マンション売却における瑕疵担保責任とは!?既存住宅売買瑕疵担保保険の保証期間や保険料

家やマンション売却における瑕疵担保責任とは!?既存住宅売買瑕疵担保保険の保証期間や保険料

住宅の売却・購入の中でも特に難しいのが「瑕疵(かし)」に関する問題です。

ハウスメーカーやディベロッパーから新築住宅やマンション物件を購入する場合は単に「保証が受けられる」というイメージを持っておけばいい程度の問題でしょう。

ところが、一戸建て住宅やマンション物件を売却する際には、今度はあなた自身が「保証をする」という立場になります。

売り主になるということは「瑕疵担保責任」について無知のままでいるわけにはいかないということなのです。

瑕疵担保責任について正しく理解しておかないと、せっかく住宅の売却に成功してもあとで大損害を被る危険があります。

今回は、住宅の売り主になったら無知のままではいられない「瑕疵担保責任」について徹底解説します。

【意味と仕組み】瑕疵担保責任とはどんな制度!?

家売るレオさん

店長、質問があるんですけど…この…「なんとか担保責任」ってなんですか?

イエプロ

漢字が難しいですよね。それは「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」と読むんですよ。

カンタンにいうと、売った住宅やマンションに欠陥があった場合は売り主が責任を負うという制度です。

住宅や土地の売買取引に関する資格といえば、みなさんご存知の「宅地建物取引士」、略して宅建士ですよね。

難易度が高い国家資格として知られており、たくさんの人が資格取得にチャレンジしていながらもなかなか合格できないといわれています。

その宅建士の試験の中でも頻出で、しかも難しいジャンルだといわれているのが「瑕疵担保責任」です。

不動産のプロを目指して勉強をしている人たちが口をそろえて「難しい」と苦労しているくらいですから、これまでに不動産取引についてあまり考える機会がなかった方にとっては非常に難しく感じるでしょう。

まずは「瑕疵担保責任」とはなにかという基本の部分について解説していきます。

「瑕疵」の意味は!?

瑕疵とは、不動産に関する「瑕疵」とは「通常有すべき品質を欠くこと」と解されています。

 

法律で、通常あるべき品質を欠いていること

 

たとえば屋根について考えてみましょう。

屋根の役割は、住宅の天面に配置されていて、室内と外気を遮断し、日差しや風雨が室内に侵入することを防いでいます。

その機能を十分に発揮するために、屋根を象るフレームがあって、板材があって、防水シートを敷いた上から瓦を配置していますよね。

では、一応は屋根としての形を保っていながら、実は板材や防水シートなどがなかったとしたら…

買い主は「屋根があるのだから日差しや風雨を防げるのは当然」だと期待していますが、とてもそんな性能が備わっているはずがありません。

これが「瑕疵」の仕組みです。

【物理的瑕疵】建物自体に損傷や欠陥が生じている場合は「物理的瑕疵」

瑕疵のことをわかりやすく例示するには雨漏りが一番でしょう。

雨漏りが起きる原因は、屋根や外壁などに損傷や欠陥が生じているからです。

このように、建物自体に何らかの損傷や欠陥が生じているような場合は「物理的瑕疵」と呼びます。

屋根のほか、外壁、柱、天井、床、階段、配管類、水回り、基礎など、住宅を構成する各所における欠陥が物理的瑕疵になります。

また、建物だけでなく、土地についても地盤沈下、土壌汚染などがあれば物理的瑕疵に該当します。

これらの瑕疵があると、快適な生活が物理的に阻害されてしまいます。

【心理的瑕疵】精神衛生的な部分で快適な生活が阻害される欠陥は「心理的瑕疵」

一方で、快適な生活が阻害されてしまう要因は物理的な瑕疵だけではありません。

たとえば、屋内で以前の住人が自殺したという住宅では、いくらメンテナンスをしていたとしてもどこか薄気味悪い感じがしてしまうでしょう。

こういった精神衛生的な部分で快適な生活が阻害されてしまう欠陥も瑕疵と認められており、これを「心理的瑕疵」と呼びます。

自殺のほか、次のような条件がある場合も心理的瑕疵と認められます。

  • 殺人事件による他殺、屋内での不慮の事故死、高齢者などの孤独死のような人の死にかかわる事柄が発生した住宅
  • 墓地や廃棄物処理場、宗教施設や〇団事務所などの嫌悪施設に隣接している住宅
  • 隣家や隣室がペットを飼っていてニオイや糞尿の被害がある
  • 周辺の住人とトラブルになっている

