ロックウールとアスベストの違いを徹底比較!ロックウールの解体・除去工事の内容

ロックウールとアスベストの違いを徹底比較!ロックウールの解体・除去工事の内容

内壁を貼り付ける前の住宅建築の現場では「ロックウール」と書かれたクッション材を見かけることがあります。

一見するとどうやら断熱材として使用されていることは予想されますが、これがマイホームの新築現場を視察した時であれば、ふと不安がよぎるでしょう。

「これって、名前が違うだけでアスベストじゃないの?」

たしかに、アスベストはその特性から住宅の断熱材としても使用されてきたという歴史があることだし、建築中のマイホームにアスベストが使用されていれば健康被害も気になるところです。

ここでは、みなさんの身体の健康に甚大な被害を与えるアスベストと、もしかしてこれもアスベストの一種なの?と疑いたくなる「ロックウール」の違いについて解説します。

ロックウール…「石」の「綿」じゃないの?

住宅だけでなく、ビルの新築現場などでも見かけることがある「ロックウール」。

ビルの機械室などに入ると、打ちっ放しのコンクリート壁にビニール袋に詰め込まれた「なんだか断熱材っぽいもの」を見かけることがあるでしょう。

よく見ると、どうもその断熱材のようなものには「ロックウール」と書いてあります。

ロック・ウール…

どうも英語を日本語に訳すると「石」の「綿」になるような気がして止みませんよね。

では、問題となる「綿」について英訳してみましょう。

綿=cotton(コットン)

続いて「ウール」を和訳してみましょう。

wool(ウール)=羊毛

どうやらロックウールは日本語に直訳すると「石でできた羊毛」という意味になるようですね。

アスベスト=石綿とは違うもののようですが、果たして別モノなのでしょうか?

ロックウールとアスベストは全くの別モノ!原料や成分の違いを比較

ロックウールとは、別名で「岩綿(がんめん)」とも呼ばれます。

このように説明すると「アスベスト=石綿」と非常によく似たニュアンスを持っているように感じますよね。

ところが、ロックウールとアスベストは全くの別モノです。

まずはみなさんの身体にじん肺・肺がん・悪性中皮腫などの甚大な健康被害を及ぼすおそれがあるアスベストの原料・成分を見てみましょう。

アスベストの原料・成分

蛇紋石系

  • クリソタイル(温石綿・白石綿)

角閃石系

  • クロシドライト(青石綿)
  • アモサイト(茶石綿)
  • アンソフィライト(直閃石綿)
  • トレモライト(透角閃石綿)
  • アクチノライト(陽起石綿)
アスベスト除去のプロ
アスベストの中でも角閃石系のクロシドライトは針状に尖っていて最も毒性が強いと言われている危険度が高い物質です。

ロックウールの原料・成分

では、次にロックウールの原料・成分も見てみましょう。

  • 玄武岩または鉄炉スラグに石灰などを混合する
  • 主成分…二酸化ケイ素・酸化カルシウム

原料や成分を比べてみると一発でわかりますね。

ロックウールとアスベストは、たしかに全くの別モノです。

たとえば、サラダなどに入っている「春雨」と、野菜や肉と一緒に炒めると美味しい「ビーフン」は、見た目にはそっくりですよね。

でも、春雨は緑豆・じゃがいも・さつまいもなどのでん粉が、ビーフンはうるち米やコーンスターチが原料になっている全くの別モノです。

見た目に似ているだけで同じもののように混同してはいけません。

アスベスト除去のプロ

関係のないたとえになりましたが、原料・成分の違いは「物質としての違い」の根拠ですからね。

ロックウール=アスベストという認識が絶対的に間違いであるという根拠になるでしょう。

ロックウールとアスベストの「太さ」の違いは歴然!

なぜアスベストが人体に悪影響を与えるのか?

