マンション売却で売出価格はいくらにすべき?希望成約価格から計算しよう

マンション売却で売出価格はいくらにすべき?目標の成約価格から計算しよう

これから土地やマンションを売却しようと考えている方は頭の中で、

  • これくらいの価格で売れたらいいな
  • 最低でもこれくらいの価格じゃないと

という目算があることでしょう。

土地やマンションという大切な資産を売却するのですから、できるだけ高い価格で売却して後の生活や投資に活かしたいところです。

ただし、何のガイドもなく「これくらいの価格がいい」と決めてしまうのはあまりにも無謀です。

みなさんが物件購入の際に最初の価格を見て目星をつけて、そこから価格交渉をしたのと同じで、売出しの価格と実際の成約価格は変化します。

ここでは、マンション売却のスタート価格である「売出価格」について、売出価格の決め方を解説していきましょう。

※今すぐ売出価格の計算方法を見たい方はこちら ↓↓ を押してジャンプして読んでください。

「売出価格」と「成約価格」の関係

家売るレオさん

店長、私いま「SUUMO」で中古マンションの販売情報を見てたんですけどね。

「販売価格」が表示されていますけど、これって実際のところはどのくらいの価格で成約するものなんですか?

イエプロ

レオさんが気になっているのは「売出価格」と「成約価格」の差ですね。

家売るレオさん

だって、中古車情報だって、ネットで見た価格よりも値下げしてもらって購入するじゃないですか。

中古マンションでも同じなのかな?って思って…

イエプロ

まさにそのとおりですよ。

物件情報で表示されている価格はあくまでも「この金額で売却したい」という希望価格の最高額であって、実際の成約価格とは違うんです。

家売るレオさん

やっぱり…物件情報の価格と、最終的な成約価格って、どのくらいの差があるんですか?

イエプロ

不動産業者も最初から値下げを折り込んで価格を表示していますからね。

実際には売出価格の80%程度で成約しているケースが多いんですよ。

みなさんが不動産情報のサイトなどで見ることになる販売価格は、不動産業界では「売出価格」といいます。

売出価格、つまり「最初はこの価格で公開して購入希望者を募る」という設定ですね。

これに対して、購入希望者が不動産業者や売り主と交渉し、最終的に「この価格で買います」と決める価格のことを「成約価格」と呼びます。

売り手としてはできるだけ高い価格で売却したいのですから、成約価格を意識しながら売出価格を決めていく必要があるわけですね。

成約価格は一般的に「売出価格の80%程度」

実際に売出価格と成約価格に差があることを示す証拠として、公益財団法人「東日本不動産流通機構」が公表している資料をご覧いただきましょう。

マンション売却で売出価格はいくらにすべき?目標の成約価格から計算しよう

中古マンションの築年帯別平均㎡単価

マンション売却で売出価格はいくらにすべき?目標の成約価格から計算しよう

中古マンション成約状況(万円、㎡)

引用:築年数から見た首都圏の不動産流通市場2017年版

この資料をみると、築年数に応じた売出価格と成約価格の差がわかります。

まず、ごく築浅の0〜5年の物件では、1㎡あたり売出価格が90.24万円であるのに対して、成約価格は76.97万円となり、売出価格:成約価格の差は85.2%になります。

築6〜10年の物件になると、売出価格の平米単価は72.73万円、成約価格は65.53%となり差は90.1%

築11〜15年では売出価格67.32%・成約価格58.65%で差は87.1%

これらのデータをまとめると次のようになります。

築年数 売出価格と成約価格の差
0〜5年 85.2%
6〜10年 90.1%
11〜15年 87.1%
16〜20年 89.2%
21〜25年 83.9%
26〜30年 81.0%
31年〜 73.2%

この表を見て頂ければわかるとおり、売出価格と成約価格の差は70〜90%の差があり、概ね80%程度の価格で成約しています。

たとえば、築年数が25年のマンションを売出価格3,000万円で公開した場合、実際には3,000万円×83.9%=2,517万円で成約しているということになりますね。

