リロケーションとは!?リロケーションを利用した場合の家賃収入と定期借家契約との違い

リロケーションとは!?リロケーションを利用した場合の家賃収入と定期借家契約との違い

不動産業界の中にはたくさんの専門用語がありますが、割と新しいものの一つとして挙げられるのが『リロケーション』です。

リロケーションという用語を初めて耳にした方でも『リ=Re』がついている時点で、なんらかの『再』が関係するような語感ですよね。

リロケーションとは、カンタンにいえば住宅やマンションを貸すことです。

これだけの説明では「それって『賃貸』でしょ?なにがめずらしいの?」と疑問を感じるでしょうね。

でも、リロケーションはただの賃貸ではありません。

特に、転勤や長期の海外赴任などで留守にするけど、いずれはマイホームに戻ってくる予定という方なら理想的な活用法となるでしょう。

リロケーションとは?

家売るレオさん

『リロケーション』ってなんですか?

イエプロ

カンタンにいえば「期間を定めて住宅を賃貸すること」ですよ。

リロケーションとは

リロケーションとは英語では “relocation” というつづりで、日本語に訳すと「移転・移住・配置転換」という意味になります。

辞書で調べるとちょっとお堅いイメージになりますが、ネイティブスピーカーの間では『転勤』や『転職』といった、仕事環境が変わることを指して使われています。

このあたりが、物理的なお引越しを指す “move(ムーブ)“と区別されているようです。

このrelocationが不動産とどんな関わりがあるのか?

それは「転勤などで移住している間、住宅をどうするのか?」という問題に集約されます。

  • 地方への転勤が決まったけど、有期5年の約束になっているので5年後には本社に帰ってくる
  • 3年間の限定で海外赴任が決まった

こんなケースでは、これまで住んでいたマイホームを手放してしまうと、いざ転勤や海外赴任の期間が満了して戻ってくるときに一から住まい探しを始めることになります。

住宅ローンの返済が残っていれば、売却にも躊躇するでしょう。

かといって、ただほったらかしておくのももったいないし、誰も住まない状態で何年も放置しておくと定期的に掃除や換気に行くなどの管理も大変です。

そこで登場するのがリロケーションなのです。

リロケーションとは「期限を決めて賃貸する」こと

リロケーションとは、住宅を誰かに貸して家賃収入を得ることをいいます。

それはつまり『賃貸』ということになりますが、ただの賃貸ではありません。

アパートやマンションなどを借りたことがある方ならお分かりですが、賃貸物件を借りる手続きをしていると必ず『〇年契約』と『更新』についての説明を受けますよね。

そして、ほとんどの場合が、契約期間が満了した場合は退去の意向がない限り自動で契約が更新される方式になっているでしょう。

つまり、賃貸物件を借りた人は、家賃の未納や契約上の重大な違反などがない限り、賃料さえ支払えば無期限でそこに住み続けることができるわけです。

賃貸契約では、家賃を支払ってそこに住む『賃借人』の立場のほうが強く保護されています。

だから、貸主であるオーナーは「気に入らないから出ていけ」とか「こちらの都合があるので退去して欲しい」という要望を突き通すことはできません。

そうなると、期限付きでマイホームを離れた人にとっては「いざ、帰ってきたときに住む家がない」という事態になるため、賃貸物件として運用することは不可能でした。

この問題を解決したのが「期限を決めて賃貸する」という方法です。

2000年に制定された『良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法』によって、従来の借地借家法における定期・建物賃貸借制度が改変されて『定期借家契約』という契約形態が誕生しました。

リロケーションとは、法の制度などに照らせばこの『定期借家契約』のことを指しているのです。

定期借家契約とは?