心理的瑕疵のうち、人の死にかかわった物件は「事故物件」と呼ばれてインターネットでも紹介されるなど、不人気な物件のレッテルを貼られてしまうことが多くなっています。

【瑕疵担保責任の該当範囲】売り主はどこの範囲まで瑕疵担保責任を負わないといけないのか

ここでついに本題の「瑕疵担保責任」について説明しましょう。

瑕疵担保責任は、民法に定められている制度です。

民法の条文をみてもちょっと意味がわかりにくいので、ここではざっくりと要約してみましょう。

【民法第570条】

  • 売買の目的物に「隠れた瑕疵」があったときは、民法第566条の規定を準用する。

【民法第566条】

  • 売買の対象物に瑕疵があるため契約の目的が達成できない場合、買い主は売り主との売買契約を解除できる
  • 契約の目的が達成されない程度に至らない場合、買い主は売り主に損害賠償を請求できる
  • 契約解除や損害賠償は、買い主が「瑕疵を知って1年以内」に請求しなければならない
  • 売り主は、故意であろうと過失であろうと責任を負う

ここでいう「隠れた瑕疵」とは、相当な注意を払ったとしても発見できない程度の欠陥などを意味します。

先ほどから何度も例に登場している「屋根」でいえば、ぱっと見てなんの異常もない屋根なのに雨漏りが発生したとなれば、売り主が知っていたか知らなかったかを問わず「隠れた瑕疵」となります。

ところが、天井を見上げると大きな穴があって、すでに雨漏りが発生した痕跡が見てとれるようなケースでは、ぜんぜん隠れていませんよね。

一目で見てとれるような欠陥は、瑕疵担保責任で問われる「瑕疵」には該当しません

そして、激しい雨漏りがするような住宅では、快適な生活どころか、不自由ながらもガマンして生活することさえできませんよね。

そこまでの程度になると「住宅を購入して生活する」という目的が達成できないことになるので、買い主は売り主に対して「売買契約を解除する!」と申しつけることができます。

つまりは「こんな状態じゃ住めないから、返す代わりにお金を全額返して!」と求めることが可能になるわけです。

【瑕疵担保責任の請求期限】瑕疵担保責任はいつまで請求できるのか

また、そこまでの程度に至らずとも、ある部屋だけわずかな雨漏りが発生して家電製品が濡れて故障したなどの場合は、買い主は売り主に対して雨漏り修繕または修繕費用の負担や濡れて故障した家電製品の賠償を求めることができます。

売り主がこの責任を負う期間は、民法に期限の定めがないため「永久」となります。

10年後でも20年後でも、隠れた瑕疵があれば売り主が責任を負うことになりますが、実際のところは10年後に雨漏りが発生したとしても「10年前に購入した時点から欠陥があった」と認定してもらうのは不可能でしょう。

瑕疵担保責任の追及の期限は「買い主が瑕疵の存在を知ってから1年以内」と規定されていますが、実際には民法の債権消滅時効によって10年で権利が消失します。

したがって、実務上は「引き渡しから10年以内で、瑕疵を知って1年以内」が請求期限と考えられます。

【瑕疵担保責任の規定】実際の売買契約書ではどのように規定されているのか

瑕疵担保責任について、実際に取引された住宅の売買契約書においてはどのように規定されているのでしょうか?

売買契約書の例を見てみましょう。

【売買契約書の例】

第〇条 瑕疵の責任

1 売り主は買い主に対して、土地および建物の次に挙げる隠れた瑕疵について責任を負う。
(1) 雨漏り
(2) シロアリによる被害
(3) 建物の構造上主要な部位の木部の腐食
(4) 給排水管の故障

買い主が前記の瑕疵を発見した場合は、すみやかに売り主に通知すること。
また、修復に急を要する場合を除いては売り主に立ち会いの機会を与えること。

2 売り主は、前記建物の瑕疵について、引き渡し完了日から3か月以内に請求を受けたものに限って責任を負う。なお、責任を負う内容は修復のみとし、売買契約の解除や損害賠償の請求は認めない。