家売るレオさん

こうしてみると、売出価格と成約価格の間って数百万円単位で差があるんですね

イエプロ

物件の価格が高くなれば1,000万円以上の違いが生じますからね。

この差は無視できませんよ。

成約価格との差は「築年数」が関係している

先ほどの一覧表を見ていただければわかるのですが、売出価格と成約価格の差には「築年数」が大きく関係しています。

築年数0〜20年以内では80%後半から90%程度、21年〜30年では80%台前半になっていますね。

ところが、築30年を超えてしまうとガクッと落ち込んで70%台に下落してしまいます。

築30年以上の家やマンションであれば、そもそも価格は抑えめになっているはず。

そこからさらに30%近い値下げを受けるわけですから、売り主としては心中穏やかではないでしょう。

少し面白いのは築浅マンションの動向です。

築0〜20年のマンションの中で最も売出価格と成約価格に差があるのが、一番新しい年代となる「築0〜5年」の物件です。

売出価格と成約価格の対比は85.2%で、15%近い値下がりをしていることになります。

これに対して築6〜10年では90.1%となっており、大きな差はありません。

統計資料の詳細な情報は公開されていないので不明ですが、新築に近いマンション物件では強気な売出価格を設定していることが関係しているのかも知れませんね。

売出価格と成約価格に差が生じる理由

家売るレオさん

中古マンションは「売出価格と成約価格に差がある」ってことはわかりましたけど、なんでそんなことになるんでしょうか?

値下げするなら最初から安く設定しておいても良さそうなものなのに…

イエプロ

そこには、不動産市場のある特徴が関係しているんですよ。

キーワードは「レモン」です。

中古マンション市場では、売出価格と成約価格に差が生じます。

3,000万円の値札がかかっている中古マンション物件も、実際に購入する際には2,500万円程度になるということです。

さて、そんな市場の特性を持っている業界がほかにもあることに気がつきませんか?

それは「中古車」です。

中古車市場も、展示場で150万円の値札がかかっている車が実際には10〜20%引きで販売されていますよね。

値引きされなかったとしても、カーナビやドライブレコーダーなどのオプションをオマケで装備しれくれるように交渉するはずです。

この特徴は、ほかの市場ではあまり見かけることがありません。

値引きやサービスがある意味で当然になっている業界の謎を解説しましょう。

「レモン市場」とは!?

みなさんは「レモン」と聞くとなにを想像しますか?

黄色くて酸っぱい果物を想像しますよね。

マンション売却で売出価格はいくらにすべき?目標の成約価格から計算しよう

レモン(Lemon)の意味は欠陥品

ところが、英語のレモン(Lemon)には別の意味があります。

レモンという言葉には、意外にも「できそこない」とか「欠陥品」という悪いイメージがあったんですね。

アメリカの経済学者ジョージ・アカロフは、中古車市場に欠陥品が多いことを研究して「レモン市場」という理論を確立しました。

アメリカでは、質の悪い中古車のことを俗に「レモン」と呼ぶそうです。

レモン市場とは、売り手側は財やサービスの品質を理解しているのに、買い手側にとっては未知であるため、結果として不良品ばかりが出回ってしまう傾向がある市場のことです。

マンション売却で売出価格はいくらにすべき?希望の成約価格から計算しよう

たとえば、100万円の中古車を販売するとします。

この中古車、実は50万円の価値しかない粗悪なものですが、その事実は売り手である中古車ディーラーしか知りません。

買い手としては、提示されている価格から「100万円の価値がある」と信じるしかないのです。

ところが、買い手がその価値を確かめるには、実際に購入してみないとわかりません。

購入し、使用し続けてはじめて「粗悪品をつかまされた」と気づかされます

こんなことを繰り返しているうちに「あのディーラーは粗悪品ばかり」という情報が出回ってしまい、買い手が激減してしまいます。

すると、その中古車ディーラーは50万円まで値下げしないと中古車が売れなくなりますが、それでは利益がなくなってしまうので、今度は25万円の価値しかない中古車の販売を始めます。

