マンション売却における持ち回り契約とは!?メリットデメリットとトラブルを回避する3つの方法

マンション売却における持ち回り契約とは!?メリットデメリットとトラブルを回避する3つの方法

マンション売却においては「持ち回り契約」と呼ばれる契約方法があります。

持ち回り契約とは、土地やマンションの売買を仲介する不動産会社が、売買契約書を「手持ちで回る」ことで、売り主と買い主が顔をあわせずに契約を取り交すこと。

かなりイレギュラーな対応のようですが、現実に持ち回り契約を活用する場面は多くあります。

いったい、どんな場面で持ち回り契約が必要になるのでしょうか?

仲介業者が売買契約書を手持ちで回るということは、自分の見ていないところで契約が締結するわけですから、トラブルが起きることはないのでしょうか?

土地やマンションの売却における「持ち回り契約」について詳しく解説していきましょう。

持ち回り契約とは!?持ち回り契約の流れ

家売るレオさん

「持ち回り契約」ってなんですか?

イエプロ

持ち回り契約とは、売り主と買い主が顔をあわせずに売買契約を結ぶことです。

家売るレオさん

どうすればそんなことができるんですか?

イエプロ

仲介の不動産会社が売買契約書を手持ちで回って、それぞれにサインと印鑑をもらうんですよ。

まずは「持ち回り契約」の意味や流れについて解説していきましょう。

持ち回り契約で主役となるのは、売り主と買い主とをつなぐ仲介の不動産会社です。

売主と買主がそろって契約を交わせない場合に持ち回って契約すること

通常、土地やマンションの売買契約を交わす際には、不動産会社の事務所に売り主・買い主・仲介の不動産会社の3者が集まります。

それぞれが一堂に会して、契約書に目をとおして記載事項をチェックし、問題がなければ署名・押印します。

署名とは手書きで氏名をサインすることですから、契約者本人がその場にいる必要があります。

押印の際には、実印・認印、どちらを使用しても特に問題はありませんが、契約の信用性を高める意味と、銀行への証明として売買契約書が必要になる場面もあることから、実印を使用するのが通例です。

実印を使用するなら、やはり目の前で押印して契約の信用性を担保したいところですよね。

売買契約書がもつ重要性を考えれば、やはり売り主と買い主、それに双方を仲介する立場の不動産会社は一堂に会して契約が完成するべきでしょう。

ところが、いろいろな事情があれば、売り主と買い主が揃って契約を交わすことが難しいケースもあります。

たとえば、こんなケースが考えられます。

・売り主が高齢で、介護施設に入所している
・売り主が遠方に住んでいて、契約のためだけに集まることができない
・いずれかの仕事が忙しかったり、長期出張などが重なったりしている
・売買契約までの経過で関係が悪くなっており、お互いに顔をあわせたくない

このほかにも、離婚に際して夫から妻にマンションを売却することになり、売り主が夫、買い主が妻として売買契約を結ぼうとしたが、それぞれが「会いたくない」と面会を拒んでいるという状況も考えられます。

それぞれの事情によって、売り主と買い主、それに不動産会社が一堂に会して売買契約書を完成させることができない場合には、不動産会社が「こちらにサインと印鑑を…」と持ち回るわけですね。

持ち回り契約の2つのパターン

マンション売却における持ち回り契約には2つのパターンがあります。

・パターン① まず売り主が署名・押印し、あとで買い主が署名・押印するパターン
・パターン② 先に買い主が署名・押印し、あとで売り主が署名・押印するパターン

順序の違いによって土地やマンションの売り主の手間が若干ですが変わってきます。

まず、パターン①を見ていきましょう。

持ち回り契約パターン①売り主 ⇒ 買い主の順に契約

売り主→買い主の順で持ち回り契約をするときは、次の流れで手続きを進めます。

・売買契約書に売り主が署名・押印して不動産会社に渡す
・不動産会社が買い主から署名・押印をもらう
・その場でまたは口座振込で買い主から手付金が支払われて、預かり証が交付される
・不動産会社が売り主に手付金を渡し、契約に合意した売り主は領収書を交付する
・預かった領収書を不動産会社が買い主に届ける

