シーリング(コーキング)の価格相場は!?「打ち増し」と「打ち替え」の費用と耐久性の違い

シーリング(コーキング)の価格相場は!?「打ち増し」と「打ち替え」の費用と耐久性の違い

外壁塗装の下地処理としておこなわれるシーリング(コーキング)処理。

見積書を見ると「外壁・屋根の損傷部分等のシーリング(コーキング)処理」などと記載があるはずです。

さて、このシーリング(コーキング)処理には「打ち増し」と「打ち替え」の2種類があることはご存知でしょうか?

言葉だけを聞くと大した意味の違いがあるようには感じませんが、工事の内容は全くの別モノで工事費用やシーリング(コーキング)の耐久性が異なります。

今回は、これから外壁塗装の工事を検討している方にはぜひ知っておいて頂きたい、シーリング(コーキング)の打ち増しと打ち替えの費用や耐久性の違いについて紹介していきましょう。

シーリンとコーキングの違い

まずはあまり聞きなれないかもしれないシーリング(コーキング)処理についてカンタンに説明しておきましょう。

コーキング(caulking)とは、日本語に直訳すると「すき間に詰め物をする」という意味になります。

建築の業界では、部材のすき間にシリコンやウレタンのコーキング剤を詰める処理のことを指してコーキングと呼んでいます。

ほぼ同じ意味で使われている言葉で「シーリング」という言葉があります。

一般的にはこのシーリングという名称のほうが馴染みがあるかも知れませんね。

シーリング業者は、言い換えれば「防水屋さん」

例えば、屋根や屋上、ベランダやバルコニーなどの漏水を防止、修繕するのが防水屋の主な業務です。

シーリング(sealing)を日本語に直訳すると「密閉する」という意味になり、やっていることはコーキングと大差がありません。

建築業界では「コーキング」も「シーリング」も表記が統一されているので、同じ意味として解釈しても問題ありません

シーリング(コーキング)処理はどんな作業をするの?

シーリング(コーキング)処理とは、主に外壁の部材が「サイディング」や軽量気泡コンクリートをパネル状に加工した「ALCパネル」の場合に用いられます。

パネルの接合部分には必ず目地と呼ばれるすき間があるので、ここにシーリング(コーキング剤)材を注入し、パネルを接合して外部から水が入らないようにするわけです。

使用するシーリング(コーキング剤)材によって耐久性は異なりますが、最も耐久性の高いシリコン性のシーリング(コーキング剤)材の場合の耐久性は10年程度はあると言われています。

「なんとなくわかったけど、いまいちピンとこない」という方は、ご自宅のお風呂場をのぞいて見てください。

浴槽と壁面のキワにあたる部分に、ゴムのような弾力のある層があることに気がつくはずです。

これがシーリング(コーキング)です。

シーリング(コーキング)処理は、目地などのすき間を埋めるほかにも、外壁のひび割れ部分の修繕、リフォーム時に不要な部材を取り除いた後にできた穴の穴埋め処理などにも用いられます。

シーリング(コーキング)の「打ち増し」と「打ち替え」の違い

シーリング(コーキング)処理には「打ち増し」と「打ち替え」の2種類があります。

なんだかよく似た名前なので、違いが分かりませんね。

打ち増しとは、すでにこれまでの工事で注入されているシーリング(コーキング)の上から新たにシーリング(コーキング剤)材を注入すること。

打ち替えとは、既存のシーリング(コーキング)を剥ぎ取って、新たにシーリング(コーキング剤)材を注入することをいいます。

シーリング(コーキング)は硬化してもカチカチになることはなく、触れると弾力のあるゴム状になります。

外壁のシーリング(コーキング)は、外気の熱や風雨にさらされるため必ず劣化し、縮んですき間ができたり、ひび割れをおこしてしまいます。

状態が悪ければ、手で触っただけでもボロボロと崩れてしまうことさえあるのです。

シーリング(コーキング)に限らず、ゴム状の製品は外気や風雨が苦手。

身近にある輪ゴムでも、外に置いておけば弾力がなくなって白く乾いた状態になり、引っ張るとちぎれてしまいますよね。

これと同じ現象が、外壁のシーリング(コーキング)にも起こっているわけです。

このような状態のシーリング(コーキング)では、外壁を伝う雨水や湿気が建物の内部に侵入してしまい、健在を傷め、雨漏りなど住まいのトラブルを引き起こす要因となってしまうのです。

