旧耐震基準の家やマンションだと売れない!?耐震・免震・制震の違いと不動産売却と耐震性の関係

旧耐震基準のマンションだと売れない!?耐震・免震・制震の違いとマンション売却と耐震性の関係

地震大国と呼ばれる日本では、年間に2000回を超える地震が観測されています。

世界の中のわずか1%にも満たない狭い国土で、世界中で起きている大地震の20%が日本に集中しているのですから、日本人の生活と地震は切っても切れないつながりがあります。

そこで注目されるのが、建物の「耐震性」です。

耐震性が高い家やマンションはやはり人気が高く、免震・制震の技術もめざましく進歩していますが、では反対に耐震性が低い家やマンションは不人気で売却しにくいのでしょうか?

「ウチは古い耐震基準で建てられているから安くなるの?」という不安もあるでしょう。

ここでは、マンション売却と耐震性の関係について考えていきます。

やっぱり重要?マンションの買い主は耐震性を重視するが…

家売るレオさん

やっぱり家やマンションを購入しようと考えている人は耐震性を重視しているんですか?

イエプロ

調査結果でも家やマンションの購入希望者は耐震性をもっとも重視しているようです。ただし「一定のレベルさえあれば良い」と考えている方は多いようですね。

国土交通省では、新規に家やマンションを購入しようとしている人を対象にアンケート調査を実施しました。

この調査では、5年以内に東京または神奈川でマンションを購入する意向の871名から得た回答を集計しました。

その結果、家やマンション購入の意向がある人がもっとも重視するのは「耐震性」で19.5%という結果に。

やはり、地震大国である日本では耐震性を重要視する買い主が多いという結果になりました。

ただし、注目すべきは「耐震性を重要視している」という点だけではありません。

この調査では「レベルの違いまで重要視する要素」もあわせて回答を得ています。

レベルの違いまで重要視するということは、たとえば耐久性であればA:100年、B:70年、C:40年というように、できるだけ高レベルのものを選びたいという意向があるかどうかも調査したわけです。

耐震性については、「A:構造」、「B:耐震構造」の2レベルが挙げられましたが、意外なことに優れた免震構造にこだわった人が少なく、耐震性のレベルにこだわっている人の割合はたった7.0%にとどまりました。

耐震基準を満たしていないマンションは売れない!?マンション売却と耐震性の関係

参考|住宅の資産価値に関する研究【国土交通政策研究所】

実に意外な統計結果ですが、家やマンションを購入しようとしている人たちの心理を一言でいうとこうなります。

・耐震性は必要だが、耐震性の程度にはこだわらない

これは家やマンションを売却したいと考えている方にとって重要なヒントになってくるでしょう。

耐震基準とは?わかりやすく解説

家売るレオさん

そもそも「耐震基準」って新旧あってわかりにくいですよね。

イエプロ

大切なところなので、わかりやすく解説しておきましょうか。

耐震基準という用語は知っていても、なんとなくでしか理解していない方は多いのではないでしょうか?