住宅の賃貸契約には、2つの種類があります。

・一般借家契約
・定期借家契約

一般借家契約とは、みなさんがアパートやマンションを借りるときに特段の規制や約束などもなく契約する、ごく一般的な賃貸契約の形態を指します。

一般借家契約では、借り主が「契約を更新する」という意向を示せば、貸し主に拒否する権限はありません。

また、貸し主の都合で退去を求めるのであれば、事前にその旨を通知して、さらに立ち退き費用を支払うことにもなります。

一般借家契約は、家賃さえしっかりと支払っていれば借り主が非常に優位な契約なのです。

一方の定期借家契約では、まず「〇年間契約」の定めが遵守され、更新という考え方が存在しません。

この点が定期借家契約の大きな特徴です。

このほか、定期借家契約の特徴を挙げてみましょう。

・「この契約は更新せず、期間の満了で終了する」という説明を賃貸借契約書とは別の書面で説明する
・1年以上の契約で貸し主都合で契約を解除する場合は、1年~6か月前までに通知が必要
・居住用で床面積200㎡未満の場合、借り主は1か月前に申し出ることで中途解約が可能
・「中途解約は2か月前から」などの借り主に不利な条件は無効

契約面での規制は、一般借家契約とかなりことなっているといえるでしょう。

貸し主にとってのメリット

定期借家契約は、基本的には「貸し主優位」の契約形態です。

まず、貸し主にとっては「契約が必ず終了して、住宅が手元に返ってくる」という点が大きなメリットです。

期限付きの契約であり、契約の更新がないため「転勤や海外赴任が終われば戻ってくる」という予定が明確であれば、その期間中は賃貸物件として住宅を有効利用することができます。

また、期間限定で賃貸することは、実際に住宅を賃貸物件として運用した場合の家賃水準を把握することにもつながります。

さらに、契約期間が満了すれば必ず借り主は退去することになるので、トラブルが多い住人だったとしても契約満了を理由に退去を求めることができます。

借り主にとってのメリット

借り主としてのメリットを知ることは、貸し主としてもどのような賃貸経営を展開するのかと営業戦略を立てるためにも重要なことです。

借り主としてのメリットも十分に把握しておきましょう。

定期借家契約の借り主としての最大のメリットは「家賃が安くなること」です。

定期借家契約の場合、期限付きの契約となるため周辺の家賃相場よりも家賃を安く設定することになります。

リロケーション物件の家賃は、契約期間の長さによっておおむね次の程度に値下げされます。

・2年契約…相場から20~30%値下げ
・3年契約…相場から15~25%値下げ
・4年契約…相場から10~20%値下げ

リロケーションでは1年未満の契約も可能であるため、その場合はさらに値引きをすることになるでしょう。

貸し主としてはデメリットとして働く面ではありますが、同じように別の地域から期限付きで移住してくる人やマイホームの建て替えで仮住まいを探している人など、一定のニーズは確保されているので、借り主探しに手間取ることはないでしょう。

人気のエリアであれば「お試し生活」ができることもメリットのひとつです。

マイホームとして住宅を購入しようとしている人にとっては、本当にそのエリアに住んでも不便はないかなどのチェックをしたいところです。

定期借家契約の住宅に住めば、実際にそのエリアに住むと通勤や生活などの便利を実体験することができます。

その間にマイホーム購入の計画を推し進めればいいので、借り主としても定期借家契約は願ったりの形態ですね。

リロケーション=定期借家契約ではない?

家売るレオさん

定期借家契約のことは理解できたんですけど、つまりリロケーションって定期借家契約のことを指すんですか?

イエプロ

契約面でみれば定期借家契約のことで間違いありませんが、リロケーション=定期借家契約というわけではありませんよ。

ここまでは定期借家契約について説明しましたが、では「リロケーション=定期借家契約」なのかというと、それは正解ではありません。

定期借家契約は不動産の賃貸契約の一形態であって、リロケーションというサービスとは根本的な違いがあります。

ここでは、リロケーションについて詳しく解説していきましょう。

『大家さん』は忙しい!