そこで、古くて劣化してしまったシーリング(コーキング)を新たなものに交換する必要があるわけですが、

劣化したシーリング(コーキング)の上から新たなシーリング(コーキング)を注入しても100%の効果は得られません。

そう、つまり既存のシーリング(コーキング)が劣化してしまっている場合には、シーリング(コーキング)の「打ち増し」処理では十分な効果が得られないのです。

シーリング(コーキング)が劣化してしまっている場合には、既存のシーリング(コーキング)を一旦すべて剥ぎ取り、新たなシーリング(コーキング剤)材を注入し直す「打ち替え」処理を施す必要があるのです。

シーリング(コーキング)の打ち替え費用

劣化した既存のシーリング(コーキング)を撤去し、新たにシーリング(コーキング)材を充填する方法がシーリング(コーキング)の打ち替えです。

そもそもシーリング(コーキング)は雨水の浸入を防ぐためのものなので、下地に密着するように施工されています。

打ち替えのために既存のシーリング(コーキング)を撤去するのは手間がかかるので、当然のことながら工事費用もある程度掛かります。

打ち替え工事:700円~1,200円/m(参考価格)

シーリング(コーキング)の打ち増し費用

一方、既存シーリング(コーキング)の上に新たなシーリング(コーキング)材をかぶせて厚みを増す方法がシーリング(コーキング)の打ち増しです。

打ち増しは既存シーリング(コーキング)の撤去作業が必要ないので、その分施工にかかる時間は短縮できます。

さらに、材料費も抑えられるので費用が安く済みます。

打ち増し工事:500円~900円/m(参考価格)

例えば、2階建て30坪のお家の場合、シーリング(コーキング)工事のm数の目安は約150m~200mです。

仮に打ち替えで単価1,000円×200mの場合、200,000円となります。

打ち増しでは、単価500円×200mで100,000円です。

分かりやすい数字を用いましたが、打ち替えは打ち増しに比べると費用がおよそ1.5~2倍かかるとお考えください。

ただし、業者によってはm単価ではなく、一式として費用を出すこともあります。

打ち増しをするには条件のクリアが必要

では、シーリング(コーキング)工事を行う際に「施工の手間も費用も抑えられるのだから、打ち増しの方が良い」のは正解でしょうか。

答えは単純ではありません。打ち増しを行うには、以下の2つの条件を満たすことが必要になります。

シーリング(コーキング)材の厚みが確保できる

シーリング(コーキング)は、ただ単に詰めればよいというものではありません。その性能を発揮するための厚みが必要で、シーリング(コーキング)メーカーにより定められています。

サイディングボード自体の厚みが少ないお家の場合、既存のシーリング(コーキング)と新しいシーリング(コーキング)を合わせても厚みが足りないことがあります。

シーリング(コーキング)の厚みが規定量に届かないと、本来の強度を十分に発揮することはできません。

既存のシーリング(コーキング)がそれほど劣化していない

塗膜でシーリング(コーキング)が覆われている、またシーリング(コーキング)カバーが取り付けられている、塗装から年数が経っていないなどの理由で、シーリング(コーキング)の劣化が進んでいないことも条件の一つです。

傷だらけでボロボロのシーリング(コーキング)はもはや防水の役割を果たさないので、新しいシーリング(コーキング)を薄くかぶせただけでは性能を確保することができません。

「打ち増し=手抜き工事」というウソ

以上の2つの条件から、塗り替えを検討することの多い築10年以上のお家では、シーリング(コーキング)(シーリング(コーキング))の劣化が激しいので打ち替えを行うのが一般的です。

では、打ち増しは手抜きなのかと言えば、必ずしもそうとは限りません。構造によっては打ち増しを行うのが適当な場合もあるのです。

サッシの形状によっては打ち増しになる

サッシの形状によっては、既存のシーリング(コーキング)をきれいに撤去するのが難しいタイプのものがあります。

カッターで無理に剥がしてサッシを傷つけてしまうのを避けるため、打ち増しを選択することがあります。

この場合は、三角シールを用いた施工方法なら厚みを確保できるので、早期破断を防ぐことが可能です。

築年数の古い家の構造によっては打ち増しになる

近年の通気工法を取り入れたお家であれば、外壁の構造は1.通気工法で透湿防水シート、2.胴縁、3.サッシ、4.サイディングの順に取り付けられています。

仮にサイディングやシーリング(コーキング)の隙間から雨水が浸入してきたとしても、二次防水機能のある透湿防水シートにより雨水が流れ落ちるので、通常、部屋の中まで水が浸入することはありません。

しかし、築年数の古いお家では、1.直貼りの透湿防水シート、2.サッシ、3.サイディングの構造になっているものがあります。

このようなケースでは、サッシ周りのシーリング(コーキング)撤去時に透湿防水シートを切る可能性があります。透湿防水シートに傷がつくと雨漏りを引き起こす恐れがあるので、打ち増しで施工することがあります。