この繰り返しによって、市場には粗悪な欠陥品ばかりが溢れかえってしまう結果になります。

これが「レモン市場」の特徴です。

中古マンションの市場は典型的な「レモン市場」

中古車と同じく、中古マンションの市場も典型的なレモン市場です。

たとえば、築20年になるマンションでは、いろいろな箇所に不具合が生じているはずです。

ドアや窓の建てつけが悪くなっていたり、システムキッチンの戸棚や引き出しの具合が悪くなったりしているはずですが、物件情報の写真や画像などでは不具合に気づくことができません。

ところが、実際に内覧してみるといろいろな箇所の不具合に気がついてしまいます。

そもそも欠陥に近いような不具合があったり、長年の居住に伴った劣化があったりして「物件情報で思ったほどの魅力はないかな…」なんて気持ちになるでしょう。

こうなってしまうと、提示されている売出価格のままでは購入する気になれません

「もう少し安くなるなら考えてもいいかな」と思えるレベルの不具合なら値下げ交渉を持ちかけるし、この価格では買えないなと腰が引けてきたことを営業マンに察知されれば不動産業者側から「ここまでは勉強できます」と値下げを提案されます。

いずれにしても、レモン市場の業界では売り手と買い手のどちらともが「値下げは折り込み済み」となり、売出価格はオークションの「スタート価格」と同じ位置付けになるのです。