3 売り主は、土地の隠れた瑕疵によって買い主の目的が達成されない場合、引き渡し完了日から3か月以内に限って売買契約を解除できる。

4 売り主は、売買契約の締結時に瑕疵の存在を知らない場合でも責任を負うが、買い主が売買契約の締結時に瑕疵の存在をしっていた場合、売り主は責任を負わない。」

まず、建物の瑕疵については、雨漏り・シロアリ被害・構造上重要な部位の木部腐食・給排水管の故障に限定されています。

瑕疵担保責任が適用される範囲は、このように限定されるのが一般的です。

次に、民法の定めに照らすと「引き渡し日から10年以内で、瑕疵を知って1年以内」の期限が「引き渡し完了日から3か月以内」に短縮されています。

民法の定めに準じてしまうと売り主の責任期限が非常に長くなってしまうので、中古住宅の売買においては特約事項を設けて「3か月以内」程度に短縮されるのが一般的です。

「引き渡し後、売り主は責任を負わない」という特約も可能ですが、その場合は相応の値下げを求められるでしょう。

なお「一切の責任を負わない」という特約を「瑕疵担保責任免責」と呼びますが、この特約が認められるのは個人が売り主になった場合のみです。

売り主が宅建業者の場合は、宅建業法第40条の規定によって買い主が不利となる契約は無効となるため、瑕疵担保責任免責は適用されません。

一般的に建物の瑕疵は修復工事によって回復されますが、土地の瑕疵については修復が難しく、しかも平穏な生活が著しく害されるため、売買契約の解除が適用されるのが慣例です。

最後に、売り主は自身が認知している、していないの別を問わず瑕疵担保責任を負うと規定しています。

これを法律用語で「無過失責任」と呼びます。

ただし、売買契約の時点で買い主が瑕疵に気が付いていたとすれば、そのことを隠して売買契約を結び、あとになって瑕疵を訴えることは非常に不誠実です。

そのため、買い主が瑕疵に気が付いていた場合は、瑕疵担保責任の対象外となります。

【2019年最新】民法改正で瑕疵担保責任は「契約不適合担保責任」に変わる

最近の法曹界のニュースとして大きな話題となったのが「民法改正」です。

民法改正って、別に珍しい話じゃないのでは?と感じた方もいるでしょう。

たしかに、民法は社会事情などに照らしてたびたび改正されてきた歴史がありますが、1896(明治29)年の制定以来、ほとんど姿を変えていない部分があります。

それが契約などに関する「債権法」と呼ばれる部分です。

2017年5月、この債権法に関する部分の大幅な改正が成立し、120年ぶりの改正が2020年4月1日に施行されようとしています。

その中でも不動産業界が特に注目しているのが「瑕疵担保責任」の改正です。

従来民法の瑕疵担保責任は、改正後は「契約不適合担保責任」に置き換えられ、内容も大幅に変更が加えられます。

瑕疵担保責任と契約不適合担保責任の違い

現行の従来民法と改正民法における変更点をまとめてみました。

名称 瑕疵担保責任(現行) 契約不適合担保責任(2020年から)
担保責任の対象

隠れた瑕疵

(通常有すべき品質を欠いており、相当の注意を払わないと発見できないもの)

契約との不適合

(品質・数量が契約と一致しないこと)

対抗手段 ・瑕疵の補修

・契約の解除

・損害賠償の請求

・不適合の補修

・契約の解除

・損害賠償の請求

・代金減額請求

請求権の起算点 事実を知って1年以内 ・事実を知って1年以内に通知

・納品後5年で請求権が消滅

契約中断時の中途成果物に対する支払い なし 中途成果物によって得られた利益の割合に応じて支払い義務が発生

※赤字は改正点

これまでの民法の規定に準じた瑕疵担保責任から改正後の契約不適合担保責任に変化することで、不動産業界が大きな対応を求められるのは、まずは名称でしょう。

これまでの「瑕疵担保責任」は、民法の文言の変化を受けてそのまま「契約不適合担保責任」に置き換えるべきなのかという問題があります。

宅建業法をはじめとして、不動産業界は民法の規定を準用しながらも、必ずしも民法に規定されたとおりの名称や文言を使用しているわけではないので、名称の変更には慎重かつ統一的な対応が求められます。