ここでは、耐震基準について制度の内容や新旧の違いなどをわかりやすく解説します。

耐震基準は大地震をきっかけに改定されてきた

みなさんご存じのとおり、日本の住宅は「建築基準法」に則っていないと建てられません。

1950年に建築基準法ができた当時は「水平震度0.2に耐える」という基準が設けられていました。

水平震度とは、みなさんがニュースなどで目にする「震度」とはまったく別のもので、水平震度0.2は現行の震度5弱程度に相当します。

わかりやすくいえば「震度5弱に耐える」という程度が示されていました。

みなさんの感触では「そんな程度で大丈夫なの?」と感じるかもしれませんが、その当時の基準になっていたのが1923年に発生した関東大震災の震度6。

これと同等またはそれ以上の規模の地震がまた発生するなどとは想定していなかったのです。

建築基準法が制定されて18年後の1968年、北海道十勝沖地震が発生し、多くの住宅が倒壊して甚大な被害が発生しました。

このときの震度は5でしたが、地震と津波の影響によって多数の死者・行方不明者が発生したため、1971年には耐震基準が「震度5で倒壊しない程度」に定められました。

これがいわゆる「旧耐震基準」です。

十勝沖地震から10年が経った1978年、今度は最大震度5の宮城県沖地震が発生しました。

この地震では津波の発生がなく死傷者の数は少数にとどまりましたが、建物の全半壊が7400戸、仙台市内だけでも部分壊は8万戸を超える損害が発生しました。

そこで、1981年には再び建築基準法が改正され、現行の耐震基準になったのです。

・震度5強ではほとんど損壊しない
・震度6強〜7でも倒壊しない

これが「新耐震基準」です。

2度にわたる大地震をきっかけに強化されてきた耐震基準ですが、耐震基準の新旧の違いによって明暗が分かれたのが1995年に発生した阪神淡路大震災です。

阪神淡路大震災では、旧耐震基準しか満たしていない住宅の70%が小破から大破の被害を受けましたが、新耐震基準を満たした住宅の被害は30%程度に抑えられていました。

しかも、阪神淡路大震災と2011年に発生した東日本大震災では、新耐震基準を満たした住宅の倒壊が認められなかったというのですから、耐震基準の新旧の違いだけで耐震性には雲泥の差があるといえるでしょう。

旧耐震基準のマンションは100万戸以上!

国土交通省マンションストック政策室の調べによると、2017年末時点のマンション戸数は644万1000戸。

そのうち、旧耐震基準下において建築されたマンションは約104万戸に及ぶとのことです。

統計では、建築着工年をもとに戸数を割り出していますが、マンションは着工から完成までに1年以上かかるため、実際にはもう少し戸数が多くなるはずでしょう。

基本的には「1981年以降に建築されたマンションは新耐震基準を満たしている」と考えておおむね間違いはありません。

ただし、あなたのご自宅マンションが1981〜1983年の建築であれば、注意が必要です。

マンションの建築は「建築確認済証」の交付を受けないと着工できません。

マンションの築年数は、この建築確認済証の交付年を指しているため、新耐震基準へと改正された1981年6月以前に建築確認済証の交付を受けていれば、旧耐震基準しか満たしていないおそれがあります。

1981〜1983年の建築ですから、2019年時点では築年数36〜38年のマンションは、耐震基準の新旧グレーゾーンだといえます。

「免震」や「制震」ってなに?耐震とは違う?

最近では官公庁や駅の「免震化」が進み注目されています。

先ほどの調査でも、マンション購入の意向がある人の中には「耐震だけじゃなく「免震」にこだわりたい」という人が一定数いることがわかりましたよね。

ところで、免震や制震って、耐震とはどう違うのでしょうか?

カンタンなイメージは次のとおりです。

・耐震は「地震に耐えるように頑丈な造りにする」
・制震は「地震の揺れを吸収する」
・免震は「地震の揺れを受け流す」

同じ耐震基準の枠の中にあっても、それぞれが全く別の考え方で地震の揺れに対してアプローチしているので、どの工法がベストだとはいえません。

ただし「地震によるダメージを最小限に防ぐ」という意味では、今のところ「免震」が一歩抜きん出た性能を持っているといえるでしょう。

まず、みなさんもよく耳にする「耐震」は、柱や壁を強化したり補強材を入れたりして、地震の揺れを受けても壊れないように建物を強化することをいいます。

「制震」とは、建物の内部にダンパーやオモリなどの制震部材を組み込んで、地震の揺れを吸収する工法です。

一般住宅にも採用されていますが、特にマンションやビルなどのように上層になるほど揺れが大きくなる建物には有効です。

もっとも優れた性能を誇る「免震」は、建物の基礎に免震装置を組み込むことで、地盤と建物を切り離して地震の揺れを受け流す工法です。

東京駅や各地の官公庁などが免震化工事を採用していることから話題性も大きく、2011年の東日本大震災でも免震構造のマンションでは「地震が起きたことに気づかなかった」という声があがっているほどです。

耐震性という面でみると、耐震<制震<免震という順序になるので、地震対策という面では誰もが免震を採用したくなるものですが、問題はコスト面でしょう。

コスト面でみても、やはり工事費用も耐震<制震<免震の順序になり、特に免震は構造の難しさから工事費用が高額になります。

新耐震基準を満たしてれば、もっとも弱いと考えられる耐震構造でも震度5強まではほとんど損壊せず、震度6〜7でも倒壊しない強度を持っているのです。

コストとてんびんにかけたときに「そこまでしなくても…」と考える方が多いのも不思議ではないでしょう。

旧耐震基準のマンションは売れにくいのか?

家売るレオさん

現状、100万戸以上の旧耐震基準マンションが残っているってことですけど、やっぱり旧耐震基準のマンションって売れにくいんですか?