「成約価格」は交渉終了までわからない

マンション売却で売出価格はいくらにすべき?希望の成約価格から計算しよう

インターネットで中古の家やマンションの物件情報を検索し、そこに表示されている価格は「売出価格」です。

そこで、これから家やマンションを売却したいと考えている方が気になるのが「結局はいくらで売れるの?」ということでしょう。

残念ながら、中古の家やマンション物件の成約価格については公表されないのでわかりません。

売買が成立した中古の家やマンションについて、成約価格を知っているのは売り主・買い主・仲介した不動産業者の3者だけです。

先ほど、売出価格はオークションのスタート価格と同じと言いましたが、成約価格もまた「落札価格」と同じです。

値下げされていくのでオークションとは逆の理屈になりますが、最終的な成約価格は交渉が終了するまでわからないのです。

だからこそ、売り手は「このくらいまでは値下げされても良い」という予測をもって売出価格を設定することになります。

中古の家やマンションの売出価格の決め方

家売るレオさん

売出価格は「とりあえずこの価格からスタート」って感じで、実はここから値下げされるのは仕方ないって分かっているんですね。

イエプロ

そのとおりです。

つまり売出価格は「成約価格を見越して決める」ことになります。

これから家やマンションを売却しようと考えている方は、希望の売却価格の目算があるでしょう。

ここでは、マンション売却の際の売出価格を決める方法について解説します。

不動産業者の査定額=成約価格

マンション売却をする前には、必ず不動産業者による査定を受けているはずです。

不動産業者は、物件自体の状態を確認したうえで、実際の市況などを総合して「この価格で売れるだろう」という査定結果を弾きだします。

ここで注意したいのが、査定結果を売出価格にするわけではないということです。

もし、査定結果そのままで売出価格を設定してしまうと、そこから値下げを受けてしまい、思いのほか安値で取引きされてしまうことになるのです。

不動産業者が仲介する限り、査定額そのままに売出価格を決めて販売を開始することはまずあり得ません。

ただし、もし「とりあえず査定結果だけ聞いて、不動産業者を通さずに個人で取引きしよう」と考えているのであれば、絶対に査定額を売出価格にしないことです。

イエプロ

不動産業者に販売を任せると「仲介手数料」の支払いが生じますが、これを節約しようとして個人売買に走ると、結果として大損をしてしまうおそれがあるのです。

売出価格は希望する成約価格から逆算して決める

不動産業者が弾きだした査定額は、予想される成約価格です。

そこで、売出価格は「実際にいくらで売却したいのか?」を基準にして決めることになります。

では、実際にどのように決めるのか、シミュレーションしてみましょう。

想定物件

  • 都内人気エリア
  • 築23年の3LDKマンション物件
  • 査定結果3,000万円

まず、査定結果に近い価格で売却できるように売出価格を設定することを考えます。

築21〜25年の中古の家やマンションでは、売出価格と成約価格の差を比較すると83.8%にまで減額されます。

単純には「査定結果に減額分を加算」して売出価格を決めれば、希望する成約価格に近づけることが可能になるわけです。

「希望する成約価格(査定額)÷減額率」という計算をしてみましょう。

査定結果は3,000万円、減額率83.8%ですから、3,000万円÷83.8%=3,579万9,000円が予想される成約価格となります。

ただし、この計算式はあくまでもデータに基づいた目安です。

必ずしも値下げをされるわけではなく、売出価格どおりに高値で売却できるケースがあれば、予想以上に大幅に減額されて成約したケースもあることを覚えておきましょう。

地方ではさらに減額される!?

先ほどの売出価格と成約価格の差は、首都圏のデータを集計した結果によって導き出されています。

不動産の価格が絶対的に安くなる地方都市では、消費者の購買意欲が低いため、首都圏のデータよりもさらに減額されてしまうおそれがあるでしょう。

では「売出価格を高くすれば良いのか?」と言われれば、それは間違いです。

売出価格をむやみに高く設定してしまうと、消費者の購買意欲から大きく外れてしまうため、いつまでたっても売れない物件になってしまいます。

購入希望者が現れれば大きなチャンスだと感じるものですが、あまりにも大幅な値下げを強いる買い主には妥協せずにキッパリと販売をお断りするのも高価売却のコツのひとつです。

高値で売却するなら不動産業者選びが大切

マンション売却で売出価格はいくらにすべき?希望の成約価格から計算しよう

売出価格と成約価格の差は折り込み済みで販売を開始するものですが、マンション売却をお任せする不動産業者の方針によっては、得をすることがあれば損をすることもあります。

不動産業者の中には、自社が仲介手数料さえもらえれば売り主の損得は考えていない業者がいます。

そもそも、自社物件を売却する不動産業者でなければ、不動産業者の収入は仲介手数料がメインです。

仲介を任された物件がなかなか売れなければ「安く叩き売りしてでもさっさと決めてしまいたい」と考えても不思議ではありません。

また、悪質な不動産業者になると、わざと売出価格を高値に設定して消費者を遠ざけ、売り主を焦らしたところで息がかかった業者に安値で買い取らせることがあります。

大切な物件を手放すのであれば、できる限り高値で売却するべきでしょう。

そのためには、土地やマンション売却をお任せする不動産業者選びが大切です。

優良な不動産業者を探すなら、不動産の「一括査定サイト」が便利で、カンタンな情報入力で複数の優良な不動産業者に一括で査定を依頼できます。

マンション売却の売出価格にお悩みであれば、一括査定サイトを活用して優良な不動産業者にお任せしましょう。

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マンション売却で売出価格はいくらにすべき?希望成約価格から計算しようのまとめ

家売るレオさん

マンション売却の売出価格は、目標とする成約価格を意識して決めることになるわけですね。

イエプロ

査定額のままではダメ、高すぎても安すぎても損をする、意外と難しいところが売出価格です。

売り主の利益をしっかりと優先してくれる不動産業者にお任せして、適切な売出価格で販売を開始してもらいましょう。

マンション売却の売出価格は、値下げを受けてしまうことを前提に、目標とする成約価格を基準に設定するものです。

漠然と売出価格を決めてしまうのではなく、販売をお任せする不動産業者としっかりと相談を重ねましょう。

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2019.01.17

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