持ち回り契約パターン②買い主 ⇒ 売り主の順に契約

次にパターン②です。

・売買契約書に買い主が署名・押印して不動産会社に渡す
・同時に買い主が手付金を支払い、預かり証が交付される
・不動産会社が売り主に手付金を渡し、契約に合意した売り主は領収書を交付する
・預かった領収書を不動産会社が買い主に届ける

手順を見ていただければ分かるとおり、売り主が先に署名・押印するパターン①のほうが、売り主の手間が二重になってしまいます。

もし、土地やマンションを売却したい売り主であるあなた自身が遠方に住んでいる方だとすれば、売買契約書や領収証のやり取りのために契約の完成が遅れてしまうことに。

土地やマンションの売却で持ち回り契約になる場合の理想形は「買い主が先に署名・押印する」パターンになりますね。

持ち回り契約に潜むトラブル!持ち回り契約のメリットとデメリットとは!?

家売るレオさん

持ち回り契約って、聞いてみればわりと普通にあることですよね。

イエプロ

マンションやアパートの賃貸契約なら、借主が先に契約書に署名・押印して、あとから貸主が署名・押印する流れが一般的ですからね。でも、土地やマンションの売買となるとトラブルには用心しておく必要がありますよ。

土地やマンションの売却における持ち回り契約は、賃貸契約におけるそれとはまったく別のものです。

売り主としては大切な土地やマンションを譲るわけですし、買い主としては大金を支払うわけですから、契約そのものが持つ意味がはるかに重たいのです。

手軽さばかりに気を取られてしまい持ち回り契約のデメリットを無視していると、大きなトラブルに見舞われることにもなりかねません。

ここでは、持ち回り契約のメリット・デメリットに触れながら、持ち回り契約が引き起こすおそれがあるトラブルについて解説していきましょう。

【持ち回り契約のメリット】遠方・忙しくても契約できること

持ち回り契約のメリットは、なんといっても契約のために売り主・買い主・不動産会社が集まる必要がないことに尽きます。

売買契約書を仲介の不動産会社が手持ちで回って署名・押印するので、遠方に住んでいる人や仕事が忙しくて時間調整が難しい人でも都合よく契約締結の手続きを進めることができます。

「買い主と顔をあわせたくない」という人にとっても便利なので、都合重視の契約方法だといえるでしょう。

【持ち回り契約のデメリット】紛失・盗難・心変わりすること

都合に合わせて売買契約を結ぶ手続きを進めることができる持ち回り契約ですが、実は土地やマンションの売り主としては大きな不安を感じるデメリットも存在しています。

まず「売買契約書や手付金の紛失・盗難」です。

仲介の不動産会社が売り主と買い主の間を行き来するわけですから、その道中にトラブルが起きないとは限りません。

たとえば、大切な売買契約書をどこかで紛失してしまえば、署名・押印をやり直すことになります。

売買契約書を作成しなおして署名・押印すれば済む話ですが、大切な書類を紛失するような不動産会社に仲介をお任せすることに大きな不安を感じてしまうでしょうね。

また、持ち回り契約では、買い主からの手付金を現金で受け取った場合、不動産会社は現金を手持ちで売り主のもとまで届けることになります。

マンション売却の手付金は、おおむね売買価格の10%程度、高くて20%程度が相場です。

たとえば、マンション物件を3000万円で売却するのであれば、手付金は300〜600万円になります。

持ち回り契約では、買い主が売買契約書に署名・押印する際にあわせて手付金を支払いますが、もし現金で受け取った手付金を紛失したり、帰社の途中で盗難にでも遭ったりすれば大変です。