イエプロ

先ほど、実際の購買意向者は耐震性にはこだわらないという調査結果がありましたが、現実には売却はなかなか難しいようです。

マンションの購入を考えているユーザーの思考は「耐震性は必要、でも程度にはこだわらない」というのが一般的で、少なくとも現行の新耐震基準程度の性能は欲しいと考えているようです。

すると、築40年を迎えているよう旧耐震基準下のマンションでは売却は難しいのでしょうか?

旧耐震基準のマンションは「既存不適格建物」

建築基準法上の耐震基準が変わったら、それまでに建てられていたマンションは違法になるのでしょうか?

そんなはずはありませんね。

そんなことになれば、耐震基準が改正されるたびにそれまでのマンションやビルを全て取り壊さないといけなくなります。

新耐震基準は「これから建築するマンションは新しい耐震基準を満たしていないと許可しませんよ」というもので、それまでに建築済みのマンションについては効力が及びません。

すでに建築済みで、新たな耐震基準を満たしていないマンションのことを「既存不適格建物」と呼びます。

すでに建築されている、現行の基準を満たしていない建物…という意味ですね。

既存不適格建物は、現行の基準を満たしていないだけで違法ではありませんが「マンションの売却」という面ではいくつかのデメリットを抱えています。

売れにくい理由① 住宅ローンがとおりにくい

住宅ローンでは、ローンを利用して購入する物件を担保にして融資を受けることになります。

つまりは「抵当権」の設定ですね。

なぜ抵当権を設定するのかというと、もし返済が滞ったり不能に陥ったりした場合に、金融機関の権利を行使して物件を売却し、返済にあてるためです。

つまりは、家やマンション購入資金を融資する金融機関にとっても、抵当権の対象となるマンション物件自体が地震によって壊れてしまうような物件であっては困るわけです。

民間の銀行と住宅金融支援機構が提携する長期ローン「フラット35」では、旧耐震基準しか満たしていない既存不適格マンションの購入は原則的に非対応となっています。

そのほか、各金融機関が独自に提供している住宅ローンでも、既存不適格の場合は融資不可となっているケースがあります。

住宅ローンがとおりにくいということは、つまり買い主が金策に困るということ。

買い主が金策に困るということは、家やマンションが売れにくいといことにつながります。

売れにくい理由② 減税措置も対象外

既存不適格マンションは、さまざまな減税措置の対象外になってしまいます。

【住宅ローン減税】

会社員の方は年末調整で、自営業の方は確定申告で、年末時点の住宅ローンの残額に応じて所得税が控除される住宅ローン減税は、10年間で最大400万円もの節税が可能です。

住宅ローン減税を活用すれば、会社員の方などでは年末調整が含まれた月の給与がボーナス並みに膨れ上がることもあるので、とても節税効果が高い制度として有名でしょう。

ところがこの住宅ローン減税は、中古の家やマンションの場合は「築25年以内のもの」に限定されています。

つまり、2019年時点で最低でも築36年を超えてしまうはずの既存不適格マンションの場合は、確実に適応外となってしまいます。

これは買い主にとっても非常に痛手となると同時に、買い主の購買意欲を削いでしまうため売り主としても大きなデメリットになってしまうでしょう。

【登録免許税・不動産取得税の優遇措置】

家やマンション物件を購入する場合には、名義変更の手続きとして登記を書き換える必要があります。

この手続きの手数料となるのが登録免許税ですが、税額は固定資産税評価額の2%。

「わずか2%」というふうに見えても、たとえばマンションの固定資産税評価額が3000万円なら登録免許税は60万円にもなります。

2020年3月末までの取得で中古マンションの場合2%→0.3%に引き下げられる減税措置が実施中ですが、対象となるのは「築25年以内のもの」のみ。

0.3%が適用されれば、固定資産税評価額3000万円なら9万円になるのですから、減税措置のあり・なしの差はなんと51万円になります。

毎月10万円ずつ住宅ローンを返済するとしても5ヶ月分は浮かせることができる金額ですから、買い主としては気にかかるところでしょう。

また、マンション購入時に一度だけ課税される「不動産取得税」ですが、こちらは各都道府県によって運用が異なるものの、概ね「(固定資産税評価額−控除額)×3%」が基準になっています。

この計算における控除額は築年数によって異なりますが、ほとんどの自治体では旧耐震基準のマンションが対象外となっています。

控除によって課税の分母が削られれば税額は大幅に安くなるので、控除対象外になってしまうことは大きなダメージだととらえられるでしょう。

売れにくい理由③ 地震保険が高くなる

万が一の地震災害によって損害が発生した場合の損害額を補償するのが「地震保険」ですが、地震保険の保険料には耐震性が大きく影響します。

地震保険の保険料は「100年に一度起きる程度の大地震に直面しても人命が失われないレベル」が最低基準になっています。

この基準を満たせば、最低10%程度の割引きが受けられます。

この最低基準が「現行の新耐震基準と同等」なので、つまり既存不適格マンションは地震保険の保険料が通常よりも割高になるということです。

マンション購入後のトータルコストまでしっかりと見越している買い主になると、このあたりも「売れない」理由のひとつになってくるでしょうね。

旧耐震基準でも損をしない方法はある?

