますよね。

  • 返済総額は高くなるが夢のマイホームをすぐに手に入れるのか?
  • 頭金を貯めるために家賃を支払いながらガマンするのか?

両者をシミュレーションして「どちらが現実的なのか?」をしっかりと比較することをおすすめします。

 

 

【家売るレオさん】頭金を貯めている間にも家賃がかかるってことをすっかり忘れていました…

【ホームズ店長】住宅ローンにしろ家賃にしろ、住居費は大きな固定費です。どうせ避けることができない支払いなら「欲しい時が買い時」も間違いではないでしょうね。

フルローンでも審査は通る!

頭金なしのフルローンでマンションを購入する場合に強い味方となるのが、住宅金融支援機構の「フラット35」です。

フラット35は、返済終了までの間ずっと金利が固定されているので返済までの計画が明確であり、保証料や繰上げ返済手数料も0円、省エネ性・耐震性が高い住宅の取得には金利を引き下げるなど、借主にとってメリットが多い住宅ローンです。

各金融機関の住宅ローン商品は、融資可能額が「マンション価格の◯%」というふうに決められていることが多く、フルローンでの利用ができないケースが大半です。

ただし、フラット35を利用するとしても、個々のこれまでの金融取引状況や返済能力はしっかりと審査されます。

  • 金融機関のカードローンやフリーローン
  • 消費者金融からのキャッシング
  • 月賦払いの携帯電話本体代金の支払い遅れ

これらは審査に大きな影響を与えるので、しっかりと清算してしまってから申込むべきでしょう。

 

【家売るレオさん】私、2〜3年前に携帯電話の支払いが残高不足で遅れたことがありました。こういうトラブルも怖いですね。

【家売るレオさん】給与口座と支払い口座を分けていると起こり得るトラブルですね。支払いのチェックができない人は、いっそのこと収入と支払いの口座をひとつにまとめることをおすすめします。

頭金ありとフルローンのシミュレーション結果を比較!

【ホームズ店長】ここからは、銀行の住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合に、頭金ありとフルローンの場合でどれくらいの差が生じるのかをシミュレーションしてみましょう。

【家売るレオさん】ここまでで勉強したとおりなら、かなりの差が生じるハズですよね!ワクワクします!

ここでは、ある物件を購入する際に「頭金あり」と「頭金なし・フルローン」で購入した場合のシミュレーション結果を比較してみましょう。

シミュレーションする物件は、ただいま絶賛売り出し中の「プライムパークス品川シーサイド ザ・タワー」です。

りんかい線・品川シーサイド駅から徒歩3分という好立地に建設中の29階建て・免震タワーマンションで、2018年8月現在では第3期分譲中の物件です。

こちらの19階・2LDK物件の価格が4,900万円なので、この物件を購入するとしてシミュレーションしてみましょう。

シミュレーションに利用するのは、りそな銀行がホームページ上で提供している住宅ローンシミュレーションです。

今回のシミュレーションでは、2つの家庭が同時にマンション購入を思い立って「35年後には支払いを完了する」という計画だと考えてください。

まずは5年間で頭金1,000万円を用意した「頭金あり・1,000万円の場合」でシミュレーションしてみましょう。

条件は以下のとおり。

マンション購入のときに「頭金なし」と「フルローンを組む」どちらがお得か
  • 借入額…3,900万円(物件価格4,900万円−頭金1,000万円)
  • 支払方法…毎月一律(ボーナス払いなし)
  • 返済期間…30年
  • 金利…0.470%(変動金利・融資手数料型)

結果はこのとおりです。

  • 月々の返済額…11万6,171円
  • 総返済額…4,182万1,533円

次に「フルローンの場合」でシミュレーションしてみましょう。

ここでは、5年間の頭金貯蓄期間があった場合と比較するために「5年を待たずにすぐに購入した」と考えてください。

条件は以下のとおりです。

  • 借入額…4,900万円(物件価格4,900万円の全額)
  • 支払方法…毎月一律(ボーナス払いなし)
  • 返済期間…35年
  • 金利…1.340%(りそな住宅ローン【フラット35】・21年以上)

こちらのシミュレーション結果をどうぞ!