また、担保責任の対象は「隠れた瑕疵」でしたが、改正後は「契約との不適合」になり、品質や数量が契約と一致しないという文言が「隠れた瑕疵」と同じ意味になるのかに疑問の声が挙がっています。

次に変わったのが対抗手段です。

瑕疵担保責任に対抗する手段は、これまでは瑕疵の補修・契約解除・損害賠償請求の3つでしたが、改正によって新たに「代金減額請求」が加わります

契約解除や損害賠償請求よりもソフトな手段が加わることで、売り主と買い主の間で起こる紛争が解決しやすくなることが期待されます。

従来民法では永久だった請求権は「納品後5年間」に短縮されますが、中古住宅の売買ではおおむね3か月以内の特約を加えるのが一般的なので大きな影響はないでしょう。

また、改正によって新たに加わった「中途成果物に対する支払い義務」についても、新築住宅であれば建築途中をとらえることが必要ですが、中古住宅の売買にはあまり関係がないはずです。

2020年4月まで残された時間は多くはありません。

民法改正によって、瑕疵担保責任の名称や考え方が変わるかもしれないので、業界内の統一ルール策定などが急務だといえるでしょう。

【瑕疵担保の保険】既存住宅売買瑕疵担保保険とは!?加入条件や費用を解説

家売るレオさん

瑕疵担保責任って、売り主にとっては不利で、買い主にとってはものすごく有利ですね。

イエプロ

それだけ大きな責任を負うほどの取り引きですからね。

でも、売り主が一方的に重い責任を負うのは大変なので、万が一のときのために「保険」が用意されています。

瑕疵担保責任は、そもそも消費者を保護する意図があります。

したがって、住宅を売却する売り主にとっては、責任ばかりを負わされるとても不利なものになっています。

売り主としては、売買契約時には気づくことさえできなかった欠陥によって多額の賠償責任を負わされたり、最悪の場合は契約解除によって代金の全額返還という事態にも陥ったりするわけです。

たとえこれまでは自分自身が問題なく住んでいた住宅だとしても、さすがに他人に譲るとなるとそこまでを保証するのは怖いですよね。

そこで用意されているのが「既存住宅売買瑕疵担保保険」です。

【既存住宅売買瑕疵担保保険の適用範囲】既存住宅売買瑕疵担保保険の適用条件

既存住宅売買瑕疵担保保険は、次にあげる部分の瑕疵が発生した場合に適用されます。

  • 住宅の構造耐力上の主要な部分
  • 雨水の侵入を防止する部分など

住宅のどのような部位のことを指すのか、一覧表にしてみました。

構造耐力上の主要な部分 雨水の侵入を防止する部分
一戸建て住宅

(木造・在来軸組工法)

  • 屋根版
  • 小屋根
  • 斜材
  • 横架材
  • 床版
  • 土台
  • 基礎
  • 屋根
  • 外壁
  • 開口部
マンション等の共同住宅

(鉄筋コンクリート造・壁式工法)

  • 屋根版
  • 内外壁
  • 床版
  • 基礎
  • 基礎杭
  • 屋根
  • 外壁
  • 開口部
  • 排水管

これらの部位に瑕疵が生じた場合には既存住宅売買瑕疵担保保険の適用対象となり、修繕費用などが保険によってまかなわれます。

注意が必要なのは既存住宅売買瑕疵担保保険の適用範囲は「建物の物理的瑕疵」のみということです。

建物の瑕疵であっても、心理的瑕疵には適用されません。

また、対象は建物のみなので土地の瑕疵には適用されないので要注意です。

瑕疵担保責任免責でも保証される!

既存住宅売買瑕疵担保保険は、売り主を保護する性格が強い保険ですが、買い主の利益を守るためにもはたらきます。

万が一の事態が発生したときに、売り主に資力がないため修繕や賠償ができないとなれば、不利益を被るのは買い主だからです。

こういった「買い主保護」の性格も持ち合わせているため、既存住宅売買瑕疵担保保険は、売買契約において「引き渡し後、売り主は瑕疵担保責任を負わない」とする瑕疵担保責任免責の特約があったとしても、保証の対象となります。

既存住宅売買瑕疵担保保険の保証内容・保険料は?

既存住宅売買瑕疵担保保険が適用された場合は、どのような保証を受けることができるのでしょうか?