安全のために手付金を口座振込にするなどの対策をとっている不動産会社もあります。

しかし、マンションの売買契約は、売り主と買い主の相互が売買契約書を交わした瞬間を締結とするのではなく「手付金の支払い」をもって契約が締結されるという特徴があります。

そのため、口座振込で手付金を支払うと、手付金の支払いと売買契約の成立のタイミングにズレが生じてしまいます。

この点は、売買取引を進めるにあたって不安を感じるでしょうね。

また、売買契約書を持ち回っている間に「どちらかが心変わりしてしまうかもしれない」というデメリットもあります。

「どちらかが心変わりする」ことは、トラブルの原因になります。

持ち回り契約では、その日のうちに売り主・買い主の両方に署名・押印をもらうことができるケースはほとんどありません。

「持ち回り」といっても、つねに仲介の不動産会社が手持ちで回るわけではなく、特に遠方のやり取りになると売買契約書の行き来は郵送で、手付金の支払いは口座振込で、というケースもあるのです。

すると、売り主が売買契約書に署名・押印して買い主の手に渡るまでに、買い主のほうが「やっぱり購入をやめたい」と心変わりしてしまうだけの時間の余裕が生まれてしまうのです。

その反対のパターンもありえます。

たとえば買い主が売買契約書に署名・押印をして手付金を不動産会社に預けたとしても、これが売り主の手に渡る前に「やっぱり売るのはやめたい」と心変わりしてしまうケースもあります。

もし売り主が心変わりをしてしまった場合は、買い主が売買契約書に署名・押印して不動産会社に手付金を預けたとしても、手付金が売り主の手に渡っていないので売買契約は完成していないことになります。

通常、土地やマンションの売買で契約が完成してしまったうえで売り主都合でキャンセルする場合、売り主は、買い主に手付金を返したうえでさらに手付金と同額を支払うことになります。

これを「手付金の倍返し」といいます。

買い主の立場にしてみれば、売買契約書の署名・押印と手付金の支払いを済ませているのに、売り主の手元に届いていないというだけで「手付金の倍返し」の対象ではなくなるのです。

持ち回り契約でトラブルを回避するためには?

家売るレオさん

便利なようで意外なトラブルに発展するおそれもあるんですね。

イエプロ

トラブル回避のキーマンになるのは、やはり仲介の不動産会社です。誠実で丁寧、かつ対応が素早い不動産会社にお任せしたいですね。

売り主・買い主の都合にあわせて土地やマンションの売買契約をすすめることができる持ち回り契約ですが、トラブルの発生が心配になります。

手付金の取扱いや契約合意の運びなど、大切な土地やマンションを売却する身としては万が一のトラブルも未然に回避したいですよね。

ここでは、持ち回り契約におけるトラブルの回避法について解説しましょう。

トラブル回避法①売買契約書を長く手元に置かない!

本当に基本的なことですが、手元に届いた売買契約書を長く手元に置かないように気を付けましょう。

「売買契約書の内容をしっかりチェックしたい」と思うのは当然ですが、内容のチェックに何日もかかっていると、買い主が心変わりしてしまう余裕を与えてしまいます。

すでに売買契約書の草案をもらっているのであれば正本に間違いがないかをチェックする程度にとどめておいて、速やかに署名・押印して不動産会社に渡しましょう。

特に、売り主が遠方に住んでいて、売買契約書の行き来が郵送になる場合などでは、売り主が署名・押印した日から買い主の手元に渡るまでに3〜4日以上かかることも珍しくありません。