賃貸物件のオーナー、つまり『大家さん』の仕事は、みなさんが想像しているよりもずっと忙しくて大変です。

入居者探しの窓口は不動産会社にお任せすることになりますが、日ごろの管理や入退去に伴うメンテナンス、家賃の回収や諸々の手続きなど、住宅を黙ってほったらかしにしていればお金が入ってくるというわけではないのです。

それまでに不動産の賃貸経営を経験したことがない人にとって、急にマイホームを賃貸物件として運用し始めるのは難しいでしょうね。

特に、遠方への転勤や海外への赴任などになると、大家さんとしての業務をこなすのはさらに大変になります。

契約のための書類を交わすだけでも郵送対応で時間がかかるし、実際に物件を見てみないと判断できないような不具合に対応するためには時間と労力を費やすことになるでしょう。

リロケーションとは仲介・管理のすべてを委託できるサービス

転勤や海外赴任などで住宅を定期借家契約によって賃貸する場合には、意外と忙しい大家さんとしての仕事を「誰かにすべてお任せしたい」と考えるのが当然です。

そこで登場したのが『リロケーション』というサービスです。

リロケーションとは、定期借家契約によって賃貸する住宅について、仲介や管理を一括で業者に委託できるサービスのことを呼びます。

通常、不動産会社を介して住宅を賃貸するのであれば、不動産会社の役割は「貸し主と借り主とをつなぐ」という『仲介』業務を担う立場になります。

契約のサポートや借り主からの第一の窓口としては不動産会社がサポートをしてくれますが、物件の管理は基本的に貸し主が負うことにかわりがありません。

リロケーションサービスを提供している業者によって内容は異なりますが、次のような業務をすべてお任せすることが可能です。

・入居者の募集
・家賃の回収
・入居者からのクレームなどのトラブル対応
・不具合が発生した場合の修繕などの対応
・契約終了時の明け渡し手続きの対応
・納税の代行
・郵便物の転送
・不用品の買取り
・引っ越し業者の手配

通常の仲介業務と比べると、かなり幅広い業務をお任せできることがわかるでしょう。

リロケーションサービスを提供している業者は、リロケーションの専門業者、大手・中堅の不動産会社などさまざまです。

現在ではリロケーションの需要も増しているので、全国展開しているリロケーション業者も増えてきました。

リロケーションを利用した場合の家賃収入は?

幅広い業務をお任せできるリロケーションですが、ではリロケーションを利用した場合はどれくらいの家賃収入を得ることができるのでしょうか?

基本的に賃貸経営をして貸し主が得られる収入は「借り主が支払った家賃-(管理費+税金)」になります。

家賃の金額=収入額ではランニングコストを無視することになるため、賃貸物件として経営することはできないのです。

また、リロケーションでは委託先に支払う管理費もコストとして計算する必要があります。

リロケーションサービスを利用するには、賃料に対する割合で委託費を支払うことになります。

リロケーションサービスを利用する際にかかる費用についてまとめてみました。

費用の名目 費用の相場
契約前に

かかる費用

管理委託の申し込み料 1万円程度
契約の事務手数料 賃料の1か月分
広告用写真の撮影料 3万円程度
入居者が決まった際の成約料 賃料の1か月分
毎月かかる費用 管理委託の手数料 賃料の5~15%程度
修繕費用 発生箇所や程度による
毎年かかる費用 管理委託の契約更新料 賃料の0.5か月分
契約終了時に

かかる費用

メンテナンス・ハウスクリーニング費用 一戸建て15万円程度

マンション10万円程度

ただでさえ毎月の賃料は相場よりも安く設定することになるのですから、これだけの費用がかかると貸し主の収入はかなり目減りすることは間違いありません。

特に気になるのは、やはり毎月の管理委託手数料ではないでしょうか。

相場では「賃料の5~15%」となっていますが、同じ家賃でどれくらいの差が生じるのかを比較してみましょう。

管理委託費が5% 管理委託費が15% 差額
借り主が支払う家賃 15万円 15万円
月々の管理委託費 7500円 2万2500円 1万5000円
月々の収入額 14万2500円 12万7500円 1万5000円
年間の収入額 171万円 153万円 18万円

管理委託の手数料の違いだけで、年間18万円も収入額に差があれば、できるだけ安い手数料でお任せできるリロケーション業者を選びたくなるでしょう。

ただし、管理委託費に差があるということは、サービス内容にも差があると考えて間違いありません。

最低水準の管理委託費では行き届いたサービスを受けられる期待は薄く、貸し主としてできるだけのことは手を尽くすというスタンスでないと管理が手薄になってしまいます。

高い管理委託費でお願いすれば、収入こそ減るもののサービス内容は手厚いものになり、お任せできる範囲も広くなります。

転勤や海外赴任などの間、住宅をただ遊ばせておくのももったいないという考えでリロケーションを利用するのであれば、高い委託管理料を支払ってでも手厚い管理をお願いして、自分が戻ってきたときに万端の状態で入居できるように準備しておくのも良いでしょう。