家売るレオさん

うーん、旧耐震基準の家やマンションだと、売却はかなり苦戦しそうですね。

イエプロ

買い主にとってもデメリットが大きい買い物になりますからね。

でも、建築年だけにとらわれるのは損ですよ。旧耐震基準の家やマンションでも「耐震診断」の結果によっては新耐震基準と同等の扱いが期待できます。

ここまでの話を聞いて、1981年以前に建てられたマンションだから「売るのは大変だろうな」と落ち込んでしまっている方も多いはず。

しかし、落ち込むのはまだ早すぎます。

築年数からみれば旧耐震基準の家やマンションであっても、新耐震基準と同等の扱いを受けられる期待は残っているのです。

ここでは、旧耐震基準下で建てられた既存不適格マンションの売却を考えている方が損をしないための方法を考えていきましょう。

耐震診断を受ける

あなたが売却を目指している家やマンションは「耐震診断」を受けていますか?

もし耐震診断を受けていないのであれば、専門業者に依頼して受診することをおすすめします。

耐震診断では、地震力に対する強度や、変形力・粘り強さを示す靭性を測って「is値」を算出します。

「is値」とは、構造耐震指標と呼ばれるもので、国土交通省が示す基準では次のように表されています。

【震度6〜7の地震が発生した場合】
・is値0.3未満…倒壊・崩壊する危険性が高い
・is値0.3以上0.6未満…倒壊・崩落する危険性がある
・is値0.6以上…倒壊・崩落の危険性は低い

さらに耐震診断では、建物の形状として「SD」、累積強度として「CT」も計測して指標化します。

これらを総合し、is値0.6以上かつSD・CT0.3以上の条件を満たしていれば、新耐震基準を満たしているのと同等であると判断されるわけです。

実は、既存不適格マンションであっても、耐震診断の結果をみると約40%の家やマンションは新耐震基準と同等の耐震性を持っていることが明らかになっています。

耐震診断によって、新耐震基準と同等の耐震性を持っていることが証明されれば「耐震基準適合証明書」が発行されるので、これをもって「耐震性あり」とみなすことができるのです。

たとえば、先ほどはデメリットとして紹介した各種減税措置ですが、耐震基準適合証明書さえあれば、住宅ローン減税・登録免許税と不動産取得税の減税措置の対象として認められるようになります。

1981年以前に建てられていても、しっかりとした建設をしてくれているマンションならすでに新耐震基準は満たしていたということですね。

また、耐震基準適合証明書があれば、固定資産税が1年間は半額になります。

まだ耐震診断を受けていない家やマンションにお住まいであれば、ぜひ耐震診断を受けてみましょう。

意外と「新耐震基準と同等ですよ」という結果になって、売却に際する足かせも外れるかもしれませんよ。

耐震改修工事をおこなう

もし耐震診断を受けて「耐震性が足りない」という結果になっても、諦める必要はありません。

耐震性が足りないという診断を受けても、耐震性を補う工事を受けてしまえば良いのです。

耐震改修工事の内容としては、耐震・制震・免震があります。

耐震工事では、柱や壁の補強、鉄骨の増設などによって、建物自体の堅牢さを増強させます。

制震工事では制震ダンパーを増設し、免震工事では基礎と建物の間に免震構造を組み込みます。

ただし、家やマンション物件の場合は「わが家だけ耐震化を」というわけにはいきません。

家やマンション全体の耐震改修工事になるため、管理組合がどれだけの修繕積立金をプールしているのか、修繕積立金だけで費用を捻出できない場合は各世帯がどれだけの費用を支払うことになるのかなども考える必要があります。

こうなると、家やマンションを売却するために費用を捻出する必要があるのかを総合的に判断する必要があるでしょう。

旧耐震基準でもそのまま売却すればいい?