また、保証を受けるための保険料はどれくらいになるのでしょう?

一覧表にまとめましたのでご覧ください。

1年保証 5年保証
保証金額 500万円 1000万円 1000万円
一戸建て住宅

の保険料

100~125㎡未満 約4万円 約4万2000円 約6万5000円
125~150㎡未満 約4万5000円 約4万7000円 約7万7000円
マンション

の保険料

55~70㎡未満 約3万3000円 約3万4000円 約4万3000円
70~85㎡未満 約3万4000円 約3万5000円 約4万7000円

※画面を横スクロールできます

売り主が個人となる既存住宅売買瑕疵担保保険を提供しているのは、国土交通大臣の指定を受けた5つの法人のみです。

・株式会社あんしん保証
・住宅保証機構株式会社
・株式会社日本住宅保証検査機構
・株式会社ハウスジーメン
・ハウスプラス住宅保証株式会社

ここで紹介した保険料は、各社の平均的な金額です。

ご覧のように、同じ保証期間・保証金額であっても、マンションより一戸建て住宅のほうがやや高く設定されています。

床面積や対象となる部位の多さを考慮すれば当然ではありますが、一戸建て住宅の売却を検討している方は理解しておく必要があるでしょう。

既存住宅売買瑕疵担保保険への加入に必要な2つの条件

中古住宅の売却であればどんなケースでも保険加入できるというわけではありません。

既存住宅売買瑕疵担保保険への加入は、2つの条件が用意されています。

・新耐震基準に適合している、または耐震基準適合証明を受けている
・ホームインスペクションを受けている

まずは「新耐震基準に適合している」という条件です。

1981(昭和56)年6月1日以降に建築確認を受けている住宅は、基本的に新耐震基準に適合しています。

過去の大震災における新耐震基準と旧耐震基準の住宅の被害を比較すると、新耐震基準を満たしている住宅の耐震性能は非常に優れていることがわかります。

保険対象とするには、やはり大地震が起きても倒壊しない程度の耐震性能が求められるということです。

なお、旧耐震基準に基づいて建築された住宅でも、耐震診断によって新耐震基準と同等の耐震性を有していることが証明されて耐震基準適合証明書を受けていれば保証の対象となります。

もう一つの条件は「ホームインスペクションを受けている」ことです。

ホームインスペクションは「住宅診断」とも呼ばれます。

建築士または民間資格である「ホームインスペクター」の資格を有した専門家が、住宅の劣化や損傷などを目視中心で検査し、住宅の各部位について、ひび割れ・剥がれ・腐食などの有無を診断します。

ホームインスペクションは「住宅の健康診断」という位置づけだといわれています。

あなたが医療保険の加入を申し込む際に、健康診断の結果や医師の告知を得て加入を許されるのと同じです。

ホームインスペクションに合格することで「保証するに値する」という太鼓判をもらうということですね。

ホームインスペクションの所要時間は2~3時間程度で、料金は5~10万円が相場です。

費用を負担してホームインスペクションを実施するのは、基本的には売り主が中心となりますが買い主が実施しても問題はありません。

ただし、買い主の費用負担でホームインスペクションを受けて、万が一欠陥が見つかってしまうと、買い主が購入を辞退してしまうだけでなく、診断結果を口外されて「あの売り家は欠陥住宅だ」などという風評被害が発生するおそれがあります。

第三者の太鼓判をもらうという意味でも、売り主が積極的にホームインスペクションを受けるようにしましょう。

既存住宅売買瑕疵担保保険の保険料は売り主・買い主のどちらが負担する?

既存住宅売買瑕疵担保保険の保険料は、基本的には売り主が負担します。

万が一、住宅に瑕疵が発覚した場合に保証を受けて助かるのは売り主なのですから、売り主が負担するのが基本です。

若干の出費にはなりますが、加入の条件を考えれば「質の高い住宅だ」と第三者に認められているわけですから、売却においてもプラス材料になるでしょう。

また、売り主が既存住宅売買瑕疵担保保険への加入に消極的であれば、買い主が保険料を負担して加入することも可能です。

既存住宅売買瑕疵担保保険に加入していれば、売り主の瑕疵担保責任の期限が過ぎたり、そもそも売り主が瑕疵担保責任免責の特約を設けていたりしても、保険期間中は自費で修繕しなくてもよくなります。

中古住宅の売買における瑕疵担保責任の期限は短いので、より安心して暮らすことができるでしょう。

既存住宅売買瑕疵担保保険に加入していると節税になる!