それはアスベストの繊維があまりにも微細であることが関係しています。

呼吸とともに人体に侵入した超微細なアスベストの繊維が肺にたまり、肺を「線維化」させます。

線維化とは、一般的には「硬化」と同じ意味で、硬くなった肺は膨張・萎縮の機能が衰えてきます。

肺は風船のように膨張・萎縮を繰り返すことで「スー・ハー」という呼吸を可能とするわけですから、肺の線維化が進んでしまうと呼吸機能が弱まってしまうのです。

アスベストの繊維1本の太さは、直径0.02〜0.35μm程度。

1μmは0.001mm、つまり1mmの1,000分の1になるので、数字だけでもアスベストの繊維がいかに微細であるのかがわかるでしょう。

アスベスト除去のプロ

アスベストの繊維1本の太さは、人間の髪の毛の太さの5,000分の1程度だと言われています。

驚くべき細さですよね。

続いてロックウールの太さですが、こちらは繊維1本の太さが直径3〜10μm。

アスベストと比較すると、約30〜150倍の太さがあります。

それでも肉眼で見ようとすれば非常に細い物質ではありますが、微細な細菌類などをさまざまな機能によってキャッチしようとする人体にかかれば、肺への大量侵入を容易に許す太さではありません。

ちなみに、冬場になると全国的に猛威を振るうインフルエンザですが、インフルエンザを引き起こすウイルスの大きさは空気中に漂っている状態で0.1μm、咳やくしゃみによって排出され水分に囲まれた状態であれば5μm程度だと言われています。

そう考えると、やはりロックウールの繊維は「微細ではあるが「太い」といえる部類に入る」と考えても良いでしょう。

ロックウールは「人工」でアスベストは「天然」

ロックウールとアスベストは、製造法も異なります。

まずアスベストは「無機繊維状鉱物」の総称で、つまるところの「天然」です。

自然界に存在する状態では鉱物の形状を保っていますが、これを割って繊維が長いものを擦り合わせてさらに太い繊維に紡績して使用していました。

ところが、ロックウールは玄武岩や鉄炉スラグに石灰などを混ぜて原料にしています。

鉄炉スラグとは、製鉄の過程で生じたカスのようなもので、製鉄所にしてみれば単なる産業廃棄物でしかありません。

これを有効活用しようと試行錯誤が重ねられた結果、ロックウールの原料として使用できることが判明したのです。

ロックウールの原料を電気炉で1,500〜1,600℃にまで熱したうえで、高速回転するスピナーの上に垂らすと、溶けた原料は遠心力によって繊維状になります。

ロックウールは、天然または人工の廃棄物を原料に、さらに加工を加えることで製造される「人工鉱物」なのです。

アスベスト除去のプロ

ロックウールの製造法をイメージするのにわかりやすいのが、みなさんがお祭りの屋台でみかけることが多い「わたあめ」です。

ロックウールとわたあめは、同じ原理で製造されています。

ロックウールの用途は?活躍の場は建材だけではない!

実用化された当時は「奇跡の鉱物」などと重宝されたアスベストは、主に建材として使用されてきたことで有名ですが、実に広く一般の生活の中に根付いていました。

誰もが経験してきた小学校の理科の実験で使用した「石綿付き金網」や、今となってはむしろ風流なアイテムとなっている「七輪」などもアスベストが利用されていましたよね。

ロックウールは禁止されたアスベストの代替品として広く普及したため、やはりアスベストのように広く利用されています。

ロックウールの活用例を見てみましょう。

  • 住宅の断熱材
  • ビルの壁材や不燃吸音材
  • 稲や野菜などの水耕栽培用の培養土

ロックウールも、やはりアスベストと同じく建材として活用されています。

アスベストと同様に高い断熱性を持つロックウールは、マット状にしたものを貼り付けたり、巻き付けたりすることで住宅用の断熱材として使用されています。

また、ビルなどでは同じくマット状のもののほか、安全性が高い吹き付け材としても使用されています。

まさに「ポスト・アスベスト」と呼ぶに相応わしい活用法でしょう。

注目したいのは農業にも活用されている点です。

ロックウールは、水耕栽培の育苗や植物の培養土代わりとして活用されています。

重たい土の苗床に代えて、軽量で水の含みも良いロックウールは、農業従事者の作業負担を軽くするほか、土を導入するのが難しい場所での栽培を実現しています。

たとえば、ビルの屋上を緑地化する際には、土を運び込む手間を省いたり屋上の重量を軽くしたりするためにロックウールが採用されているのです。

アスベスト除去のプロ

なんとロックウールは2013年に宇宙ステーションにおいて、宇宙におけるアズキ栽培の実験の培地としても使用されました。

いまや、ロックウールは「宇宙でも通用する素材」として認められているのです。

気になるのは安全性…ロックウールは安全なのか?