家売るレオさん

そもそも新耐震基準を満たすほどの耐震性があれば、旧耐震基準の家やマンションでも売却が不利になることはないってことですよね?

イエプロ

耐震診断を受けて適合証明書をもらえば、新耐震基準と同じ扱いになりますよ。

家売るレオさん

でも「耐震性が低い」って診断になれば、ちょっと大変ですよね…

イエプロ

そんなときは「そのまま売却する」方向に目を向ければいいでしょう。

頭で紹介したとおり、国土交通省の調査によると、家やマンションを購入しようと考えている人の多くは「耐震性は必要、でも程度はこだわらない」という立場にたっているケースが大半です。

旧耐震基準しか満たしていないとされていた年代に建てられた家やマンションであっても、約40%は現行の新耐震基準を満たしていたという結果からも、わが国の建築技術の高さは信用性が高いといえるでしょう。

こういった調査結果をふまえると、もしあなたが売却しようとしている家やマンションが旧耐震基準下で建てられた既存不適格マンションであったとしても「気にせずそのまま売却する」という方向で考えるのが賢い選択だといえます。

「耐震性」よりも「利便性」が重視される!

家やマンション購入希望者がもっとも優先する条件はどこでしょう?

これから家やマンションを売却しようとしているあなたも、もう一度「買い手の視点」に立って考えてみてください。

なによりも耐震性が大切ですか?

違いますよね。

通勤・通学のための交通の便であったり、ファミリーがゆったりと生活できる間取りであったり、とにかく「生活の利便性」のほうを優先させて購入を考えるはずです。

もちろん、万が一の地震が発生したときに、生命の安全や大切な資産を守ることは重要ですが、家やマンションは「住まい」であって「シェルター」ではないのです。

三井住友トラスト不動産が公表しているデータによると、中古マンションの坪単価は「駅から徒歩◯分」によって大きく変動していることが明らかになっています。

耐震基準を満たしていないマンションは売れない!?マンション売却と耐震性の関係

参考|三井住友トラスト不動産

この調査では、首都圏では徒歩1分ごとに4万円、近畿圏では1.2万円、中部圏では0.6万円ずつ坪単価が変動していることがわかりました。

特に首都圏では徒歩9分と徒歩10分の間に大きな落差が見られます。

徒歩10分になると途端に「駅から遠くて不便」という印象になってしまうのです。

中古の家やマンションの価値は、高い安全性よりも利便性のほうが高く評価されるのです。

つまり、旧耐震基準の既存不適格マンションであっても、駅に近い、スーパーやコンビニ、官公庁や病院などが周囲にあって生活の利便性が高いという好条件さえ揃っていれば、ある程度の需要は見込めるのです。

リノベーション向けとして売り出せば注目されやすい!

最近の中古の家やマンション市場では、築古のマンションであっても一定の需要が見込めるという流れがあります。

その大きな要因となっているのが「リノベーション」ブームでしょう。

リノベーションとは、既存の住宅の間取りを変更したり、機能性が高い設備を増設するなどして、以前よりも良い状態に改築することを指します。

まぎらわしい用語ですが「リフォーム」とはまったく別です。

リフォームとは、新築の状態に戻すことを目指した補修・修繕を指しています。

リフォームによる回復力が100%だとすれば、リノベーションは120%以上の付加価値をつけることを目標にしているのです。

最近では、古い家やマンション物件を安値で購入し、新築同様またはそれ以上に自分好みのかたちにリノベーションする若い世代が増えています。

そんな世代が狙いを定めているのが「駅近で利便性が高くて、新築よりもずっと割安なマンション物件」なのです。

リノベーション目的で家やマンションを探している人たちにとっては、耐震基準の優先度は高くありません。

それどころか、耐震性が低いからこそ、万が一の地震が起きた時でも危険度が低いように家具類の配置や屋内の動線に気を配るといった楽しみがあるようです。

「リノベーションに適している物件」として売り出すことができれば、事前にリフォームしておく必要などもなく、売り主としても売り出しに手間をかける必要がないというメリットがあります。

「仲介」が難しければ「買取り」も視野に!