手元に届いた売買契約書は、速やかに署名・押印して不動産会社に渡す心がけが重要です。

トラブル回避法②「買い主が先に署名・押印」の流れにする

土地やマンションを売却したいと考えている方にとって手間が少ないのは「買い主が先に署名・押印する」というパターンです。

買い主が先行するパターンでは、売買契約までに売り主が踏むステップは一度きりになります。

売り主としては、手元に届いた売買契約書に署名・押印して手付金を受け取れば契約完成となるので、買い主の気が変わったというトラブルが起きにくくなります。

トラブル回避法③信用できる不動産会社にお任せする

マンション売却の持ち回り契約でキーマンとなるのは仲介の不動産会社です。

持ち回り契約では、買い主が支払った手付金を不動産会社が預かって売り主に届けることになります。

売買価格の一部とはいえ、数百万円単位の大金の移動を任せるわけですから、信用第一の不動産会社であることは絶対条件ですね。

また、持ち回り契約では、売り主と買い主が同席しないのをいいことに、不動産会社がズルをするおそれがあります。

たとえば、売り主としては絶対に説明しておくべきだと考えていた欠陥があったとします。

不動産会社に相談したところ「そこまでは説明しなくてもいいですよ」といわれたとしても、やはり瑕疵はしっかり説明しておくべきだと考えていたとしましょう。

ところが、持ち回り契約になると、不動産会社が買い主に対してしっかりと重要事項説明を果たしてくれるかは定かではありません。

もし不動産会社が重要事項説明を怠ったり、意図的に瑕疵を隠して販売した場合には、後々になって買い主から修繕や契約解除を求められるおそれがあります。

本来、重要事項説明を怠れば不動産会社が責任を負いますが、そんな不動産会社であれば、万が一のトラブルが発生したときに責任を負ってくるという安心感はありませんよね。

不動産会社に「うるさい売り主だ」と思われると、不動産会社のほうから持ち回り契約を切り出すことがあります。

持ち回り契約を進めるには、売り主・買い主の双方の合意が前提条件ですから、不動産会社のほうから持ち回り契約をすすめてくる場合は警戒しておきましょう。

場合によっては「ちゃんと契約の場を設けましょう」と基本的な流れを推し進めるくらいの気構えを持っておくことが大切です。

信用できる不動産会社を探すなら不動産の一括査定サイトが便利

持ち回り契約でトラブルを回避するには不動産会社の信用が第一。

大切な土地やマンションの売却をお任せできる不動産会社を選ぶには、一括査定サイトを利用すると良いでしょう。

不動産の一括査定サイトでは、お手持ちの土地やマンションの築年数やエリアなどのカンタンな情報をフォームで送信するだけで簡易的な査定結果をもらうことができます。

複数の優良な不動産会社から査定結果をもらえば、あとは土地やマンションを高値で販売してくれそうな不動産会社をいくつかピックアップして実際に物件をみてもらい、詳しい査定結果をもらいます。

査定のなかで、仕事が忙しくて内覧対応ができないことや、遠方に住んでいるので売買契約は同席できないかもしれないことを伝えておきましょう。

売り主に対する誠実なサービスが徹底されている不動産会社なら、持ち回り契約のことを詳しく教えてくれるはずです。

持ち回り契約で土地やマンションの売却を失敗したくなければ、ぜひ不動産の一括査定サイトを活用しましょう。

土地やマンションの売却における持ち回り契約とは!?メリットデメリットとトラブルを回避する3つの方法のまとめ

家売るレオさん

持ち回り系は「便利なようでトラブルが起こりやすい」という印象ですね。できるだけ利用しないほうが良いですか?

イエプロ

そうですね。でも、実家の相続などで遠方の土地やマンションを売却したいというケースも増えています。実際には持ち回り契約に頼らざるをえない場面もあるので、トラブル回避法は知っておくべきですね。

売り主・買い主・不動産会社の3者が集まるのが当然の土地やマンションの売却において、持ち回り契約はイレギュラーな契約形態だといえます。

しかし、遠方の実家の処分や地方在住の人が都心に投資物件として土地やマンションを所有しているようなケースでは、持ち回り契約を利用しないとスムーズに売買契約が結べない場面も少なくありません。

土地やマンションの売却で持ち回り契約を利用する際は、まずは信用できる不動産会社にお任せすることに重点を「買い主先行で」という手順を優先させましょう。

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