ロックウールは非常に危険なアスベストの代替品として普及しています。

すると「ロックウールは安全だ」というお題目のもとに普及していることになりますが、果たしてロックウールは本当に安全なのでしょうか?

ロックウールは発がん性なし!しかし「発がん性あり」との意見も…

国際がん研究機関(IARC)は、さまざまな物質の発がん性について検証をかさね、その危険度を分類・発表しています。

IARCによる発がん性の分類は、次のように決められています。

  • グループ1 …人に対する発がん性がある
  • グループ2A…人に対しておそらく発がん性がある
  • グループ2B…人に対して発がん性がある可能性がある
  • グループ3 …人に対する発がん性について分類できない
  • グループ4 …人に対する発がん性がない

ロックウールは、このグループ1〜4のうちの「グループ3」に分類されています。

グループ3とは、人に対する発がん性について不十分な証拠しかなく、さらに動物実験においても不十分または限られた証拠しかないものが該当します。

同じグループ3に属するものを例に挙げると、カフェイン・お茶・コーヒーなどがあるくらいですから、たとえ口にしたところで危険性は非常に低いと考えても良いでしょう。

1段階上のグループ2Bには排気ガス、大工作業、ドライクリーニング作業、印刷作業のほか、なんと漬物までもが分類されているくらいですから、分類状は「漬物よりも安全」だといえます。

一方で、世界の中にはロックウールの発がん性を指摘している国もあります。

まずEUでの基準やドイツにおいては「発がん性の可能性あり」と分類しています。

IARCの分類に照らせば、1段階上のグループ2Bと同じ位置付けです。

IARCの分類を信頼している日本やアメリカにおいては発がん性が認められないロックウールも、ヨーロッパ圏内では「発がん性の可能性あり」と評価されているようです。

長期ばく露で健康被害が生じるも?

ロックウールは、人体への悪影響が少なく、発がん性も確認されていない比較的に安全なものであると評価されています。

しかし、いくらアスベストと比べると約30〜150倍の太さがあるといっても、ロックウールの繊維はウイルス並みの微細さを持っています。

国際化学物質安全計画(IPCS)が作成した基準によると、ロックウールは「長期的または反復的にばく露した場合、人体に発がん性を示す可能性がある」と指摘されています。

かつて、有害であることを知らずに十分なばく露対策もないままアスベストを使用していた時代のように、なんらの配慮や対策もなくロックウールを加工・使用することは、人体に悪影響を及ぼす可能性があるといえるでしょう。

現在の日本の基準では、アスベストに限らず粉じんが発生する作業においては十分な対策をとるように法整備されています。

住宅での使用にみれば、強固なビニールに包んだ状態で製品化するなど、繊維の飛散に対する対策がしっかりと取られているため、上手に使用すればアスベストのように法律で製造・加工・使用が一切禁止される危険物質に指定ことはないはずです。

アスベスト除去のプロ

アスベストの発がん性は「成分」ではなく「繊維の微細さ」が問題でした。

ロックウールも同じで、繊維が微細であるため長期・反復的なばく露は人体に悪影響を及ぼす危険があります。

 

「アスベスト含有のロックウール」が存在する?!