みなさんがイメージするマンション売却とは、不動産会社をつうじて買い主を探してもらうかたちになるでしょう。

こういったマンション売却の取引きを「仲介」と呼びます。

家やマンションの売り主は不動産会社と媒介契約を結んで買い主を探してもらい、家やマンションの購入希望者も不動産会社と媒介契約を結んで、マッチングしていくのです。

あまり意識されていないかもしれませんが、中古の家やマンションの売買取引きはほとんどが「個人と個人の取引き」になり、不動産会社はあくまでも仲介という立場でしかないのです。

すると、新耐震基準を満たしていない古い家やマンション物件では、税制面の不利なども響いてなかなか買い手が見つからないことも少なくありません。

築年数が25年を超えてしまった家やマンションでは、価格相場の底値を突いてしまっているので「早く売らないとどんどん値が下がる」というわけではありません。

しかし、なかなか買い手が見つからないような状態が続いている間にも建物の老朽化は進んでいくのですから、早く売却できるのがベストです。

特に、住み替えを考えているため購入資金の決済の都合がある方や、実家の家やマンションを相続して相続税の納付期限までに現金化したいという方にとっては、素早い現金化が望ましいはずです。

そこでおすすめしたいのが、専門業者による「買取り」です。

買取りとは、中古の家やマンションを業者が買い取ってくれる取引きのことです。

中古の家やマンションを直接買い取った業者は、自社でリノベーションを施して再販したり、自社と取引がある販売業者や投資家に転売するルートを持っています。

買取りをおこなう業者は資金力も豊かなので、買い主側の資金調達などが足を引っ張ることもありません。

買取りが成立すれば、遅くても1ヶ月以内に現金化が可能になります。

唯一、買取りのデメリットを挙げるとすれば、市場相場よりもやや安くなるという傾向があることでしょう。

ただし、仲介で売却を目指していても、築古であることや新耐震基準を満たしていないことなどを指摘されて値下げされてしまうこともあるので、仲介と買取りの間の価格差はあまり大きく開きません。

売却までに時間がかかる、値下げ交渉を受けることが煩わしいなどのストレスを考慮すれば、最初から買取りを利用したほうが良いケースも多々あります。

仲介による売却が難しいようなら、専門業者による「買取り」というルートもあることを覚えておきましょう。

旧耐震基準下のマンションでも高値を目指すなら…「一括査定サイト」がおすすめ

新耐震基準を満たしていないことが不安要素となっている家やマンションであれば、ある程度の安値になることを覚悟しておく必要があります。

しかし、新耐震基準を満たしていない=安値という評価は間違いです。

家やマンションの魅力は何よりも生活の利便性であり、立地条件が悪くても利便性が高ければ高く評価されるべきです。

正しい評価を得るための秘訣は「複数の不動産会社に査定してもらうこと」が一番です。

不動産の一括査定サイトを利用すれば、複数の優良な不動産会社に一括で査定を申し込むことができます。

サイトに登録している不動産会社は家やマンション売買が得意な会社ばかりなので、しっかりと価値を判断した好評価が期待できます。

また、一括査定サイトには買取りを専門に扱っている業者や、仲介とあわせて買取りもおこなっている不動産会社もたくさんエントリーしています。

複数の不動産会社・買取り業者から査定結果を取り寄せたあとは、高値で売却できる期待が高い数社を選んで実際に家やマンションを見てもらい、詳しく査定してもらいましょう。

できるだけ高値を目指せる仲介にするか、それともスピード勝負の買取りにするかは、実際の査定を受けて担当者と話してみてから決めても遅くはありません。

古いマンション売却で「耐震基準が気になる…」という方は、ぜひ一括査定サイトを活用して高値売却を目指しましょう。

旧耐震基準の家やマンションだと売れない!?耐震・免震・制震の違いと不動産売却と耐震性の関係のまとめ

家売るレオさん

耐震性は重要だけど、旧耐震基準の家やマンションだからって「安くなる」と気落ちする必要はありませんね。

イエプロ

そのとおり!耐震性が高いのはプラス要素だけど、家やマンションの評価は耐震性だけじゃありません。「住まい」として高く評価してくれる不動産会社や買取り業者に売却するのがベストですよ。

地震による損害が大きく不安視される昨今では、家やマンションの耐震基準は重要なポイントとなります。

買い主としては節税などに大きく影響するため、地震対策に強い興味がなかったとしても決して無視できないのは事実でしょう。

しかし、あなたが売却を目指している家やマンションのアピールポイントは「地震に強い」という点だけにとらわれる必要はないはずです。

旧耐震基準下で建てられた古い家やマンションでも、高値で売却できないわけではありません。

築古でも新耐震基準を満たしていることがあるし、耐震性に不安があっても利便性が高ければニーズは十分にあるのです。

まずは耐震診断とあわせて複数の不動産会社や買取り業者による査定を受けてみましょう。

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