リロケーション業者の探し方

家売るレオさん

リロケーションは投資用の賃貸経営とはまったく別の考え方を持つ必要がありますね。

イエプロ

利用の原点が「賃貸で収入を得て儲けよう」ではなく「遊ばせておくくらいなら賃貸しよう」ですからね。

ここまでの解説で、リロケーションがどのようなものなのかはひととおり理解できたでしょう。

では、実際にリロケーションサービスを利用したいと考えた場合は、どのようにして業者を探せばよいのでしょうか?

リロケーション専門業者を探す

リロケーションサービスを利用するのに一番手っ取り早いのは、リロケーションの専門業者を探すことです。

リロケーションの専門業者では、さすが専門業者というだけあってサービス内容が手厚いという点が魅力。

さらに、管理委託を受けるという形態ではなく、リロケーション業者自身がオーナーから一括借り上げすることで空き室リスクを大幅に軽減してくれるという魅力的なサービスを提供している業者もいます。

在宅管理のサービス面を充実させている業者も多いので、貸し主としての安心面を優先させるなら専門業者にお任せすると良いでしょう。

大手・中堅の不動産会社にお任せする

大手から中堅の不動産会社では、売却につながる活動としてリロケーションサービスを提供している場合があります。

たとえば、売買仲介実績のランキングでは必ず上位になる『三井のリハウス』では、売買・賃貸において構築した強力なネットワークを活かしてリロケーションサービスを提供しています。

母体が強靭であるため管理委託の手数料も7%とお安めに設定されているのが嬉しいですね。

ほかにも三井不動産レジデンシャルサービス、東急住宅リース、大京穴吹不動産、近鉄住宅管理など大手不動産会社や関連会社がリロケーションサービスを提供しているので、資産活用のアドバイスを受ける良い機会にもなるでしょう。

一括査定サイトでリロケーション業者を探す

住宅を高く売却するのに有効な『一括査定サイト』ですが、実はリロケーション業者を探したいときにも便利に活用することができるって知っていましたか?

三井不動産リアルティ・野村不動産グループ・住友不動産販売などの大手不動産会社に一括で査定をお願いできる一括査定サイトは、住宅の売却査定と並行して「実はリロケーションしたいんだけど…」という要望にも誠実に対応してくれます。

一括査定サイトに登録している不動産会社はまさにプロ中のプロで、その中でもエース級の力を持っているので、関連グループ会社のサービスにつなげたり、リロケーションのメリット・デメリットなどを踏まえて詳しくアドバイスをしてもらえたりするでしょう。

もちろん、高値売却という道がオーナーのためになるという場合は、転勤や海外赴任が解除されたときを前提に売却後の方策をトータルサポートしてくれます。

リロケーションを希望している方でも、一括査定サイトを上手に活用してみましょう。

リロケーションとは?定期借家契約との違いや業者探しのコツを解説のまとめ

家売るレオさん

これから転勤や海外赴任が控えているという方なら、売却や通常の賃貸だけでなくリロケーションを検討してみるといいですね。

イエプロ

リロケーションはこれからも需要が伸びてくる分野ですから、マイホームを上手に活用しながら安心して栄転先でのお仕事に専念しましょう。あなたのマイホームがお帰りを待っていますよ。

まだまだ一般的には定着していないリロケーションですが、転勤や海外赴任などによってマイホームを売却するのが惜しいという方や、解除後の生活をぜひ今のマイホームで送りたいという方にとっては理想的なサービスです。

通常の賃貸経営よりは収入額が減りますが、その分の手間や労力を省くことができるので、安心して転勤・海外赴任のお仕事に専念できるのではないでしょうか?

転勤や海外赴任を機に住宅を売却する方も多いのは事実ですが「マイホームを手放したくない」というこだわりがある方なら、ぜひリロケーションについても検討してみましょう。

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