ロックウールとアスベストは全くの別モノですから、ロックウールを見て「危険だ」と恐れおののく必要はありません。

ただし、古い建物で使用されているロックウールの中には、アスベストが含有しているものがあることには注意が必要です。

吹き付けのロックウールでは1980年以前、一部のカラー製品では1989年以前のもの。

ビルの防音壁として普及していたロックウール吸音板では1988年以前に製造されたものでは、ロックウールの繊維を接着するつなぎ材としてアスベストを混ぜていたという事実があります。

吹き付けロックウールでも、ロックウール吸音板でも、見た目からはアスベスト含有のものと純ロックウールのものの区別はつきません。

また、アスベストが禁止された後でも、アスベストの製造ラインをそのまま使用してロックウールを製造していた工場もたくさん存在しました。

すると、製造ラインに残留していたアスベストが混入してしまったロックウールも存在していたのです。

たとえ製品自体やパッケージに「ロックウール」と書かれていても、製造された年代が古ければアスベストを含有しているおそれがあることに注意しましょう。

アスベスト除去のプロ

ロックウール吸音板については、アスベストを含有していても硬化したうえで表面を塗装でコーティングしているため、通常の使用や生活には問題はありません。

ただし、解体・除去にはアスベスト同様の注意が必要です。

 

気をつけたいロックウールの解体・除去

ロックウールは危険性が低いものですが、ロックウールの解体・除去においては、作業環境中の吸入性粉じんが3.0mg/㎥を超えるおそれがある場合は、国家検定に合格した防じんマスクの着用が望ましいとされています。

また、アスベストのように特別な機械類で粉じんを吸入する必要はなく、粉じんの吸入は工業用または家庭用の掃除機でも可能とされています。

ただし、必要以上の粉じん発生を抑えるために、無用な切断・破砕などはおこなわないよう注意が必要です。

また、ロックウールはアスベストのように常に湿潤させたり、運搬中も表示義務を負ったりするような、特別な廃棄方法を取る必要はありません。

ロックウールは、産業廃棄物のうち「ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず」に該当するため、一般的な廃棄が可能です。

アスベスト除去のプロ

安全性が高いといっても、アスベストと同じく飛散すれば健康被害が発生しないとも言い切ることができないものです。

ロックウールの解体・除去も、粉じん対策のノウハウが豊富な業者に任せるのが一番ですよ。

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シックハウス症候群対策に有効なロックウールがある?

住宅用の断熱素材として使用されるロックウールには、3%以下のフェノール樹脂が使用されています。

そのため「新築の家に住み始めたら喉がゼイゼイする」「新築アパートに入居したが、頭痛や目の痛みを感じる」などのシックハウス症候群を引き起こす原因となる「ホルムアルデヒド」が微量ながら放出されます。

ただし、ホルムアルデヒドの放出量はごくわずかで、建築基準法が定める等級では「F☆☆☆☆」という高い安全性が認められています。

注目すべきは「ホルムアルデヒドを吸着するロックウールがある」ということでしょう。

天井板として使用されるロックウール吸音板の中には、シックハウス症候群の主な原因となる有害なホルムアルデヒドを吸着する製品があります。

さらに、吸着したホルムアルデヒドを分解する作用がある製品まであるのですから、注目しないわけにはいきませんよね。

たとえば、ロックウール製品の大手メーカー大建工業が製造・販売している「ダイロートン」は、ホルムアルデヒドを全く含まないばかりか、特殊塗料によってホルムアルデヒドを吸着し、分解する作用を持っています。

ロックウールとアスベストの違いを徹底比較!ロックウールの解体・除去工事の内容のまとめ

ここでは、いまだに誤解している方の多い「ロックウール」と「アスベスト」の違いを解説していきました。

ロックウールはアスベストと比べると非常に安全で、人体への悪影響が少ない物質です。

ただし、無条件に「無害です」とは言い切ることができないものでもあることには要注意です。

もしロックウールの解体・除去が発生する際は、粉じん対策などに精通した専門業者にお任せしましょう。

特に、古い住宅や建物になるとアスベストを含有しているロックウールが使用されている可能性があるため「ロックウールなら安全だから」と過信してDIYで解体・除去などをせず、まずは専門業者の調査を受けて安全性を確認しておくことをおすすめします。

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2018.10.12

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