耐久性の違いが工事費用の差を生む

外壁の塗り替え時にシーリング(コーキング)を打ち替えした場合、シーリング(コーキング)の性能が十分に発揮されるので、次の塗り替えまで防水機能を保つ可能性が高いといえます。

しかし、劣化したシーリング(コーキング)の上に打ち増しした場合やシーリング(コーキング)自身の厚みが足りなかった場合、次の塗り替えまで防水機能を保つのは難しいと言えます。

つまり、外壁塗り替え時にシーリング(コーキング)代を半分の費用に抑えて節約したとしても、数年後にシーリング(コーキング)の単体工事が必要になりかねないということです。

足場代が二重にかかり、負担増の恐れ

一般的に、シーリング(コーキング)の打ち替えや打ち増しには足場をかけなければなりません。

足場代は地域により違いがありますが、2階建て30坪のお家の場合、足場代12万円~18万円が加わります。

打ち替えを選択した場合

・外壁塗り替え費用(足場代含む)+シーリング(コーキング)打ち替え工事20万円(参考価格)

打ち増しを選択した場合

・外壁塗り替え費用(足場代含む)+シーリング(コーキング)打ち増し工事10万円(参考価格)

・シーリング(コーキング)打ち増し工事10万円(参考価格)+足場代

再度打ち増しを選択して価格を抑えたとしても、結局、足場代が余計にかかってしまいます。しかも、何度も足場をかけて工事を行うのは、ご家族の心理的にもご近所にも負担が大きくなります。

見積もりの安い業者は工事内容に注意

外壁の塗り替えで見積もりを取る際に、シーリング(コーキング)工事の内容をよく確認しておきましょう。

というのも、シーリング(コーキング)が劣化しているにも関わらず、すべて打ち増しを提案する業者が存在するからです。

「お客様のご予算に合わせた価格で工事を行う」という方針はいいのですが、数年後に再度シーリング(コーキング)工事が必要になる可能性もあります。

仮に1社だけ打ち増しを提案するようなら、選択肢から外すか納得のいくまで理由を尋ねるのが無難です。

ちゃんと業者が「打ち替えを」したかをチェックする方法

もしこれから住宅の外壁塗装をしようと思案中の方で、ご自宅がサイディングなどのパネル状の外壁である方は、間違いなく業者からシーリング(コーキング)についての話を聞かされることになります。

賢明な方であれば「ぜひシーリング(コーキング)は打ち替えでお願いしたい」と業者に依頼するかとは思いますが、ここでもう一つだけ業者の良し悪しを見極めるコツを伝授しましょう。

業者が「では打ち替えでいきましょう!」と言ったとしても、本当に打ち替えをしてくれているかは、工事に付きっきりで見ていないと分かりませんね。

そこで、業者がシーリング(コーキング)をしていた日に、業者が帰った後で住宅の外周をぐるっと見てみましょう。

外壁塗装の工事では、一つの工程ごとに外周を掃除することは稀です。(少なくとも私は毎日大きなゴミ以外を片付けて帰る業者に出会ったことがありません。)

外壁のシーリング(コーキング)を打ち替えると古いシーリング(コーキング)を剥がしたゴミがたくさん出ますが、シーリング(コーキング)のゴミが全く落ちていない場合は、打ち替えと偽って打ち増しをしているおそれが大です。

住宅の中にいても工事がやけに静かな場合も要注意。

古いシーリング(コーキング)を剥ぎ取る際には、必ず革鋤(カワスキ)などのヘラ状の工具で古いシーリング(コーキング)を残らず刮ぐため、ゴリゴリと室内に響くような音がします。

契約違反であれば請負工事は該当部分のやり直しを求めることができるので、ズバリと指摘しましょう。

住宅に住み続けるのも、工事代金を支払うのも施主なのですから、遠慮する必要は一切ないのです。

シーリング(コーキング)の価格相場は!?「打ち増し」と「打ち替え」の費用と耐久性の違いのまとめ

通常、劣化したシーリング(コーキング)は撤去して打ち替えを行うのが基本です。

特に、ジョイント部分の目地は傷みの激しい箇所をそのままにして打ち増しするのは論外です。※メーカーもシーリング(コーキング)の打ち替えを推奨

ただし、傷みの少ない箇所や構造上シーリング(コーキング)を撤去できない箇所などは打ち増しを行うことがあります。

近年、ネットの情報が氾濫しており「打ち増し=悪徳業者」のような図式が広まっていますが、実は打ち替えのみが正しい施工方法なのではありません。

打ち替えと打ち増し、それぞれに適した箇所やタイミングがあることをご理解ください。

一番大切なのは、現在のシーリング(コーキング)の状態を見極め、さらに自分の住まいにあと何年住む予定かなどの見通しを立て、安価な工事費用に惑わされずにベストな施工方法を取ることです。

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