家売るレオさん

瑕疵担保保険って、売り主にとってのメリットが大きいですよね。「安心して生活できる」ってこと以外で買い主にはメリットがないんですか?

イエプロ

買い主にとっては、既存住宅売買瑕疵担保保険に加入していることでいろいろな税金が節約できるんですよ。

既存住宅売買瑕疵担保保険に加入していれば、万が一の瑕疵が発生しても買い主は安心して生活することができます。

住宅の売り主としては「こんなにメリットがあるよ」とアピールできれば売却成約につながる重要なセールスポイントになるでしょう。

実は、買い主にはさらに「さまざまな減税措置を受けることができる」というメリットがあります。

ここでは、既存住宅売買瑕疵担保保険に加入していることで受けられる減税措置についてまとめてみました。

制度 主な条件 減税措置の内容
登録免許税の減税 ・木造は築20年、耐火建築物は築25年以内

・新耐震基準に適合

・既存住宅売買瑕疵担保保険に加入(加入後2年以内)

所有権移転登記において

土地…評価額の2%→1.5%

建物…評価額の2%→0.3%

不動産取得税の減税 ・自己の居住用の住宅

・1982(昭和57)年1月1日以降に新築

・新耐震基準に適合

・既存住宅売買瑕疵担保保険に加入(加入後2年以内)

100万から最大1200万円の控除
住宅ローン控除の適用 【中古住宅の場合】

・自己の居住用の住宅

・取得後6か月以内に居住

・木造は築20年、耐火建築物は築25年以内

・新耐震基準に適合

・既存住宅売買瑕疵担保保険に加入(加入後2年以内)

・返済期間10年以上の住宅ローンを利用

・10年間にわたって年末時点の住宅ローン残高の1%を控除

・1年で最大20万円、最大控除200万円

贈与税の住宅取得費等資金の非課税制度の適用 【中古住宅の場合】

・贈与を受けた翌年3月15日までに居住

・受贈者が住むための住宅

・床面積50㎡以上240㎡以下

・木造は築20年、耐火建築物は築25年以内

・新耐震基準に適合

・既存住宅売買瑕疵担保保険に加入(加入後2年以内)

住宅取得費としての贈与が300万円まで非課税

※画面を横スクロールできます

既存住宅売買瑕疵担保保険に加入していることで、買い主はこんなにもたくさんの減税措置を受けることができます。

これは住宅売却のセールストークに使えますよね。

詳しい税制の内容まで覚えておく必要はありませんが、買い主にとってメリットがあるということは、売り主にとっても売りやすい、高値売却の材料にしやすいというメリットがあることを覚えておきましょう。

「瑕疵担保責任とは?保証の期間や保険料などを徹底解説」のまとめ

家売るレオさん

随分詳しく勉強したけど、やっぱりちょっと難しい制度でしたね。

イエプロ

責任や権利の問題なので、理解しにくい部分も多いでしょう。でも、正しく理解しておけば売り主としては自信をもって住宅を売却できるし、万が一の事態にも慌てず対応できるはず。しっかり勉強しておきましょう。

中古住宅の売り主といえども、やはり経験がなければ理解が難しいのが瑕疵担保責任です。

ただし、制度のすべてを隅々まで理解しておく必要はありません。

中古住宅の売り主が絶対に抑えておくべきポイントは次のとおりです。

・売買契約時に、相当な注意を払っても発見できないほどの欠陥について売り主が責任を負う
・瑕疵の程度によっては、売買契約の解除や損害賠償の請求を受けることがある
・責任期間は「発見から1年以内」だが、売買契約書の特約で短縮または完全に免責ができる
・既存住宅売買瑕疵担保保険に加入することで、実質的な負担は回避できる
・既存住宅売買瑕疵担保保険に加入していることをアピールすれば、売却成約や高値売却にとってプラスの材料となる

瑕疵担保責任について間違いのない対応をとるためには、専門的な知識と豊富な経験が必須です。

あなたの大切な住宅を売却する際には、知識も経験も豊富で、なによりも信頼できる不動産会社をみつけて手厚いサポートをお願いしましょう。

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