マンション購入のときに「頭金なし」と「フルローンを組む」どちらがお得か
  • 月々の返済額…14万6,219円
  • 総返済額…6,141万2,050円

両者を対比してみましょう。

月々の支払い 返済総額
頭金(1,000万円)ありの場合 10万6,171円 4,182万1,533円
フルローンの場合 14万6,219円 6,141万2,050円

 

対比してみると、頭金ありのほうが月々の支払額が4万円も安くなっていますね。

さらに、返済総額を見てください。

頭金1,000万円を用意した場合の返済総額は4,182万1,533円、フルローンの場合は6,141万2,050円ですから、差額は1,959万0,517円になります。

ということは、頭金ありのケースでは、最初に1,000万円を支払っているのでマンション購入のために支払った総額は頭金1,000万円+返済総額4,182万1,533円=5,182万1,533円となります。

お気づきですか?

同じ時点で計画がスタートして「35年後にマンションの支払いが終了する」と考えた場合の総支払額は、6,141万2,050円−5,182万0,517円=959万0,517円ですから、頭金ありのほうが約960万円も支払い総額が少なくなるという結果になりました。

これは驚くべき結果ですよね。

ところが、ここで「そんなに差額が生じるなら、頭金を頑張って貯めるべきだ!」と決意を固めてしまい

気持ちをグッとこらえて、もう一歩踏み込んで考えましょう。

約960万円の差額を生むために5年間という時間をかけているわけですから、この期間を過ごすための住居の「家賃」を加味する必要があります。

先ほど紹介した「家賃+頭金の貯蓄」の考え方ですね。

  • 5年間=60ヶ月
  • 960万円÷60ヶ月=16万円

もし、この5年の間に住む賃貸マンションの家賃が月々16万円だとすれば、頭金によるアドバンテージは失われてしまい、このプランには何のトクもないことになります。

家賃10万円の賃貸マンションだったとしても、6万円×60ヶ月=72万円ですから、マイホーム取得という大きな夢の計画が、35年間でわずか72万円という小さな差のために5年間も先送りされることに。

実家暮らしなどで実質家賃0円の生活が確保できているのであれば大幅な差が生じますが、35年間で7万円=年間2万円の差のためにマンション購入を先送りするのは夢のない話に感じますよね。

参考までに「頭金あり・35年ローン」の場合もシミュレーションしてみましょう。

マンション購入のときに「頭金なし」と「フルローンを組む」どちらがお得か

こうなると、利息分として約50万円ほど余計な支払いが発生することにはなりますが、月々の支払いも楽になって余裕を持った支払い計画が立てられますね。

「頭金を用意する」という考え方は、支払い期間を短縮させるためではなく「フルローンの場合と同じ期間の支払いをした場合に、支払いが楽になる」というものだと捉えるべきでしょう。

完済までの期間が伸びるので「マンション取得計画」の全体的な期間は長くなりますが、無理のないライフプランを計画することができるでしょう。

 

【家売るレオさん】結果、頭金を貯めても、フルローンを組んでも、家賃の支払いがあれば出費は同じってことですよね。

【ホームズ店長】家計によって差があるとは思いますが、わざわざ努力するほどのおトク感はないでしょう。いっそのことフルローンで購入して「これから頑張って支払うぞ!」とモチベーションを上げるほうが良いかもしれませんよ。

 

マンションを買うときに「頭金なし」と「フルローンを組む」どちらがお得かのまとめ

【家売るレオさん】なんだか今回の勉強で「頭金を貯めるのはムダ」って気がしてきましたね。

【ホームズ店長】トータルの支出からみればそうかもしれません。でも、融資の審査が通りやすくなるというメリットもあるので、一概にムダだとも言えないんですよ。

今回は、住宅ローンを利用してマンションを購入する場合に、頭金を用意するべきか、それとも頭金なしのフルローンでいくべきかをシミュレーション結果を参考に比較してみました。

結果としては、頭金を用意できたほうが返済総額が少なくなるので断然有利!

とはいえ、頭金を貯める期間にも家賃が発生していると考えれば、頭金なしのフルローンでも損はないと言えます。

頭金を用意するための期間を短縮させることができれば「頭金あり」のほうが有利なので、もしご自身所有のマンション物件や相続した実家などがあれば、売却して頭金にするのも有効ですね。

すでに住宅ローンを利用して返済を続けながら居住しているマンション物件でも、地価が高騰している今なら売却益を頭金にするという方法もあります。

マンション購入を検討する際には、まず手持ちの不動産を頭金に転換できないかを確かめるのが有効でしょう。

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